【朝のスッキリを手に入れる方法】
起床して2~3時間は、頭が冴えわたる「脳のゴールデンタイム」です。
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朝が苦手な人もいらっしゃると思われますが、「脳のゴールデンタイム」をまったく活用できていない人は、1日の半分を失っているのにひとしいそうです。
そんな人でも簡単な朝の習慣の改善で、朝から脳を臨戦態勢にすることが可能です。
起床してから15分後には、頭も体もスッキリした状態になれる方法をご紹介します。
【朝シャワー】
朝、シャワーを浴びることで、夜の神経(リラックスの神経)である「副交感神経」から、昼の神経(活動の神経)である「交感神経」に切り替わるからです。
私たちは、昼の交感神経が優位になり、体温・心拍数・呼吸数が上がり、身体が活発に活動できるような体勢が作られます。
一方、夜になると副交感神経が優位になり、体温や心拍数は下がり、身体の活動性を下げてリラックスさせることで、睡眠、休息、疲労回復を助けているのです。
朝起きて、頭がボーッとしているのは、まだ副交感神経が優位の状態にあるからです。
つまり、目は覚めているものの、頭も身体も、「夜の神経」に支配され、本格的に活動をはじめていない状態にあるのです。
では、副交感神経を交感神経に切り替えるのにはどうすればいいのでしょうか?
それはとても簡単です、交感神経優位の状態は、体温や心拍数の上がった状態なので、逆に体温や心拍数を上げてやれば、自然に交感神経が優位になります。
つまり、朝にシャワーを浴びることで体温が上がりますが、身体の血流もよくなり、心拍数もアップします。
結果として、たった5分間のシャワーでも、浴び終える頃には、副交感神経から交感神経に、しっかり切り替わっているのです。
【カーテンを開けて寝る】
一般的にカーテンを閉めて寝るのが常識です、カーテンを開けて寝ると防犯上は好ましくない、非常識なことだと思う人もいるでしょう。
朝日を浴びるとセロトニンという物質が活性化します。
セロトニンは、睡眠と覚醒をコントロールする脳内物質で、日が昇り太陽からの光刺激が網膜から入ると、その刺激が中脳から脳幹にある「縫線核(ほうせんかく)」という部分に伝わり、セロトニンの合成がスタートします。
つまり、一日のリズムを司る物質なのです。
セロトニンは日の出とともに合成と分泌が盛んになり、午後から夜にかけて活性が低下し、ノンレム睡眠ではまったく分泌されなくなります。
セロトニンが下がると、気分は憂鬱になり、朝、目が覚めて「何もしたくない」「布団から出たくない」「このままずっと寝ていたい」という気持ちが起こるのは、セロトニン神経が弱っている証拠です。
セロトニン神経が弱った状態が長期化して、さらにセロトニンの分泌が悪化することで「うつ病」になります。
うつ病の患者に共通する特徴が「朝、起きるのがつらい」ということをよく言います。
セロトニン神経は睡眠中のレム睡眠時に、ほぼ活動を休止します。
つまり、朝起きた直後というのは、脳内のセロトニン濃度がゼロに近い状態なのです。
カーテンを閉めて寝ると、目覚まし時計でたたき起こされた瞬間には、網膜から光刺激が入ってきませんから、脳内はセロトニンがゼロの状態です。
つまり、気分もすぐれないのは当然です。
しかし、カーテンを開けて寝ると、朝日が昇り、窓から光が入ってきますから、まぶたを閉じていたとしても、網膜には光刺激が入ってくるので、緩やかにセロトニンの合成が始まります。
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【不動明王起床術】
「カーテンを開けて寝ても効果がない」という方は、頑固な夜型の人かもしれません。
これはセロトニン神経が弱っている可能性もあります。
そういう方は、目覚ましが鳴った後、すぐに起き上がらずに、5分間、横になったままで目を開けたままにしてください。
