3つのストレス解消法

心理・思考・時間


【目の前のストレスをどうにかしたい!を解決するには?】


ストレスを根っこから治療するための3つの方法論をお伝えします。


ストレスの根本治療は時間がかかります。


生活習慣病を治すつまりで、最低でも数か月、下手をすれば数年にわたって取り組み続ける必要があるでしょう。


こればかりはしょうがないことですが、いっぽうで「目の前のストレスをどうにかしたい!」と思うのも人情です。


長期的な対策だけを実践していては、効果が出るまでに心が折れてしまいかねません。


なので、科学的に即効性の高さが認められたストレス解消法をご紹介いたします。


【呼吸法トレーニング】



複雑なテクニックよりも深呼吸のほうが効果は大きいです


不安や緊張を感じたときに深呼吸する人は多いでしょう。


大事な面接の前やスピーチ直前など、深く息を吸い込んで気持ちを落ち着かせるのは、ストレス対策としては定番中の定番です。


その正当性は、1980年からの研究で何度も裏付けられています。


アメリカの調査で過去の78件のデータを徹底的に洗い出し、「テスト期間中の学生のストレスを減らすには、どのテクニックがベストか?」を調べました。


「ポジティブシンキング」「タイムマネージメント」「明確なゴールの設定」といった手法のなかから、学生のメンタルを健やかに保つための方法を選び抜いたのです。


その結果。意外なこと「深呼吸がベスト」でした。


もちろん、そのほかの手法にも効果は確認されたものの、手軽さと即効性の面からいえば、呼吸のトレーニングに勝るストレス解消法はありませんでした。


呼吸を変えて脳の警戒心をなだめてやる。


佐藤さん

手軽にできて「ムカついた時」なんか、一度その場から離れて「呼吸」に意識を向けて「吐く」のを長めにして実践しています。意外と効果があるので、お勧めします。


これほど呼吸法の効果が高いのは、生きのリズムを変えることで、人間のストレスシステムへ直に介入できるからです。


一般的に人間の体は、不安やイライラを感じると心拍数が上がって全身が緊張し、脳に酸素を送るために息が荒くなります。


これは、まだ人類が古代のサバンナで暮らしていた頃に出来上がった防衛システムで、とっさの危険に対して、全身にエネルギーをいきわたらせるために進化しました。


ところが、ここでわざと呼吸を遅くすると、私たちの脳はセキュリティシステムを解除し、同時に心拍数が下がって体の緊張も緩んでいきます。


これは、呼吸が変わったせいでストレスシステムに「危険が去った」とのシグナルが送られ、脳の警戒心が解除されたために起きる現象です。


これで完全に緊張が解けるわけではないものの、呼吸のリズムさえ整えれば、あなたのストレスシステムは確実に良い方向に影響を受けます。


お金も時間もかからずにこれだけの効果があるのだから、試さない手はないでしょう。


呼吸は人体のストレスシステムに直に介入できる数少ない手段です。


イライラを感じたらすかさず呼吸を意識すると良いでしょう。


【エクササイズ】


早歩きをするだけでもストレスは大きく減少する。


運動がストレスに効くと言われれば、納得する人も多いでしょう。


散歩をするうちに心のもやもやが晴れたり、部屋の片づけをしている間に気分がスッキリしたり・・・普段まったく運動をしないような人でも、一度はそんな経験をしたことがあるはずです。



実際、科学の世界では、エクササイズのストレス解消効果はもはや常識。


「日常の運動でどれだけメンタルが強くなるのか?」という大規模な研究調査で「20分の早歩きでも人間の不安は大幅に減る」という結果でした。


長時間のランニングや激しい筋トレをしなくても、ほんのちょっとキビキビ歩いただけで、あなたのストレスは一気に改善されるのです。


佐藤さん

すぐに「イライラ」してしまう私なので・・・そのイライラを「筋肉」にぶつけるようにしています。「筋肉は裏切らない!」「いざとなったら瞬〇できる!」と考えながら上腕二頭筋を痛めつける?愛でています。


