【ポモドーロ・テクニック】
学習環境を構築するためにこの「ポモドーロ・テクニック」を活用しよう。
①勉強する、あるいは仕事をしようとする場所に腰を下ろし、邪魔になりそうなものを排除する。
こうすることによって、PC画面に不意にポップアップが出る、スマホが鳴る、そのほか気のそらすものが何もないという状態が出来上がります。
②タイマーを25分に設定する。
タイマーは機械式でもデジタル式でもいいでですし、タイマーでなくてもスマホのアプリでも構いません。もしスマホを使うのであれば、それを目に入らない、手の届かない場所に置いて、集中しているときに気が散らないようにします。
③設定した25分間、できる限り徹底して勉強や仕事に没入する。
もし、気が散っても、目の前の対象に意識を戻そうと取り組んでください。たいていのものは、25分間手を付けなくてもすむし、先延ばししても良いものなので、もしそのほうに手を付けなければという思いが強くなって気が散ったら、それをポモドーロの時間が終わったあとで「やることリスト」に書いておきましょう。
④ポモドーロの時間が終わったら、約5分の褒美の時間を取ろう。
好きな歌を聴いてもいいし、目を閉じてリラックスしたり、散歩をしたり、お茶を入れたり、犬や猫を抱いてかわいがってもいいです。なんでも自分の気持ちを自由に穏やかにしてくれる、そんな褒美の時間です。その休憩時間じゃ、また、スマホやメールのチェックを忘れてしまえる最高の時間です。
⑤忠実に繰り返す。
もし、2時間勉強したいと思ったら、毎回5分の休憩の入れてポモドーロを4回繰り返せばいいのです。もしその休憩が終わっても勉強に戻る気になれなかったら、休憩専用のタイマーも別に設定するといいでしょう。
集中25分、休憩5分とものすごく簡単です、たいていの人は25分の間、集中力を持続できるそうです。
私も国家試験の勉強の時は、このポモドーロを行いました。私の場合は、1時間程度を毎日、あと隙間時間(仕事の休憩時間)を使ってました。また、私は1時間以上は疲れてしまったので、それ以上は行いませんでした。もちろん、国家試験は合格しました。
【なぜ、ポモドーロ・テクニックは有効なのか?】
とても単純なことがそれほど強力なのか、不思議に思いますが頭が学習するそのあり様の重要な特徴をよく掴んでいるからです。
・ポモドーロが生み出す爆発的な意識の高まりによって、脳は散漫になることなく集中して勉強・仕事ができる。
・集中から解放されて脳を少し休ませるのは、勉強したての内容を、長期記憶の領域に移すために理想的なことで、それによって頭がすっきりして、また新たな勉強に取り組める。
ここで注意して欲しいのは、この「脳を休ませる」過程を省略してしまうことです。
・褒美があると思い、これによってポモドーロの間、終始一貫性、学習意欲を維持してられる。
・いつ終わるかもわからない学習状態よりも、短い時間、瞬発的に学習に全力投球するほうが、はるかに簡単で効率的です。
・学習する姿勢によって「目標」や「結果」に、ではなく、ある一定の時間集中するという「過程」にこだわるというパターンが生まれ、長期的に見れば、どんな個々の学習行動や目標よりも、すぐれた過程(プロセス)を自分のものにするほうがはるかに重要です。
・自分の好きでないことや、したくないことに意識がいくと、島皮質が刺激され、「頭の中の痛み」の原因になります。
この痛みは本来の学習に20分間ほど集中すると消えてなくなります。
だから25分という時間は、学習モードに入り込むために最適の長さなのです。
ポモドーロ・テクニックは適性が高く、この流れに乗って、25分間の学習を繰り返したいという気になったら好都合です。
私の場合は無理やり25分行ってましたけど・・・
褒美の時間の長さも柔軟に変えて、ポモドーロの時間が通常の25分より長くなるなら、休憩の時間も5分以上長くてもいいです。ですが、長すぎるのはダメです。
先のも言いましたが、「脳の休息」を取ることが重要なので、そこを忘れないようにしてください。
ある時間記録のアプリケーションから得られたデータの分析によれば、非常に生産性の高い労働者の働く時間は平均で52分、そのときの休憩時間の17分になっていたそうです。
要するに、これらのエースの労働者が集中しているとき、彼らは「実際に」集中していて、休憩しているときは「本当に」休憩しているわけです。
ポモドーロを終えて何もすることがなくなるなら、次のポモドーロを始めましょう。
一連のポモドーロの手順に乗っているなら、3・4回のポモドーロを終えたあとに、長めに10~15分の休憩を取りましょう。
