【水のように生きる】
川の水が流れながら岩を擦って栄養分を吸収するように、人間も出会う人すべてから貪欲に何かを吸収しようとすることが大切です。また、水が低い汚いところに溜まるように、人間も高いところから偉そうにしてはいけない。常に謙虚でいることが、「道」のありようでもあるのです。
谷川の天然水はミネラルが豊富で、しかも美味しいでしょう?
なぜなら、川の水が岩を擦るようにして流れながら、微量のミネラルを吸収しているからです。
人間で言えばそれは、多くの人たちと出会い、交流することです。
相手がどんな人であれ、学ぶべきことはあるはず。
そう思って、いいことも悪いところも貪欲に盗み取るようにしていれば、それが自分を成長させる栄養分になるのです。
逆にイヤな人間だなと思って、距離を置いたらどうでしょう?
何も盗めないではありませんか?
そんなふうでは、自分の身を細らせるだけなのです。
人付き合いのテクニック的には、聞き上手に徹するのがいいでしょう。
自分が言いたい事をぶつけるだけだと、相手から得るものが少なくなってしまいます。
それよりも、こちらからどんどん質問をぶつけながら、相手に気持ちよくしゃべってもらう。
そうすると、いろんな話を聞きだすことができますし、相手との距離もぐんと縮まります。
出会う人の誰が、ひょんなことから自分を応援してくれる人になるかわかりません。
その可能性の芽をつぶさないためにも、人との交流は大事にした方がいいです。
それが「利する」という意味です。
また、水は高いところからひくいところへ流れます。
その流れ着く先が谷底のじめじめとした、葉っぱや虫やらが浮いている汚い場所であったとしても、じっとそこに留まります。
人間社会にたとえるなら、そういう低いところには、情報が一番集まる場所なのです。
言い換えれば、誰に対しても腰が低く、「自分が、自分が」と言わない謙虚な人のところに、情報が集まるわけです。
高みから偉そうにしている人には、誰もいい情報を届けたいとは思いませんから。
水には形がなく、どこにでも入っていけ、どんな形の器にも入っていけます。
これは、自分の形を相手に押し付けないから、なせる業です。
水の精神とは、他者の持つ知識や技術を有効活用することで、人との交流を通して、さまざまな話を聞きだし、「今日はありがとうございました。大変勉強になりました」と謙虚にふるまう。
そうしていれば、いろんな人が情報を提供してくれて、自分自身の実力が向上するし、豊富な情報を仕事の新しいアイデアの源泉とすることもできるのです。
【シンプルに考える】
人生にはいろいろな問題が起きのものです。そのなとき、物事の枝葉末節を追いかけたり、周囲の言動に振り回されたりしているようでは何も解決しない。根本に立ち返って、本当に大事なことを見つめ直さないといけない。
すぐに対処できる問題なら、何も悩むことはないでしょう。
でも、打つ手なしというような難しい問題だと、頭を抱えてうずくまるしかありません。
また、考えつく対抗策がどれも決め手に欠けるとか、周囲の意見がまちまちでまとまらないといった場合、迷走を続けることになってしまいます。
そんなときは、まず問題に端を発する現象からいったん離れ、頭を空っぽにして心を落ち着かせる必要があります。
そのうえで、問題を生じさせている根本を見つめ直すのです。
では、根本って何でしょう。
問題というのは、だいたい6つぐらいに大別できるので、それぞれについての根本、つまり何を一番大事にするかを述べておきましょう。
1つ目は「人間とは、何か」を考えると、命に関わる問題なのかどうかを考えて見ることです。
命を失う心配があるなら、何よりも命を守ることを最優先して行動する。
その心配がないなら、「命を取られるわけじゃないし」と考えると淡々とやっていくまでです。
2つ目は、「人生とは何か」と考えてみると、人生とは楽しむことです。
楽しめない要素を排除することです。
たとえば、自分が本心からやりたいと思えないなら、それはやらない方がいいでしょう。
「苦も楽のうち」と思えるなら、やるべきですが、そうでない場合はやめておきましょう。
3つ目は「家族とは何か」と考えると、家族とは心のよりどころです。
家族を悲しませることになるか、ならないかを考えることです。
よく「家族のために頑張って仕事をする」などという人がいますが、それは本当に家族が望んでいる事なのでしょうか?
もしかしたら、「そんなに稼がなくていい。お父さんの健康のほうが心配だ」と思っているかもしれません。
そういった観点から見つめ直す必要があります。
4つ目は「家庭とは何か」を考えましょう。
家庭とは社会のトレーニングの場です。
子供をしっかりとしつけることが最大のポイントです。
必要以上に甘やかしたり、逆に厳しくしたりすることのないよう、しつけにつながらない要素を排除してください。
5つ目は「仕事とは何か」と考えます。
仕事とは天命を果たすことです。
何も難しく考えることはありません。
たとえば、人を励ますこととか、周囲を明るくすることなども立派な天命なのです。
6つ目は「会社とは何か」を考えます。
会社とは仕事を通して価値を生み出す舞台であると考えます。
会社はいわば、稲を植えて米をつくる田んぼのようなものです。
田んぼが自ら米をつくり、それをもらうところではないと同じように、会社は一方的に何かをしてくれたり、給料をくれたりするところではありません。
自分が何かを創造する場所なのです。
この根本に立ち返ると、会社に何かを求めるのではなく、自分が何をすればいいかが見えてきます。
こんな風に、悩んだり、迷ったりしたときは、根本に立ち返ってシンプルに考えてください。
たいていの悩み・迷いは解決します。
【孤独に強くなる】
いつも人と群れて、世間に迎合して生きてばかりだと、非常に窮屈です。ときにはすべてを忘れて、ひとりの時間を楽しみなさい。
「人はひとりで生まれ、ひとりで死んでいく」
紛れもない真実です。
そう考えると、自分を殺してでも、社会や周囲に迎合して何かをしなければ、そいう視点がなくなります。
そうすることで、自分の考えや感性、個性を何よりも重視して、自分自身の人生を生きようという感覚が強まります。
皆さんも、ある種のトレーニングだと思って、ひとりでいるときに心を宇宙に遊ばせてみてはいかがでしょうか?
昼間なら青空、夜間なら星空を見上げて、「自分を曲げて、世の中に遠慮しながら、窮屈に生きていないか?誰の目も気にせず、誰に気を使うこともなく、自由に生きていこうよ」と語りかけてみてください。
もし、やりたい事や好きな事があるなら、時間を作って没頭してください。
世間を忘れ、自分のために時間を使ってください。
自分だけの時間ですから、自由に使って、自由に遊んでください。
↓ 参考書籍
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