シャキッとしたいときの定番と言えばコーヒーです。
朝一杯のコーヒーが習慣になっている方も多いでしょう。しかし、意外と知られていないのが、自分を元気にしてくれるはずのコーヒーが、実はストレスの原因になっているかもしれない点です。
【カフェインで脳が逆に疲れる理由とは?】
その理由は、コーヒーに含まれるカフェインの作用にあります。カフェインが脳を元気にしてくれる理由を見てみましょう。
・カフェインが脳に達して、疲労物質(アデノシン)の働きをブロック。
・疲労物質が効かなくなったおかげで脳が元気になる。
要するに、カフェインは脳のセンサーに貼りつき、一時的に疲れをブロックしてくれるわけです。
ところが、どんなに優秀な薬でも使い過ぎれば効果が薄れていくように、カフェインの効果もやがて限界が来ます。毎日のように大量のカフェインを取っていると、少しずつ脳の疲労センサーを増やしていくからです。
【農林水産省 カフェインの過剰摂取が及ぼす影響】
・めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠が起こる可能性
・下痢や吐き気、嘔吐の可能性
・高血圧リスクが高くなる可能性
・妊婦の方が過剰摂取した場合に、胎児の発育を阻害(低体重)する可能性
過剰摂取の場合、これらの症状が出る可能性があります。
これは近年のカフェイン研究で明らかになった事実で、いったん脳の疲労センサーが増えると、いくらカフェインを飲んでも意味はなくなります。
それどころか、無闇にセンサーが増えたせいで、以前よりも疲労物質の効き目が強くなり、あとはひたすら脳が疲れていくのです。
カフェインはコーヒーやお茶類だけでなく、エナジードリンクなどの清涼飲料水にも含まれています。ここ数年、若い人たちの間でエナジードリンクの飲用が広がっており、カフェインの過剰摂取を危惧する声が高まっています。日本国内で販売しているエナジードリンクの中には、缶やビン1本あたりコーヒー2杯分のカフェインを含むものもあるので、1日に何本も飲むことは避けましょう。
【カフェインの悪影響をリセットしよう!】
この問題を解決するには、いったんコーヒーやエナジードリンクを完全に止めて、カフェインをリセットするしかありません。
2010年におこなった調査によれば、脳の疲労レセプターが復旧するまでの時間は7~12日間。
この間は、カフェインが入った飲み物はすべて断ち、水や麦茶、ハーブティなど、カフェインが入っていない飲み物だけを口にするようにしてください。
コーヒーはもちろん、緑茶、紅茶、ウーロン茶、ココアなどもNGです。
実際にやってみるとわかりますが、毎日カフェインが習慣になっていた場合、最初の3日間ぐらいは禁断症状が起きます。
1日中眠気が去らなかったり、軽い頭痛が起きたりと、とにかく色々な不調に悩まされる可能性が大です。
ですが、ここでまたカフェインを飲んでしまったら、元もこうもないので、どうかやり過ごしてください。少しずつ爽やかな気分に移り変わっていくでしょう。
【カフェイン・リセットが効く人、効かない人】
もっとも、カフェイン・リセットの効果は人によってかなり異なります。カフェインの作用は遺伝の影響が大きく、生まれつきまったく悪影響が出ない人も意外と多いからです。
・高カフェイン感受性
1日100mg以下のカフェイン(コーヒー、1~1.5杯)でも、不眠や焦り、心拍数の上昇などが起きる。
・中カフェイン感受性
1日200mg~400mgまでのカフェイン(コーヒー2~3杯)なら副作用が起きない。大多数の人はここに含まれるため、多くのガイドラインでは、1日のカフェイン量を300mgに設定しています。
・低カフェイン感受性
1日に500mg以上のカフェイン(コーヒー5杯以上)でも何も起きない。寝る前にコーヒーを飲んでもぐっすり眠れるレベルで、全人口の10%ぐらいがここに入る。
つまり、1日1本のコーヒー缶で悪影響が出る人もいれば、1リットルをがぶ飲みしても問題ない人もいます。もしあなたに高カフェイン感受性の疑いがあるようなら、ぜひカフェイン・リセットを試してみてください。
私の場合は、朝から晩までブラックのコーヒーを飲用しています。眠気もしっかり来るので、あまり気にしていませんが何らかの影響はあると思います。カフェインには、運動中の疲労感を軽減させ、長時間の運動が続けられることや、集中力を高める効果もあると言われています。うまく付き合えば、私たちに良い効果をもたらしますが、過剰摂取やカフェインに弱い方は「摂取の仕方」をしっかりと学んで見直す方がよさそうです。
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