私たちの知性は遺伝の影響が大きく、成年期のIQは90%が生まれつきの問題に左右されると考えられています。
生まれつきIQが高い天才に、後天的なトレーニングで勝つのはかなり難しいです。
「練習はどのくらい意味があるか?」というテーマでの研究結果で「練習が能力に与える影響は思ったより小さい」という結果がでました。
これは「練習は無意味」といった意味ではなく、「個人が持つスキルの差は練習では説明できない」という結論です。
生まれつき知性(IQ)が高い人を、後天的なトレーニングで出し抜く方法がクリティカル・シンキングです。
クリティカル・シンキングという考え方、思考法があります。
クリティカル・シンキングを直訳すると「批判的思考」です。
批判といえば、よくあるSNSでの否定のコメントや荒らし、いわゆるアンチ行為を想像してしまいますが、決して他者を攻撃するようなネガティブな事ではなく、自身の論理や内容について内省(ないせい)することを意味します。
※「批判的思考」には、相手の感情を思いやり、自分の知識について謙虚な態度を保つことまでが含まれます。他人の攻撃やあげあし取りとは、完全に真逆の考え方です。
そもそも「批判」には本来「相手の否定や攻撃」の概念は含まれず、「批」は事実を比較する行為を指し、「判」はものごとの可否を決める事を意味します。
つまり、「批判的思考」は語義的にも正しい「批判」の使い方だと言えます。
自分自身の主張から一歩離れて、「ん?、ちょっと待てよ。本当にそれで合っているのか?別の方法はないか?」と自問自答する行為であり、考え方の事です。
自分自身の考えを信じる事、自分が絶対に正しいと思い込むことはまったくの別ものです。
私たち人間はどんなに知性が高い人だろうと、自分の思考を偏りなく、見つめる事ができない生き物です。
クリティカル・シンキングとは「人の思考には偏りがあるものだ」という前提をふまえたうえで、あらゆる仮説を立て、根拠をデータで証明し、具体的なゴールに向かって最適解を探し続け、できる限り偏りのない主張を構築していく作業のことです。
このような内省する能力、効果的な質問を生み出すスキルなどは、あらゆる場面で必要となり、思考力や判断の能力が磨かれ、鍛えられ、仕事や勉強面でだけでなく、家族や友人関係も好転します。
質の高い情報を自ら選び抜かなければならない現代においては、思考力を高めるトレーニングする習慣が大切になります。
「へぇ、そうなんだ」と受動的に受け入れるのではなく、「なぜ?、それはどういう意味?自分はどうするべき?」とつねに疑問を持つこと。携帯で調べて終わりではなく、様々な角度から検討し、自らの頭で思考し続けること。
ぱっと見で説得力を感じたとしても、いったん距離を置いて検討してみること。
慣例やルールにとらわれずに納得できる根拠を明確に検証していくことは、物事の本質を見つけ、新しい時代を生き抜く助けになります。
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クリティカル・シンキングとは、「批判的思考」と直訳されますが、単純に否定したり反対したりするという考え方ではありません。
議論の前提条件が「本当に正しいのか」と疑問を持って、考えを深めていき課題を解決していく思考作業です。
それでは、クリティカル・シンキングについて、図解と具体例を使って分かりやすく解説していきます。
【ロジカル・シンキングとの違い】
クリティカル・シンキングと並んで、ロジカル・シンキングという言葉もよく聞かれます。ロジカル・シンキングは「物事を筋道立てて、要素に分解して考えること」であり、クリティカル・シンキングは「本当にその前提が正しいのか検証したうえで本質を見極めること」です。
両者は全く別の考え方ということではなく、クリティカルに考えてロジカルに説明するというように、2つをうまく使いこなすことで、核心を突いた問題解決策に到達することができます。
批判的思考(クリティカル・シンキング)と論理的思考(ロジカル・シンキング)は、どち
らもビジネスの世界や仕事・習慣・行動・恋愛・日常生活で役立つ考え方です。
この2つの思考法は、常に意識することでうまく使いこなせるようになっていきます。
【価値観リスト】
※自分にとって大事なものには〇、そうでもない△、全くない×を付けてください。又、〇に関しては10個以上になるようにして下さい。
受容:ありのままの自分を受け入れてもらう。
達成:なにか重要な事を達成する。
正確:自分の意見や信念を正しく伝える。
冒険:新しくワクワクする体験をする。
魅力:身体的な魅力を保つ。
