【モノを減らす秘訣】 勝手に減っていく7つの質問

心理・思考・時間

【いったん捨てたとして、これを買い直すか?】

ひとつめは「買い直しの思考」についての質問です。

これは、捨てるかどうか迷ったときに、捨てた後のことを想像してみるというものです。

捨てるかどうか迷うモノ、なかなか捨てられないモノがあったら、いったんそれを捨てたと想像しましょう。

その上で、「これを買い直すかどうか?」と自分に質問するのです。

長い時間をかけてコレクションしたモノのように、捨てられないモノがたくさんある場合には、それらを全部まとめて処分したと考えてみましょう。

そして、「このうち、買い直すのはどれか?」と自問するようにします。

自問自答して「これは買い直す」と言えるモノがあったとしたら、それは本当に大切なモノ、必要なモノだから残せばいいのです。

実際にこの質問をしてみると、ほとんどのモノは買い直さないという結論が出ることが多く、結局、捨てられるようになるはずです。

もう捨ててしまった、という前提で考えることで、捨てるかどうかの判断を抑制する。その上で、買い直すぐらい大事なモノを選ぶわけです。

・クローゼットの前で「ここはお店だ」と考えてみる

多くの人にとっては、買い直し思考が特に有効なのは衣類の片づけでしょう。

クローゼットやタンスの中は、たいてい大量の衣類が詰まっていると思います。

この中から「どれを捨てようか」と考えはじめたら、いつまでたっても捨てられないのは当然です。

買い直しの応用形として「ここは、お店だ、服を売っているお店だ」と自分に5回ぐらい言い聞かせて、それからそこにある服のうち、自分が買いたいモノだけを選んでください。

これを試すと、劇的に衣類の量が減ります。

【長期旅行に持っていきたいモノか?】

次は「トラベラー思考」の質問も、やり方はきわめて簡単です。

自分が3ヶ月の長期旅行に出かける準備中だとします、目の前には荷物をつめるトランクがあります。

今、捨てるかどうか迷っているモノは、このトランクに詰めたいでしょうか?

「これは旅行に持っていきたいモノか」「一緒に旅したいモノか」と自分に問いかけてみるのです。

このとき、本当に大事なモノなら、ぜひともトランクに詰めたいと感じるはずです。

「特に必要ない」と思えたモノは、実は自分にとって必要ないモノだった、と気づけるわけです。

よりリアルに考えるために、実際にトランクを用意して、長期旅行に持っていきたいモノを詰め込んでみるというのもいいでしょう。

この思考法を試してみると「自分が本当に大事にしているモノって、たったこれだけなのか!」と驚くはずです。

・旅行は片づけを加速するチャンス

トラベラー思考法を最大化するために、実際に旅行してみるのもおすすめです。

実は、旅行から帰ってきた直後は、部屋が最も片付くときです。

旅行中は、普段は味わえない楽しい経験をたくさんします。

それだけ楽しい時間だったのにもかかわらず、今、目の前にある持ち物はトランク一個分だけなのです。

この経験から、人は「モノが少なくても楽しく暮らせるんだ」「モノを減らしても怖くないんだ」「むしろ、モノが少ない方が楽しめたんじゃないか」といったことを自然に学べるのです。

旅行をする目的は、何といっても経験が増えることです。

そして、それと同じくらいに、自分は意外と必要でないモノを抱えていた、と気づけることも重要なのです。

また、引っ越しを控えている人もチャンスです。

予算や時間が限られている場合が多いので、引っ越すときには持っていくモノと処分するモノを選ぶことになります。

ここで「わざわざ新居に持っていきたいモノか」という「引っ越し思考」を働かせるようにしましょう。

なんとなく持って行った荷物が、段ボールに入ったまま物置や部屋の隅に積みあがっていませんか?

【誰かが買ってくれるとしたら売るか?】

ヤフオクやアマゾンのマーケットプレイスなど、個人がネット上でモノを売る仕組みは以前からありましたが、最近ではさらに便利でとっつきやすいサービスが次々に増えてきました。

これらを活用するのが「ネットオークション思考」の質問です。

ちょっと捨てにくいモノ、捨てるのには惜しいと感じるモノがあったとき、「これを誰かが買ってくれるとしたら売るか?」と考えてみます。

捨てることに損失回避の法則が働きやすい人、つまり損に敏感な人でも、売ってお金をもらえるとなれば、「それなら手放そう」と考えやすくなります。

買ったのはいいけれどあまり着ていない服などは、「ほとんど新品なのに、捨てるなんでもったいない」と思ってしまいがちです。ところが、売れるとなると急に手放しやすくなります。

