【すべての勉強は、娯楽である】
もともと、勉強とは遊びだったことをご存じだろうか。
古代ギリシャでは、労働はすべて奴隷がするものでした。
では奴隷ではない一般人は何をしていたかといえば、何もすることが無くて暇でした。
人間は労働を強いられるのも苦痛だが、ずっと暇なのも苦痛なものです。
そこで生まれたのが、暇つぶしの遊びです。
いくら暇つぶしをしようとしても、いい大人が子供のような単純な遊びを長時間やっていれば、さすがに飽きてしまいます。
そこで生まれたのが、大人が長時間やっても飽きない知的遊びであり、文学・哲学・音楽・芸術というわけです。
これら知的遊びは生涯かけても飽きることなく、それが文化の発展に繋がりました。
そして、現在の国語・算数・理科・社会・音楽・芸術などの、学校教育に受け継がれています。
すべての勉強は、もともと娯楽だったのです。
つまり、勉強はもともと楽しかったものだったのです。
では、どうして学校の勉強がつまらなかったかといえば、有無を言わさず強要されていたからです。
たとえば数学の公式は、ゲームのアイテムと同じで、この敵を倒すためには、その公式を使えばいいと解釈すれば楽しめる。
あるいは数学の解法は、ゲームの攻略法と同じです。
ステージ1をクリアするためには、その解法を知る必要がある、と解釈すれば楽しめる。
ギリシャ時代は今と違ってゲーム機材がまだなかったというだけの話で、それをアナログで楽しんでいたのが数学でした。
もし、あなたが現役の学生なら、もともとすべて勉強は娯楽だったと理解すれば、グンと親近感を持てるはずです。
親や先生の常套句(じょうとうく)である、「遊んでばかりいないで、もっと勉強しなさい!」は、「しょぼい遊びで満足してないで、とことん遊びなさい!」と解釈すればいい。
また、あなたが親や先生なら、 「しょぼい遊びで満足してないで、知的な遊びをとことんやりなさい!」と言ってあげるといいです。
もし、あなたが社会人なら、もう誰からも勉強を強要されないのだから、自分の大好きなことだけを勉強すればいいのです。
もしかしたら、学生のときに嫌いだった物理や歴史だって、誰にも強要されない現在なら、驚くほど面白い娯楽だと気づくかもしれません。
【勉強を、ご褒美にする】
社会人にとっての「勉強」は、ご褒美です。
学生時代は模範解答の暗記競争に飽き飽きしていても、社会人になると無性に勉強したくなるものです。
著者は大学時代に初めて「読書」の楽しさを知り、社会人になってから勉強そのものの楽しさを知ったそうです。
ちなみに私は40歳をこえてから「読書」の楽しさを知り、ここ数年は本を買いあさり、毎日隙間時間に読書しています。
仕事が終わったらご褒美に勉強ができると思うと、仕事にも勉強にも集中できます。
勉強の素晴らしいところは、どんなに勉強しても仕事に繋がるということです。
歴史の勉強をしていると必ず、商談でたとえ話として使えるシーンが巡ってきます。
相手も歴史好きなら、それだけで意気投合するのは間違いありません。
生物の勉強をしていると必ず、組織論を深く理解する一助になるそうです。
オスとメスの特性や、動物の本能などを知っておけば、人間社会の本質により近づくことができます。
周囲に人間関係の相談をしていても気休め程度で終わるのが、生物の勉強をしていれば、よりスムーズに問題が解決するのは間違いありません。
ここで大切なことは、あなたが歴史や生物の勉強をすることではなく、あなたが興味を持っている分野の勉強をすればいいのです。
もっというと、興味のない分野以外の勉強はしてはいけません。
我慢の勉強は、学生時代で卒業です。
あなたが「ご褒美」と感じられる、勉強であれば、どんな勉強をしても正解です。
【基礎力がなければ、何をやっても無駄】
勉強をスタートしても、すぐに集中力が途切れてしまうのは、基礎力が身についていないからです。
たとえば英語の参考書を読み始めて、いきなり冒頭でつまずいてしまう。
当然その瞬間、集中力は途切れます。
それどころか、英語の勉強が一生途切れる可能性もあります。
いきなり冒頭からつまずいた原因は、そもそも中学レベルの英文法が理解できていないからです。
その参考書がいくらわかりやすく書かれていても、中学レベルの英文法を知っている前提として解説している限り、わかるはずがないのです。
英語だけでなく、すべての分野の勉強は、基礎力が決定打になります。
