すごく重要なポイントなのですが、運動というのは大して消費カロリーを稼げていないにもかかわらず、それ以上に達成感を感じてしまうという大きな落とし穴があるのです。
通常、体重50キログラムの人が時速8キロで30分間ランニングをすると、約200キロカロリーを消費すると言われています。
運動の後は、汗もかいてすごく達成感を得ることができます。
だから自分にご褒美として食べ物や飲み物をあげたくなったり、これだけがんばったんだから少しぐらい多く食べても大丈夫、となってしまうのです。
もう1度考えてみましょう。
ランニング30分で消費できるのは、たった200キロカロリーです。
体脂肪1キログラムあたりで7200キロカロリーエネルギーを持っていると言われますが、これをもし毎日がんばっても1か月で6000キロカロリー。
体脂肪は1キログラム分も減らないのです。
つまり、毎日30分ランニングをがんばってもこの程度ということ。
運動後の達成感から少し多く食べるとなると、200キロカロリー程度であれば、菓子パンひとつ、スナック菓子なら半袋で摂取可能です。
こんなに簡単に、運動した分がリセットされてしまいます。
今日はたくさん運動したから、ビールを飲んでも大丈夫かなとか、ご褒美にいつも我慢しているチョコレートを少し食べよう、なんてことをしていませんか?
運動をがんばっているのに痩せない理由はこういうところにあるのです。
さらにダイエット失敗に拍車をかける方法に「ダメなら運動の種類を変えようとする」ことが挙げられます。
ランニングよりも水泳のほうが消費カロリーが多いという情報を得て、今度は水泳を始めるという方も多いですね。
水泳に変えても消費カロリーは毛の生えた程度にしか変わりません。
水泳は泳法や人によって、またスキルによっても異なるのですが、クロールを30分泳ぎ続けてだいたい250キロカロリー程度です。
まあ、これなら毎日泳げば1か月で1キロの体脂肪を落とすことができるかもしれません。
しかし、毎日泳げる環境と時間があればの話です。
そして、水泳をやったことがある人は皆さんご存じでしょうが、水泳をした後はものすごくお腹が空きます。
運動後の達成感はタンニングの比ではないかもしれません。
つまり、運動強度が上がった分、食への欲求が増してしまうということなこれはのです。
だんだんご理解いただけてきたのではないかと思いますが、運動によってカロリーを消費すると、体のメカ二ズム上、カロリー摂取に対する欲求は上がります。
当然のことです。
人は食べ物を食べれば食べるほど、運動をしているという安心感や、食べたいという欲求が強くなっていきます。
運動直後の達成感は、あなたが痩せるために抑えている食への欲求を余計につらい状態へ追い込んでいるということです。
つまり、普段食べすぎてしまっているためにすでに高まっている食欲を抑えてダイエットしなければならないところに、運動をすることでさらに食べたい欲求を強めるという、地獄状態を自分で作り出しているのです。
基本的にダイエット指導者は適度に食欲を抑えられていますから、どうしても食べてしまう人の気持ちが理解できません。
「お菓子はやめましょう」「お酒を控えてください」「極力、体を動かしましょう」こんなことは誰でも簡単に言えます。
どうやったら痩せるかなんて実は本人もわかっている・・・だけどできない、というのがダイエット難民なのですから、指導する側ももう少しその気持ちを理解して、やれる分だけやってもらうように自然と仕向ける努力が必要です。
私の経験上、痩せたいと考える人は、できるだけ短期的に結果を出したかる傾向があります。
その気持ちから、やはり運動の量や強度を極端に増やしてしまうことが大いにあります。
つまりこの方法だと食への欲求がピークに達しますが、短期的ならばがんばれてしまうため、食事制限も極端になります(毎食こんにゃくや、ところてんといったローカロリーなものしか食べない等)。
「短期間で成果を出す」という点はすごく気持ちがわかります。ダイエットに限らず、何でも・・・すぐに結果を求めてしまうのは良くないですね。私もそうですが・・・。「その先」に私たちの求める「結果」が待っているというのに・・・
合わせて読んで、「今日」「今」から始めませんか?
↓ 参考書籍
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