最近のダイエット・キーワードでよく耳にするのが「基礎代謝」という言葉。
基礎代樹量とは、1日何もせずに寝ているだけの状態でも消費するエネルギー量を言います。
つまり、私達が生命維持のために、内臓を動かしたり、血液を流したりしている無意識の活動は基礎代謝量に含まれます。
なかでも定説のように言われるのが、筋カトレーニングをして筋肉を増やすと基礎代謝が増えて、同じ生活でも脂肪燃焼されやすい「痩せ体質」になるという話。
これも間違ってはいませんが、過信しすぎることが良くないと私は考えています。
中性脂肪が分解されて脂肪酸になり、最終的に代謝されるところは体内のエネルギー工場であるミトコンドリアという細胞ですから、筋肉活動を起こしてミトコンドリアを活発化させれば、体脂肪は必然的に燃えやすくなるでしょう。
しかし、最近では「基礎代謝量を上げる」という言葉がダイエットを成功させる魔法の言葉になって、筋トレだけでなく、ストレッチやマッサージ、整体などの矯正施術までが「基礎代謝量を上げる」と謳っています。
果たして、基礎代謝量が上がって痩せることは可能なのでしょうか?
恐らく効果が出ている人もいらっしゃることとは思います。
とはいうものの、ダイエットと並行して基礎代謝量を上げる工夫をプラスアルファで行うことは大変良いのですが、「基礎代謝量アップ」だけで痩せようとしたら、かなり効果が出にくいはずだというのが正直な感想です。
というのも、かつて言われていた基礎代謝量の内訳は、約40%を筋肉が占めていて、残り60%が内臓だと言われていました。
普段、私達は意識的に内臓を動かすことはできませんから、基礎代謝量の約半分が意識的に動かせる筋肉であるということは、それを鍛えることで効率的に基礎代謝量を増やすことができて、さらには普段の運動での活動代謝も増えることから、筋肉量を増やすことはダイエットの基本と言われるようになっていました。
【代謝を上けても体重は減りません】
しかし、残念なことに、最新の研究データでは基礎代謝の40%と言われていた筋肉の割合はなんと18%に変わっています。
そして、内臓の割合が80%。
肝臓や脳、心臓と言った内臓による代謝が基礎代謝の大部分だということです。
そもそも、筋肉を1キログラム増やすのはかなりの至難の業です。
ビルダーでさえ、純粋に筋肉量を1~2キロ増やすのに1年近くを要するとも言わたったそれだけです。
そんなにがんばって1キロ筋肉を増やして増える基礎代謝量は15~45キキロカロリー程度です。
たったそれだけです。
一般的な女性の基礎代謝量が約1200キロカロリー。
男性で約1500キロカロリーです。
ここに活動代謝が足されて1日の消費カロリーが算出できるのですが、1日の消費カロリーは女性で約1900男性で約2400キロカロリーです。
この数字に数十キロカロリー程度が足されることに、そんなに大きな意味があるとはどうしても思えません。
もちろん、トレーニングを根本的に否定するのではなく、「基礎代謝量アップ」は魔法のダイエット法ではないということを言いたいのです。
トレーニングを行うことで、体脂肪燃焼のための成長ホルモンおよびアドレナリン分泌や、普段の活動代謝を引き上げられるなどの効果はありますが、基礎代謝羅を上げて普段から痩せやすくなる、ということは非現実的です。
もしそうであれば、筋肉より、代謝の80%を占める内臓機能を高める努力をしたほうがよほど効率的と言えますし、何より食事でのカロリーの摂り方を考えたほうが時間的にも体力的にも経済的にも余裕が出るでしょう。
ここまでは、カロリー消費=脂肪燃焼というような考え方の方々が多いと思われますが、筋肉を増やして基礎代謝を上げると効率的に痩せられるという考えは捨てていただきたいのです。
嘘ではありませんが、固執する必要はないということです。
合わせて読んで見てください。
↓ 参考書籍
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