一方、たとえお金を積まれても、ぜったいに売りたくないモノもあるはずです。

それは何度も読み返している愛読書かもしれませんし、何度も修理しながら履き続けている靴かもしれません。

ここで、いらないモノを手放しやすくするのと同時に、絶対に手放したくないモノだけに囲まれた生活が実現するのです。

これは、お金では手に入らないモノに囲まれた生活と言い換えることもできます。

こういう生活を送る人は、間違いなく幸福でしょう。

・メリカリ、ブクマ、代行出品サービスなども使えるツール

たとえば、メリカリなどのサービスなら、利点はいらないモノを売るときに、スマホを使って手軽に出品できるところです。

売りたい商品をスマホで撮影し、出品。

商品が売れて支払いを確認したら、商品を発送する、というて手軽さで、手間がかからず、時間を取られなくて済みます。

税務的にも、洋服や生活用品を売却した収入は譲渡所得となり、一定金額を超えなければ、基本的に課税されません。

片づけによって人生を最大化する、という目的からすれば、わずかなお金と引き換えに大量の時間を消費してしまうのは本末転倒です。

サービスはいろいろとありますから、時間と手間がかからないものを選んで使いましょう。

佐藤さん
佐藤さん

私は昔から、「ヤフーオークション」を利用しています。PCやスマホ画面で他社より見やすく、「買う側」からすれば見やすいとストレスが軽減されると判断したからです。

【あの日に戻れたとして、やはりこれを買うか?】

「タイムトラベル思考」は、あるモノを買ったその日にタイムトラベルして質問してみる思考法です。

おそらく、捨てるかどうか迷うくらいの価値しかないモノなら、ほとんどは「あの日に戻れたら、買わない」という結論が出るはずです。

もしも、あの日に戻れるなら買わないというモノは、当然いらないモノです。

けれども、怖いのは、そんなモノでもお金を出して買ってしまうと手放すのが惜しくなり、その価値を見誤ってしまうことです。

これは保有効果の一種ですが、「お金を出して買ったんだから、これは自分にとって必要なモノに違いない」と人は考えてしまいがちです。

買い物に失敗した自分を一度や二度、こんなふうに慰めるくらいならいいでしょうが、なかなかそうはいきません。

本当にいらないモノを買い、「高いお金を出したんだから、これは自分にとって必要なモノなんだ!」などと信じ込むことを繰り返していると、しだいに本当に欲しいモノ、本当に必要なモノが見えなくなってきます。

そしてやがて、自分が何をしたいのかもわからなくなってしまします。

こうなると部屋に無駄なモノがあふれかえるくらいではなく、人生を誤りかねない病になります。

過去に自分がしてしまった、間違った選択を振り返りことです。

失敗を認めて、後悔することは愉快なことでゃないでしょうが、自分にとって何が必要か、自分は何が欲しいのかを見失う恐ろしさに比べれば、どうということはないはずです。

・「もう買わないモノ」リストを記録する。

ダイエット食品、化粧品、衣類など、つい自分が無駄な買い物をしがちな分野は誰にでもあると思います。

そこで、「タイムトラベル思考」と組み合わせて行って欲しいのが、「もう買わないモノ」をリスト化することです。

「あの日に戻れたら、もう買わない」というモノがあったら、それを処分するだけではなく、記録を残しておくようにします。

なぜいらなくなったのか、なぜ欲しいと思ってしまったのか、も書き添えておけばベストでしょう。

タイムトラベル思考によって過去に戻ることで、いらないモノに気づけるだけでなく、未来における買いものの失敗を防ぐことができるようになると思います。

【お金が無限にあったら、本当にこれを買うか?】

「大富豪思考」の質問は、主にこれから買うモノを減らすためのものです。

片づけが進んで、モノが減った段階で使うと効果的です。

何か買いたくなったら、「お金が無限にあったら、本当にこれを買うか?もっといいモノを買うのではないか?」と自分に質問してみましょう。

この質問をすると、中途半端なモノを買うことが劇的に減ります。

100円ショップで見つけたプラスチックのケースが、ピルケースの代わりとして便利に使えそうだと感じたとします。

でも、大富豪がこれを買うかと考えてみると、「待てよ」となり、大富豪は100円のピルケースは使わないでしょう。

このことからわかるのは、人はお金があるからたくさんモノを買うのではないのです。

お金があって「いつでも買える」と思うと、心に余裕が生まれて人はモノをそれほど買わないモノで、お金が少ないからこそ、人は衝動的に安いモノをたくさん買ってしまうのです。

その結果、身の回りはモノで散らかり、集中力は低下し、仕事の効率が下がってしまう・・・すると、目的は達成できないし、したがって成功することもお金持ちになりこともできないわけです。

すぐに大富豪になることは難しいですが、モノを買うかどうか判断する一瞬だけ、大富豪のように思考することは難しくありません。

「お金があったら、これは買うか?」と自問するのは、「本当にこれは自分にとって一番いいモノなのか」と考えることです。

そう考えると、お金を払う価値があるものはそうは多くないと気づきます。

・大富豪は、中途半端なモノに魅力を感じない。

大富豪思考を習慣化し、常に一番いいモノを意識するようにすると、中途半端なモノに対して魅力を感じなくなります。

中途半端なモノとは、要するに、手の届きやすい値段だけれども、本当に欲しいかといわれるとそうでもないモノのことです。

中途半端なモノに囲まれた人生が望ましいとは誰も思わないと思います。

大富豪思考を発動するときは次の2点に絞って使うようにしてください。

・自分が無駄に買いすぎてしまう種類のモノ(洋服、文具など)