もし、新たな学習をするためにポモドーロの手法を使うなら、そのポモドーロのうちの少なくても数分間を使って、いま学習していることを脇に置き、直前に学習したばかりの内容を思い出すのも賢明な方法です。
思う出すこと(回収作業とも呼ばれます)は、新しい情報を吸収し理解するための最も強力な方法のひとつです。
私もこの「思い出すこと(回収作業)」が有効であることを知り、前日もしくは前々日の学習したことを必死で思いです作業をしました。どうしても思い出せない場合は、次の日もそのまた次の日も繰り返しました。おかげで試験のときはしっかりと脳に記憶されていました。
【学習中の休憩時間には、スマホを忘れていよう】
休憩中にスマホをいじると、スマホにまったく触れずに休憩時間を過ごすのと比較して、頭脳の回復が効果的に行われないことが明らかになっています。
人々のスマホ依存はますますひどくなっています。
時間を見つけてはスマホに手を伸ばし、意図しないコスト(時間)が生まれいる事実を認識することが大切です。
人々はスマホや携帯電話だけが特別ではない、人とのやり取りや休憩といった類のものと同じだと考えているかもしれないが、スマホや携帯電話が予想以上に知的活動にとって厄介なしろものであると理解しないといけません。
スマホや携帯電話はまた、対面でのトレーニングや教育を受けているときには、とりわけ煩わしい存在になります。
ある研究によれば、「スマホを使わない学生は、スマホを絶えず使っている学生と比較して、ノートに書き留める情報が62%多く、講義から得た内容をより詳しく思い出せ、しかもテストで満点に近い成績をおさめていた」とされています。
学習しているときに、脇にスマホを置いておくだけでも邪魔になります。
なぜなら、そばにあるとわかっていると、頭はそのスマホをずっと意識することになるからです。
スマホがないと落ち着かないと感じるのなら、やはり手の届かないところに置くほうがよいと研究者の方々は考えているそうです。
自分のスマホをバックやブリーフケース、車やオフィスに置いておくだけで、自分の集中力がいかに高まるか驚かされるはずです。
【学習しているときのマルチタスクは禁物】
知的な活動の成績は、ひとつの課題を達成しないうちに、次の課題にスイッチする行動をとった場合、30~40%、時間とエネルギーが失われます。
これは「スイッチング・コスト」と呼ばれていて、新たな課題にスイッチするたびに他のことに気をとられて生産性が低下するということ。
つまり、マルチタスクを行うと生産性が低下するので、先の「ポモドーロ・テクニック」を使用して、25分集中、5分休憩する方法のほうが、生産性はグッと上がるということです。
【気が散ることのない環境を整えよう】
マルチタスクの取り組みを避ける一連の流れでは、気が散るものとは無縁か最小限にする必要があります。
そんな学習に適した場所を見つけたくなるものです。
理想的なのは、静かな図書館や喧騒とは無縁の場所です。
うるさい環境での学習を強いられているなら、耳栓、耳当てあるいはノイズキャンセリングイヤホンに限ります。
↓ 私が使用しているノイズキャンセリングイヤホン、おすすめです。
気が散る最悪なものに、やはりスマホがあげられます。
というのも、人は通知やメールをチェックしようという気になるからです。
ある研究によれば、人は、メッセージ受信用のアプリケーションを走らせたままにしている場合、平均で35秒ごとにメッセージをチェックすると結果がでています。
反面、あるビジネスパーソンについて、自分のアクセスしているどうでもよいウェブサイトが一週間にわたってブロックされたとき、仕事により深く没頭するようになり、生産性が向上したそうです。
なので、持っている機器の通知設定を外して、音、視覚そして振動による警告を無効にしましょう。
気を散らすものはいつでも周囲に存在します。
我々自身の最高の方法を編み出して、そうした気が散るものと格闘することこそ私たちのすることです。
人口の約2.5%は自分の意識をスイッチして、互いに異なる複雑な活動に振り分ける能力があるとされています。
その2.5%以外の人が大半なので、自分の頭脳はそのような働きをしないものと考えて、ポモドーロ・テクニックを実践するのがいいと思います。
【頻繁に小休憩をとろう】
ポモドーロにある頭を休ませる部分が極めて重要であることは理解できたと思われます。
集中している時間が長すぎると、学習したての新しい内容を脳が長期記憶の領域に移すための時間が無くなってしまうからです。
これでは学習の能力は落ちる一方です。
おまけに、脳の特定の領域は、長い時間にわたって働かされるとくたびれてしまいます。