運動をしないのは憂うつになる薬を飲んでいるのと同じ。


運動がメンタルの改善に役立つのは、体を動かすことで脳の機能を高める物質が分泌されるからです。


その種類はBDNFセロトニンなど様々ですが、なかでも影響が大きいのはエンドルフィンでしょう。


これはエクササイズの辛さをやわらげるために分泌される物質で、痛みや不快な感覚を減らし、すぐに私たちに幸福感を与えてくれます。


ランニング中に気分が高まる、「ランナーズハイ」と同じメカニズムです。


現在ではアメリカ心理学会も精神の健康維持のためにエクササイズを推奨。ハーバード大学の心理学者タル・ベン・シャハー教授などは、「運動をしないのは憂うつになる薬を飲んでいるようなもの」とまで言い切るほどです。まさに化学が認めた最強のストレス対策のひとついえるでしょう。


ただし、エクササイズにも「メンタルに効く最適量」が存在します。はじめから無理をして体を壊すことのないように、まずは自分の体調と相談しながら、少しずつ確認しながら行ってください。


【バイオフィリア】


人間には自然への欲望がプリインストールされている。


最強のストレス対策の3つめが「バイオフィリア」です。聞きなれない言葉かもしれませんが、これは「人間の脳には、大自然との触れ合いを求める欲望が備わっている」という考え方です。


佐藤さん

私は「朝散歩」を実施しています。脳を目覚めさせる事もでき、ついでに「自然」の中を歩くようにして(15分~30分程度)います。もともと「人間」は自然と共存して生きてきたので、「自然に触れ合う」事は当たり前のことなのかもしれません。


→ 朝散歩のススメ



緑に囲まれた公園でホッとした気持ちを味わったり、テレビで壮大な自然の光景を見て感動を覚えたりした経験は誰にでもあるでしょう。


これは、私たちの中にプリインストールされている「バイオフィリア」が起動したからなのです。


「自然と触れ合うと副交感神経が活性化して一気にストレスが減る」


副交感神経は私たちのストレスをコントロールする人体の機能で、これが活性化するほど体はリラックス状態に入ります。


単純に自然との接触回数を増やすだけでも大きくストレスは減少します。


先に紹介した「呼吸法」「運動」をも上回る効果が「バイオフィリア」です。


都会で暮らすほどメンタルを病みやすくなる。


言われてみれば当然でしょう。私たち人類の祖先は、数百万年におよぶ歴史の大半を、豊かな自然の中で過ごしてきました。


数十万世代にわたって広大なサバンナや深い森の奥で暮らすうちに、人間の脳は動植物に囲まれた環境に適応してきたはずです。


にもかかわらず、現代の社会からは自然が失われています。


そのため、私たちの脳はコンクリートのビルや電子機器といった「古代には存在しなかったもの」へ本能的な警戒心を抱き、知らず知らずのうちにストレスをため込んでいくのです。



事実、近年の研究では、都市部の住民ほどメンタルが悪化しやすいこともわかっています。


60代以上の高齢者を調べた実験で、周囲の関係1キロを森に囲まれたエリアに住んでいる人ほど脳の偏桃体が安定して働く傾向がありました。


偏桃体は人間の感情をコントロールするエリアで、この機能が正常に働く人ほどネガティブな感情に振り回されにくくなります。


だからと言って、今から森の奥で暮らそうというわけにはいきませんから、毎日の暮らしに少しずつ「自然」を取り入れていく事をお勧めします。ご家族をお持ちの方なんかは、休みの日にキャンプに行くなんかは最高です。


あなたの「バイオフィリア」を上手に満たして上げて、ストレスを解消していきましょう。


↓ 参考書籍

他にもたくさんの「ストレス解消法」が記載されています、ご興味ある方は一度読んでみるのをお勧めします。

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