・自分がつい無駄遣いをしてしまう場面(100円ショップやホームセンターに行ったときなど)

自分の本当に好きなモノに囲まれて生活できるのであれば、幸福度は上がりますし、生活がコンパクトになり、居住環境選びの自由度が上がります。

管理コストも含めて無駄な出費は減りますから、自分が本当にやりたいこと、価値ある経験(旅行など)にお金を使えるようになります。

もちろん、浮いたお金を貯めていけば、大富豪思考で思い浮かべた「自分にとって一番いいモノ」を買うこともできるわけです。

【これを何回我慢すれば、欲しいモノが買えるのか?】

何かを買おうと思ったときに、「これを何回我慢したら、自分が欲しいモノが買えるのか」と考える思考法で、「欲しいモノ変換思考」も買いたいモノがあるときに使うと有効です。

買い物を我慢するのがつらいという人も「〇回の我慢で欲しかった時計が手に入る」と思えば、楽しみが勝って無理なく無駄な買い物が減らせるわけです。

例えば、短い距離でタクシーに乗ろうとするとき、「ワンメーター乗って410円か・・・〇回我慢すると本一冊、買えるな」と思うと、やっぱり歩こうということになります。

変換に使う欲しいモノを、価値の安いモノに設定すると、1回とか2回とかの我慢で結果が出るので、手っ取り早く効果を感じられます。

他にも「飲み会」などで考えると、1回の飲み代に4000円だとして、10回我慢すると40000円ですから、それなりのモノに変換できます。

・二段階変換で大きな結果を引き寄せる

二段階変換思考を活用するポイントは、自分なりのやりやすい変換を見つけることです。

会社勤めをしている人の場合は、自分のために使える時間や労力への変換のほうがわかりやすいことも多いでしょう。

先に述べた、「飲み会」で考えると、1回我慢するとその分のお金が浮くわけですが、それに加えて、3時間ぐらいの時間を得ることができます。

この3時間を使って、勉強や自己投資に時間を使って将来のキャリアにプラスしていく、と考えます。

我慢してつくった時間、行動力を何に使おうか、どうやって自分の未来に役立てようか、と考えるのは楽しいものですし、しかも3時間ものボリュームがあるとなると、本当にワクワクしてくるでしょう。

・好ましくない使い方を想像してみる。

逆に好ましくないお金の使い方をしてしまったらどうなるか、を考えてみるという方法もあります。

飲み会に行って4000円と3時間を使い、翌日はせっかくの休日を二日酔いのせいでだらだらと過ごした上に「行かなきゃよかった」と悔やんでいる自分・・・そのときに感情を想像してみてください。

飲み会に行かないで4000円で読みたい本を買って、じっくり読みこみ自己投資する休日と比較してみると、果たしてどちらが自分のためになるかは一目瞭然です。

ここで大事なのは、何となくお金や時間を使うのではなく、自分にとって大切なことにリソースを投入すとこと。

自分なりの「欲しいモノ変換」のパターンを見つけられると、余計なことはしなくなりますし、節約のためのつらい我慢もなくなり、より価値の高いお金や時間の使い方を自然に選択できるようになっていきます。

佐藤さん
佐藤さん

もし、今の収入から「1万円」多く貯金するとすれば、仕事をバリバリこなして上司に認めてもらい、出世して収入を上げ、上がった分を貯金する。というプロセスもありますが、「無駄な買い物」を1万円分、我慢するほうが簡単な気がします。是非、お金の使い方を見直してみてください。

【3年、5年、10年経っても必要か?】

何か欲しいモノ、買いたいモノがあったとき、「これは3年、5年、10年経っても必要か?」と自分に問いかける「ロングスパン思考」をご紹介します。

長い目で見て必要かを判断するのは難しいことです。

そこで、ロングスパン思考とタイムトラベル思考を組み合わせるのが有効です。

今から3年ぐらい前に買ったもので、「あの日に戻れたら、自分はこれを買うだろうか」と考えたときに、「買わなきゃよかった」と思うモノがあると思います。

けれども逆に、やはり3年前に買ったモノで、「買ってよかったな」と思うモノもあるはずです。

このような、「買ってよかったモノ」「買わなきゃよかったモノ」を思いつくままに書き出していってみましょう。

リストアップ作業をしていくと、次のように、自分が必要としているモノ、そうではないモノの傾向が見えてきます。

そして、自分の価値観、思考のクセを知り、買い物での成功や失敗の傾向、といったものを把握して深く掘り下げ、ロングスパンで判断すると良いでしょう。

過去を振り返り、未来を見通す過程で、自分について知るというのは大事なことです。

その意味で、ロングスパン思考は、最後に挑戦するのがふさわしい、やや上級者の思考法だといえるでしょう。

↓ 参考書籍

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