脂肪燃焼のための運動の王道と言えば、有酸素運動が挙げられますね。
有酸素運動は文字の通り、酸素を利用して体内のエネルギーを消費する運動のことを言います。
この運動は、長い時間をかけて行うことができる強度の低い運動であればあるほど、酸素を使う効率、つまり有酸素性が高まります。
逆に短時間しか行えない強度の高い運動は無酸素運動と定義されます。
有酸素運動は、ウォーキングやランニング、水泳やエアロバイクという運動の種類だけで定義されるものではなく、運動の強度と時間によって、それが有酸素性の高い運動か、無酸素性が高いかが定義されます。
簡単な例で言うと、ウォーキングとランニングでは、ウォーキングのほうが運動強度は低く、ランニングより長い時間行えるため、より有酸素性の高い運動となります。
ランニングとダッシュであれば、ランニングのほうが有酸素性の高い運動になりますね。
ただしランニングもペースが速くなれば当然無酸素性が高くなり、運動強度が高くなる分、長時間行えなくなります。
5キロを全力で走るペースで42キロのフルマラソンが走れるでしょうか?
当然走れませんから、5キロを全力で走るペースとフルマラソンを走るペースを比べるフルマラソンを走るペースのほうが有酸素性が高くなければいけません。
さて、その基本を考えあわせてみると、運動不足気味の人がランニングでゼェゼェハァハァ言いながら走っている状態は、酸素が足りなくなっている状態ですから有酸素運動というよりは無酸素性が高くなっています。
ゼェハァ言いながら長時間運動はなかなかできません。
長時間運動をしたければ、息を切らさないで運動したほうが長持ちします。
つまり、より有酸素運動としての効率を上げるためには、息が切れない程度の運動をしなければいけないということです。
そうなのか。
では、ランニングよりウォーキングのほうが、ダイエットには適しているんだ、という答えが導かれるところですが、ここでまた問題がひとつ。
有酸素運動としての効率が上がればたくさん体脂肪が燃える・・・と思いがちですが、それはあくまで脂肪燃焼の効率が上がるという意味であり、長い時間の運動が可能になるということではありますが、運動の強度が低ければ、その分運動量が減ってしまいます。
体脂肪が燃えやすいと言われている有酸素運動でさえ、使っているカロリーの約半分は糖質と言われます。
先日のブログでご紹介した「ランニングは30分で200キロカロリーの消費カロリー」とお伝えしました。
実は体脂肪がすべてエネルギーとして使われているのではなく、だいたい半分が糖質で、残り半分が脂肪をエネルギーとしているそうです。
燃焼効率が良いと言われていても、その程度ということです。
そしてランニングよりウォーキングのほうが脂肪燃焼効率は上がりますが、運動量としては減ります。
ウォーキングは30分で約100キロカロリー程度。
ランニングの半分の消費カロリーと言われていますから、ウォーキングがいかにランニングより体脂肪を効率的に消費している運動といえども、2倍の時間をかけなければ、ランニングよりも体脂肪を燃焼しているとは言えないことになります。
いかがでしょう?
消費カロリーの少ない有酸素運動だけで体脂肪1キログラム=7200キロカロリーを減らすというのがどれだけ至難の技なのか、ご理解いただけるかと思います。
もちろん、コツコツと続けていけば体脂肪は少しずつ燃焼されます。
ただし、即効性を求めてまとめて長時間行ったり強度を高くしたりすると、食べたい欲求が爆発し、リバウンドを招きやすくなることは前述した通りです。
以上のことから、有酸素運動は体脂肪を効率的に燃やせるというよく知られた事実だけでなく、ダイエッターにとってはかなり時間効率が悪いものだという、もうひとつの事実が見えてきました
体脂肪の燃焼効率を上げるためには、運動強度は低いほうが良い。
しかし、強度が低い分、効果を出すために運動時間を長く取らなければいけません。
つまり、ウォーキングでたった200キロカロリーを消費するためだけに大事な時間を1時間も割く必要があるわけです。
もちろん、1時間歩くための前後の時間も必要です。
普段の生活で、毎日そんな時間を作ることは容易ではない人が多いでしょう。
早起きして早朝にやってみたり、仕事が終わって家に帰ってからやってみたり・・・。
最初は大丈夫かもしれませんが、歩くのが楽しいだとか、よほどモチベーションが保てなければ、毎日できるという人はそう多くはないと思います。
痩せるために、楽ししことをくもないことを、イヤイヤずっと続けることができるかというと、それは辛いでしょう。
いくらダイエットと言っても、そこに楽しみがなければ、継続はしづらいです。
私の場合は「ダイエット」目的ではなく、ストレス発散や下半身の筋力アップのために、有酸素(ランニング)を行っております。こちらの内容は「まったく無駄!」ではなく、目的を変えたら有効なものだと和的に捉えています。
↓ 参考書籍
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