権威:他者に対して責任を持って指導する。
自治:人任せにしないで、自分で決める。
美的:身のまわりの美しいものを味わう。
庇護:他者の面倒をみる。
挑戦:難しい仕事や問題に取り組む。
変化:変化に富んだバラエティ豊かな人生をおくる。
快適:喜びに満ちた快適な人生をおくる。
誓約:絶対に破れない約束や誓いをむすぶ。
慈愛:他者を心配して助ける。
貢献:世界の役に立つことをする。
協調:他者と協力して何かをする。
礼儀:他者に対して誠実で礼儀正しく接する。
創造:新しく斬新なアイデアを生む。
信頼:信用があって頼れる人間になる。
義務:自分の義務と責任を果たす。
調和:周囲の環境と調和しながら生きる。
興奮:スリルと刺激に満ちた人生をおくる。
貞節:パートナーに嘘をつかず誠実に生きる。
名声:有名になって存在を認めてもらう。
家族:幸福で会いに満ちた家庭をつくる。
体力:丈夫で強い身体を保つ。
柔軟:新たな環境にも簡単になじむ。
許し:他人を許しながら生きる。
友情:親密で助け合える友人をつくる。
愉楽:遊んで楽しむこと。
寛大:自分のものを他人にあたえる。
真実:自分が正しいと思うとおりに行動する。
信教:自分を超えた存在の意志を考える。
成長:変化と成長を維持する。
健康:健やかで体調をよく生きる。
有益:他人の役に立つこと。
正直:ウソをつかず正直に生きる。
希望:ポジティブで楽観的に生きる。
謙遜:地味で控えめに生きる。
笑い:人生や世界のユーモラスな側面を見る。
独立:他者に依存しないで生きる。
勤勉:自分の仕事に一生懸命に取り組む。
平安:自分の内面の平和を維持する。
親密:プライベートな体験を他人とシェアする。
正義:すべての人を公平に扱う。
知識:価値ある知識を学ぶ、または生み出す。
余暇:自分の時間をリラックスして楽しむ。
寵愛:親しい人から愛される。
愛慕:誰かに愛をあたえる。
熟達:いつもの仕事・作業に習熟する。
現在:いまの瞬間に集中して生きる。
適度:過剰を避けてほどよいところを探す。
単婚:唯一の愛し合える相手を見つける。
反抗:権威やルールに疑問を持って挑む。
配慮:他人を心づかって世話すること。
開放:新たな体験・発想・選択肢に心をひらく。
秩序:整理されて秩序のある人生をおくる。
情熱:なんらかの発想・活動・人々に深い感情を抱く。
快楽:良い気分になる事。
人気:多くの人に好かれる。
権力:他人をコントロールする。
目的:人生の意味の方向性を定める。
合理:理性・論理に従う。
現実:現実的・実践的にふるまう。
責任:責任を持って行動する。
危険:リスクを取ってチャンスを手に入れる。
恋愛:興奮して燃えるような恋をする。
安全:安心感を得る。
受諾:ありのままの自分を受け入れる。
自制:自分の行動を自分でコントロールする。
自尊:自分に自信を持つ。
自知:自身について深い理解を持つ。
献身:誰かに奉仕する。
性愛:活動的で満足のいく生活をおくる。
単純:シンプルでミニマムな暮らしをする。
孤独:他人から離れて一人でいられる時間と空間を持つ。
精神:精神的に成長し成熟する。
安定:いつも一定して変化のない人生をおくる。
寛容:自分と違う存在を尊重して受け入れる。
伝統:過去から受け継がれてきたパターンを尊重する。
※〇が10個以上になったらその中で優先順位を付けてください。
順位が決まったら、それが現在のあなたの最も優先する価値観です。
それに対してどうするべきか、どのようにしたら良いか、今何をするべきかを、クリティカルシンキングを使って考えてください。おのずとこれからの生活や行動が変わっていきます。
私の場合は「健康」が一番になりました(年齢的な所からかな?)「健康」を考えると睡眠時間の確保、適度な運動、食生活の改善や見直し、ストレスをためない・・・など、いろいろと「健康」に紐づく事をピックアップしました。そこから、睡眠時間の確保を細かく分析すると、7~8時間の睡眠時間が人間には良いらしいので、起床時間を設定すると6時には起きないといけないので、前日の22時には就寝する必要があります。また就寝2時間前には、お風呂は済ませておく、ブルーライトをあびない(携帯など)、リラックスも兼ねてマッサージを行う、就寝前の読書を行う・・・こんな感じで決めて行っています。
同じように細かく分解して、「自分の優先する価値観」を解析し、実行して行くと迷いなく、自分の生活の方向性を決めていけるのではないでしょうか。
結構、時間がかかりますのでゆっくり考えながら行ってみると良いでしょう。
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