【記憶力アップ効果】 高カカオチョコレートの認知

食事・運動・仕事

夜食や間食に、何を食べるといいのか・・・

著者のおすすめは、高カカオチョコレートとナッツ。

どちらも低GI食品です。

高カカオチョコレートとは、カカオ分が70%以上のチョコレートのことを指します。

チョコレートは血糖値が上がりそうなイメージがありますが、実は主原料のカカオには食物繊維が豊富です。

そのため、高カカオチョコレートは、低GI食品になります。

また、ナッツ類には、アーモンドやカシューナッツ、くるみなどがありますが、どれも糖質が少なく、食物繊維が多いため、GI値は低くなります。

佐藤さん

GIが高い食品は、一気に血糖値を上昇させるため、血液中の糖を処理するために多量のインスリンが分泌されたり、分泌が追いつかなくなるということが起こります。逆にGIが低い食品では、糖がおだやかに取り込まれ、血糖値の上昇もゆるやかになるため、インスリンも分泌しすぎることなく、糖はすみやかに組織に吸収されます。

おすすめする理由は、もちろんそれだけではありません。

高カカオチョコレートにもナッツにも、脳のパフォーマンスを上げる効果があるからです。

まずは、ナッツ類の効果について述べていきます。

ナッツには、やる気のもととなるホルモンであるドーバミンやノルアドレナリンをつくるときに欠かせない「チロシン」というアミノ酸が豊富に含まれます。

ナッツ類の中でもアーモンドやピーナッツ、カシューナッツなどには多く含まれています。

ナッツのポリポリと歯ごたえのある食感も、脳には効果的です。

というのは、よく噛むと脳内の血流がよくなるため脳が活性化し、集中力や記憶力のアップが期待できるからです。

また、くるみに多く含まれるオメガ3脂肪酸やカシューナッツに多く含まれる亜鉛、アーモンドに含まれるビタミンEなどの栄養素には、集中力を高める効果があるといわれています。

佐藤さん

おだやかに糖を取り込む低GIの食品を知ることは、健康的な生活のためにとても重要です。人間にとって欠かせない栄養素である炭水化物を、ゆるやかに吸収することは、急激な血糖値の上昇や脂肪をつきやすくする肥満を防ぐためにも、もちろん豊かな食生活にも、大きく関わってくるのです。

【高カカオチョコレートの認知・記憶力アップ効果】

低GIであること以外にも、高カカオチョコレートをおすすめするのは、カカオポリフェノールがたくさん含まれているからです。

ポリフェノールは、ほとんどの植物に含まれている苦みや色素の成分で、自然界に約5000種類以上あるといわれています。

カカオポリフェノールは、その1つです。

脳はエネルギー源となるブドウ糖や脳グリコーゲンだけでなく、さまざまな物質に支えられて活動しています。

その1つがBDNF(脳由来神経栄養因子)です。

脳が活発に働くには、神経細胞を発生させ、育て、細胞同士のつながりを増やすことが大切になりますが、その役割を担っているのがBDNFです。

↓ BDNFなど詳しく記載されています。

BDNFは、海馬などの中枢神経系に多く存在することから、認知力や記臆力と密接にかかわると考えられています。

このBDNFが、高カカオチョコレートを食べると増えることがわかったのです。

(株)明治、愛知県蒲郡市、愛知学院大学が取り組んだ「蒲郡スタディ」の共同研究チームは、高年齢の男女347人に、カカオ成分72%の高カカオチョコレートを4週間にわたって毎日25g食べてもらいBDNFの変化を調べました。

分析の結果、高カカオチョコレートを摂取する前と比べると、血中のBDNF濃度が有意に上昇したことが確認されました。

BDNFは、65歳以上になると、加齢とともに減少することがわかっていて、高カカオチョコレートの摂取が、アルツハイマー型認知症の予防につながるのではないかと期待されています。

認知症関連でいえば、ノルウェーで行われた実験によると、カカオポリフェノールを多く含んだココアを摂取すると、認知テストの反応速度が上昇したそうです。

また、世界的権威の科学雑誌年に発表された論文によると、『Nature』が運営する「ScientificReport」に2020年に発表された論文によると、カカオポリフェノールが豊富なココアの摂取後に、脳の酸素化反応が向上することが確認されたという報告があります。

高齢者や認知症の方は酸素化反応が鈍るといわれていて、この反応が向上すると難しい問題の処理能力が高まるといわれます。

ほかの実験では、認知機能が改善したり、精神的な疲労が軽減したり、コントラストを見分けたり、動くものを認識したりする視覚機能や、空間把握力なども向上したと言います。

このように、高カカオチョコレートとナッツは、「低GI食」であるうえに、脳のパフォーマンスをアップさせる効果を期待できます。

最近では、高カカオのナッツチョコレートも発売されていますよね。

ダプルで脳にいい食品を摂取できる、仕事や勉強の合間の理想的な間食として、期待ができそうです。

↓ 高カカオとナッツが一緒の商品です。

【チョコのちょこっと食べは健康的な間食としても優秀】

高カカオチョコレートを間食や夜食におすすめしたのは、脳が喜ぶだけでなく、健康効果も高いからです。

その理由は、やはりカカオポリフェノール。

ポリフェノールの含有量は、多いといわれる赤ワインの実に16倍以上ある高カカオチョコレートもあるほどです。

先ほど紹介した「蒲郡スタディ」では、BDNF以外にも、血圧やコレステロール、酸化ストレスなどについての調査も行われました。

結果はというと、高カカオチョコレートを摂取すると血圧が低下することがわかりました。

特に血圧が高めの人ほど大きく低下していたのです。

また、悪玉(LDL)コレステロールを排除する役讐のある善玉(HDL)コレステロールが増えることも確認されました。

カカオポリフェノールには抗酸化作用もあるので、悪玉コレステロールの酸化を抑制することも考えられます。

今回の調査では、カカオポリフェノールの効果として知られる、血管内部の炎症に作用し血管を広げるという効果も確認されています。

これによって動脈硬化のリスクを低減することも期待されます。

もちろん高カカオチョコレートは低GI食品ですから、食後高血糖から始まる肥満やメタボリックシンドローム、糖尿病などのリスクを遠ざけることになります。

脳にも体にもいい高カカオチョコレートですが、残念な点が1つだけあります。

それは、カカオポリフェノールは、長時間体内にとどめておけないことです。

高カカオチョコレートを食べてから2時間後には血中濃度がピークに達し、少しずつ体の外に排出されて、24時間後にほとんどなくなります。

つまり、脳や体にいいからといって一度にたくさん食べても、その効果を得られないうちにどんどん排出されてしまうのです。

著者の高カカオチョコレートのおすすめの食べ方は、ちょこっと食べ。

高カカオチョコレートをそのまま少しずつ食べるのもいいですし、豆乳などに溶かして食べるのもいいでしょう。

砕いたり、スライスしたりしてヨーグルトにかけて食べるのもいいかもしれません。

1日の総摂取量の目安は25g。

これを守りながら、食べたいときに食べて、脳も体も健康になりましょう。

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