【最新科学では、酒は百薬の長は嘘】 飲酒の健康リスク!

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【少量の飲酒は健康にいい?最新科学が明かす飲酒のリスクと適量の目安】

「少量の飲酒は健康にいい」という話を、聞いたことがある人も多いと思います。

一昔前は、 「 Jカーブ」といって少量の飲酒は、まったくお酒を飲まない人よりも死亡率が低い。

「少量の飲酒は健康にいい」と言われていました。

【Jカーブ効果】とは?

病気だけでなく事故や事件を含めたあらゆる原因による死亡率(全死亡率)と一日の飲酒量をグラフにするとJ型のカーブになります。このことから「Jカーブ効果」といわれます。

しかし2018年、世界的に権威ある雑誌「ランセット」に記載された大規模研究によると、「お酒は、飲めば飲むほど健康に悪い」という結果になっています。

同研究において、心筋梗塞に関してJカーブではなく、右上がりのグラフになるのです。

「少量の飲酒は健康にいい」というのは、現在ではほぼ否定されています。

お酒を飲まないのが、最も健康であるといえます。

飲酒量が、純アルコール摂取量で100g/週、増加するごとに脳卒中が1.14%、心不全が1.09%、高血圧が1.24倍に増加します。

お酒を飲めば飲むほど、病気のリスクは高まります。

また多量の飲酒によって、脂肪肝となり、それが進むと肝硬変になります。

「肝硬変」になると食道静脈瘤など、命にかかわる状態となります。

佐藤さん
佐藤さん

「肝硬変」とは、慢性肝炎を発症して肝臓に長く炎症が生じることで、肝臓の組織が線維化して硬くなる病気のことです。食道静脈瘤でけでなく肝性脳症など命に関わる重篤な合併症も起こしやすくなります。

飲酒は、メンタル疾患のリスクも大きく高めます。

大量飲酒者では、精神疾患「うつ病」のリスクが3.7倍、認知症のリスクが4.6倍、自殺リスクが3倍にもなります。

さらに飲酒を長期的に続けると、アルコール依存症のリスクが飛躍的に高まります。

自分はそれほど飲んでいないのでアルコール依存症は関係ないと思っている人はほとんどですが、男性の1.9%がアルコール依存症です。

なんと、50人にひとりの割合です。

「アルコール依存症」の予備軍は、その数倍いると推計されていますので、お酒を好んで飲まれる方はひとごとではありません。

とはいえ、お酒好きな人がお酒を完全にやめるのは難しく、お酒はコミュニケーションの潤滑剤の役割もあります。

健康を害さない、適量飲酒とはどのぐらいの飲酒量なのでしょうか?

厚生労働省が発表した「健康日本21」の記載によると、「健康を害さない1日の飲酒量の目安」は、純アルコール摂取量で1日に20gまではOKとされています。

また別の研究では、週100gの飲酒量を超えると、寿命が1.3~1.6年、縮むということで、週100g以下の飲酒であれば、おおむね問題ないとされています。

逆に生活習慣病のリスクを高める飲酒量としては、1日40gで週200g以上、これを超えている方は要注意です。

1日20g以下が「適量飲酒」、1日40gを超えると「生活習慣病」のリスクを高める飲酒量、1日60gを超えると「多量飲酒」、つまり明らかに飲み過ぎです。

【健康を害さない、1日の飲酒量の目安】

・ビール ロング缶1本(500ml)

・日本酒 1合(180ml)

・ウイスキー ダブル1杯(60ml)

・焼酎 グラス1/2杯(100ml)

・ワイン 2杯弱(200ml)

・チューハイ 缶1本(350ml)

【やってはいけない飲酒法】

お酒は、量だけでなく、「飲み方」「目的」「シチュエーション」なども非常に重要です。

それを間違えるから、飲酒量が増えて、身体を壊したり、うつ病になったり、アルコール依存症になったりするのです。

やってはいけない飲酒法ワースト5をご紹介します。

・ワースト1 たくさん飲む。

「適量飲酒」の量はお伝えしました。

1週間で合算して調整するといいでしょう。

1週間だと100g/週が適量飲酒になり、1日おきに飲むとすれば、500gの缶ビールが2本まで飲めます。

外で飲むときは、「飲み放題」はやめましょう。

意味もなくたくさん飲んでしまいます。

定額でたくさん飲めるのでお得と思うかもしれませんが、健康を害するリスクを高めるだけなので、結果として大損します。

・ワースト2 毎日飲む。

1週間毎日飲み続けるのは、「極めて」よくないということ。

肝臓がアルコールを分解し続けて休む暇がないので、肝機能が悪化します。

さらに、毎日の飲酒は、アルコール依存症のリスクを飛躍的に高めます。

お酒を一滴も飲まない日、休肝日が週に2日以上は、絶対に必要です。

ちなみに、飲酒習慣のある男性のうち、6割は休肝日がない人(週5日以上の飲酒)は、総死亡リスクが中量飲酒群で1。5倍、大量飲酒群で1.8倍にもなります。

1日おきに飲むようにするだけで、脳や肝臓へのダメージをかなり減らせることができます。

・ワースト3 寝る直前まで飲む。

「寝つきをよくする」目的でお酒を飲むのは、絶対にやめてください。

逆に睡眠の質が悪くなります。

飲み会がある日などは、最終飲酒から2時間以上時間をあけて眠ると、アルコールの睡眠に対する悪影響はかなり減らせます。

・ワースト4 ストレス発散で飲む。

そもそも、「お酒はストレス発散できる」という考えは、科学的に違います。

お酒を飲むとストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が増えます。

また、長期で飲むとストレス耐性が下がり、「抑うつ」も高まります。

「うつ」気味の人が、毎日お酒を飲むと、「うつ病」の世界に一直線に向かいます。

・ワースト5 「問題行動」を起こすまで飲む。

「記憶がなくなる」「人格が変わる」「パワハラ、セクハラをする」「ケガをする(させる)」などの問題行動を起こすようなら、あなたの飲酒は度をすぎていて危険な状況です。

アルコール依存症の予備軍か、実際にアルコール依存症になっている可能性も高いでしょう。

また、飲酒中(後)は運転を絶対に避けましょう。

飲酒と運転は相性が悪く、交通事故や重大な結果を判断する可能性があります。

自動車やバイクの運転をする予定がある場合は、アルコールを摂取しないよう注意してください。

代わりに、公共交通機関やタクシー、代行サービスなどを利用し、安全な移動手段を選びましょう。

佐藤さん
佐藤さん

飲酒は未成年者や妊婦にとっては絶対に避けるべきです。未成年者の飲酒は発育や脳の発達に悪影響を考慮する可能性があります。また、妊娠中の飲酒は重大な障害を考慮してください。健康のためには、これらの人々は酒を断つ必要があります。

【正しいお酒の飲み方】

・楽しく飲む。

・祝杯、自分へのご褒美。

・楽しい話題、ポジティブな話題。

・夢を語る。

・親しい仲間、友人と楽しく飲む。

・お酒でコミュニケーションを深める。

・週2以上の休肝日。

・適量飲酒。

・酔いを少し覚ましてから眠る(睡眠への悪影響)。

・水を飲みながら飲む(アルコールの分解が促進する)。

↓ 参考書籍

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