あなたにも、仕事で勉強すべきことは山のようにあるはずです。
その際には、必ず基礎力を完璧にしておくことが大事です。
長時間勉強しているのに、まったく報われない人も中にはいるでしょう。
まずは、今から取り組もうとする参考書を書店で立ち読みして、7割程度理解できるものを選ぶことです。
問題集であれば、10問中7問くらい、自力で正解できそうなものを選ぶことです。
最初から自力で7割程度できるものまで、レベルを下げていれば、中学生どころか、小学生レベルになってしまうと赤面する人もいるかもしれませんが、そうやって小学生レベルをバカにしている限り、この人生を、あなたは無知蒙昧(むちもうまい)なまま終えてしまいます。
【眠くなったら、即仮眠する】
勉強で集中したければ、眠気は大敵です。
眠気を感じたままで勉強に集中することは、絶対にできないからです。
いかに冷水で洗顔しようとも、足を冷水の入った洗面器に突っ込もうとも、あなたには必ず、睡魔が襲ってきます。
そもそも睡眠とは我々の本能にインプットされており、どれだけ根性で踏ん張っても乗り越えられるものではないのです。
これに対する解決法は、簡単です。
いさぎよく、そのままゴロンと横になってしまうことです。
中途半端な睡魔であれば、無機質な英単語帳などの暗記ものを眺めながら、眠りを促進するといいです。
どんなに疲れていても、まだ明るいうちであれば、たいてい1時間以内、通常なら30分以内にパチリと目が覚めるはずです。
しかも、寝る前に暗記ものを頭に詰め込んでおくと、目が覚めてから確認した時、驚くほど覚えているという特典付きです。
なぜ、仮眠がいいのかというと、心身ともにリフレッシュできて勉強に集中できるということ。
3時間睡魔と戦って眠い目をこすりながら勉強するより、先に30分の仮眠を確保して、残り2時間半に賭けたほうが絶対に効果的です。
もうひとつ、睡眠中に記憶の整理整頓がされるということ。
起きたときには憶えていないことも多いが、睡眠中には夢を見ている。
夢というのは、起きている間の記憶を、脳が編集するための作業時間です。
つまり、寝る直前に暗記ものを詰め込んでおけば、ギリギリセーフで脳内の編集作業に間に合うというわけです。
とどめに、寝起きの1分で寝る直前に暗記空いたことをざっと復習してみると良いでしょう。
自分が天才になったと勘違いするくらいに、記憶が強固になっているはずです。
記憶力に自信がない人は、ぜひ試してみるとよいでしょう。
学生さんはもちろん、社会人の人でも強烈な武器になります。
勉強に限らず、眠気を我慢することほど、寿命の無駄遣いはありません。
【スマホは電源をオフにして、別室に置いておく】
勉強しているときにスマホをいじっている人が、とても多いです。
こういう人は永遠に勉強ができるようにはなりません。
もし本気で勉強に集中したければ、スマホの電源はオフにしておくのはもちろんのこと、別室で充電をしっぱなしにしておくことです。
「大切な電話がきたらどうするの」と、反論がきそうですが、目の前の勉強より、あなたにとって大切なことがあるのですか?
著者は勉強中でなくても、スマホは別室で充電しっぱなし状態だそうです。
スマホに触るのは、本当にやる事が無くなったときに限定し、1日に数回程度にしておきましょう。
そうすることで、時間が生まれて、勉強や仕事により集中できるというわけです。
スマホをいじって勉強をしているふりをするくらいなら、最初から堂々とスマホいじりに集中した方が楽しいと思います。
これに対して、勉強に集中している学生は、スマホを机の上に置いていません。
バイブ設定にもなっておらず、カバンの中でいやらしくブルブル振動する事もありません。
スマホのことは一切忘れて、ひたすら勉強に集中しています。
面白いのは、スマホを机の上に出すグループと、机の上に出さないグループは、見事に棲み分けされていることということです。
もちろん、前者は三流進学校の生徒で、ダラダラと勉強する集団であり、後者は一流大学校の生徒で、集中して勉強をする集団です。
きっと、この先の大学に進学しても、大学を卒業して社会人になっても、この格差は宇宙の拡張現象のごとく、広がり続けるでしょう。
スマホをいじりながら、下降していく人生と、スマホを忘れて勉強に集中して上昇する人生。
あなたはどちらの人生を選ぶのかは、あなたの好き嫌いで決めるといいでしょう。
↓ 参考書籍
コメント