いまだに研究者の人たちにもわからないことで、運動によって筋肉が疲労するように、脳も働かされことによって疲労がたまります。
いわゆる「精神的消耗」です。
完全な精神的解放感が得られる短い時間(5~10分)の休憩、つまり、インターネット、メール、読書などあらゆることから隔離された休憩は、学習したばかりの内容を深く強く刻み込むのに最適です。
なぜなら、新たな情報をなんの邪魔も入らずに吸収できるからです。
なので、ちょっとしたうたた寝したいとか、何もしないでいたいと考えても、それで怠けていることにはならないということです。
それどころか、それによて効率は上がっているのです。
休息のときに身体を動かす、たとえば散歩やジョギングをする、お茶を入れるために立ち上がるといったことをするのは、まさに妙案です。
動き回る休憩がとても大切な理由には、たんに、そのあいだはあまり深く考えないということもあるだろう。
もうひとつの理由は、身体を動かすこと自体が、学習の過程で役に立つということです。
【学習中に聞く音楽あるいは、バイノーラルビートとは?】
音楽によって、学習速度を落としてしまう学生がほとんどです。
音楽を聴きながら学習していると気分爽快で、もっと長い時間学習できると感じるかもしれない。
しかし、音楽を聴いている間は、意識の一部がその旋律を追いかけてしまうおかげで、集中力を限界まで発揮していない。
そればかりか、音楽によってマルチタスクをしてしまうことになります。
具体的には、学習に取り組むことと音楽のプレイリストをいじくる作業とのスイッチを繰り返す。
もし今、学習中の課題でよい成績をおさめている人の場合なら、音楽を聴きながらで構いません。
しかし、もし成績が思うようになっていないなら、あるいは、習得に苦労しているなら、音楽とは手を切るほうがいいでしょう。
「バイノーラルビート」という音楽にまつわる次のような現象があります。
イヤホンなどでほんの少しだけ周波数の違った音を、それぞれ右と左の耳に聞かせる。
驚くことに、耳に聞こえてくる音は2種類の周波数だけでなく、第3の周波数の音も耳に入ってきます。
この周波数の差を「ビート」周波数と呼んでいます研究者は、脳はどのようにして音を認識するかを探求しているときにバイノーラルビートの存在に気づいたようです。
1970年代に入ると、ある意識の中の様々な変化を探り出しました。
その変化とは、バイノーラルビートがその周波数に伴って脳の活動を変化させるあるいは同調させるときに見られるものでした。
現在、バイノーラルビートを使っているのは、たいていの場合、多種多様なオンラインの配信元からオーディオの素材を日常的にダウンロードしている人たちです。
彼らの目的は、集中したり、記憶したり、あるいはリラックス、あるいは瞑想することに使用しています。
その「ビート」は穏やかで抑揚のない音で構成されているため、たいていは音楽やピンククイズの中に埋め込まれてしまっています。
バイノーラルビートを聴きながらの学習を探求するのもいいですが、現段階でわかっているのは、基礎的な研究段階では、それほど大したものではないことを覚えておきましょう。
要するに、研究が示唆しているのは、バイノーラルビートの集中力に与える効果は、それが埋め込まれているかもしれない音楽の効果によって帳消しになる可能性があるということです。
だいぶ難しいですね。私の場合は「無音」状態が一番集中できるので、「音楽」を聴いての学習はしません。本当に気分が乗らないときは「JAZZ」にしています。
【瞑想とヨガ】
瞑想は集中力を高める方法として推奨されてきました。
全般的には、瞑想にはよく知られた2種類のタイプがあります。
マントラ瞑想といった集中力タイプと、マインドフルネスといったオープンモニタリングのタイプの2種類です。
マントラタイプの瞑想のほうが集中力の向上を目指した、より直接的な実践をさせてくれるかもしれません。
ただし、一般的に、その効果がわかるようになるまでには何週間あるいは何ヶ月もかかります。
オープンモニタリングのタイプの瞑想は、気分を高めることによって、認識をするため間接的な力になるかもしれません。
難題のひとつは、瞑想に関する過去の研究の多くは、適切な科学的手順に則ってないことです。
もっと研究が必要です。
ヨガには認識活動に与える好ましい効果があり、拡散モードへのつながりを促進させるかもしれないという、いくつかの未確定の示唆も存在します。
しかし、ヨガの効果に関する研究は、瞑想よりもさらに未確定であるため、確定的な結論を導き出すのは困難です。
↓ 参考書籍
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