セロトニンの合成には「日光」が必要で、2500ルスクの光を、5分以上浴びるとセロトニンの合成がスタートします。
よほど日当たりの悪い部屋でない限り、カーテンを開けていると2500ルスク以上の朝日が入り、網膜から光を感じて、セロトニンのスイッチがONになり「つらい気分」「嫌な気分」が「爽やかな気分」「はつらつとした気分」に置き換わっていきます。
不動明王のように「カッ」っと目を開くだけで、スッキリとした目覚めが得られ、「よし、今日も1日頑張るぞ!」という気分が溢れてきて、スッキリとした寝起きが実現できるでしょう。
【リズム運動】
朝、セロトニンを活性化することでスッキリと目覚められるので、日光を浴びることが重要であることは理解できたかと思われます。
そのほかにもセロトニンを活性化する方法として「リズム運動」があります。
「リズム運動」は「いち、に、いち、に」のかけ声に合わせてできるリズミカルな運動のことです。
具体的には、ウォーキングやジョギング、階段の上り下り、首回し運動、ラジオ体操、水泳、ゴルフのスイング練習、深呼吸、音読、読経、発声練習、カラオケなど、いろいろあります。
セロトニンを活性化させるための「リズム運動」は、最低5分以上が必要ですが、長時間続ける必要はありません。
あまり長く続けると、神経が疲れてしまい逆効果です。
最も簡単な「リズム運動」は、歩くことです。
つまり、「朝の散歩」はとてもおすすめの習慣です。
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朝起きたら、15~30分程度、少し早歩きで外を散歩してみてください。
これだけで、「日光を浴びる」「リズム運動」で二つの効果が同時に受けられ、セロトニンが活性化します。
【よく噛んで朝食をとる】
朝が苦手な人は、朝食をとらない人が多いと思います。
ギリギリまで寝ているので、朝食を食べる暇がなく、身体がまだ寝ているような状態なので食欲がわきません。
しかし、朝が苦手な人ほど、朝食をとるべきです。
理由は「咀嚼」にあります。
「噛む」ことによって、脳を覚醒させることができ、顎の筋肉がリズムカルに収縮、弛緩(しかん)を繰り返すので、効果的なリズム運動となり、セロトニンを活性化して効果的なのです。
噛むだけでセロトニンが活性化するのですから、こんなに簡単な方法はなく、朝食をよく噛んで食べるだけで、朝食を食べ終わる頃には、セロトニンのスイッチがONになり、脳が覚醒モードに切り替わるのです。
【ただ食べればいいわけではない】
朝や午前中に頭が「ボ~」っとするという人は、低血糖に陥っている可能性があります。
朝起きた直後の時間帯は、1日の中でも血糖値が低くなる時間帯で、脳は体重全体では2%の重さしかないのに、全エネルギーの20%を消費しています。
脳は、血中の「ブドウ糖」を栄養として利用するため、低血糖状態では、脳はエネルギー不足に陥り、ベストなパフォーマンスを発揮することができません。
セロトニンを活性化するための「朝食術」として「ひと口分を20回以上噛んで食べる」・・・簡単そうに聞こえますが、意外と難しいです。
「咀嚼」をほぼしないで、呑み込むような私にはかなりの至難の業でした。
朝が苦手な人は、ギリギリまで寝ているため、3分ほどで早食いする人が多いと思います。
シリアルやゼリー、お茶漬け、ファストフードなど歯ごたえのないモノは、ほとんど咀嚼しない食べ物なので、セロトニンは活性化しません。
白米や玄米、雑穀に変えると、歯ごたえが生まれますので、よく噛んで食べると、咀嚼のクセがつくのでおすすめです。
【絶対にやってはいけない朝の習慣】
1日のスタートを切るために、朝の習慣を紹介してきましたが、たったひとつだけやってはいけないことがあり、これをしてしまうと「脳のゴールデンタイム」が台無しになります。
それは「テレビを見ること」です。
朝、朝食や身支度をしながら、とりあえずテレビをつけて情報番組を流しているという人は多いのではないでしょうか?
この朝のテレビの習慣はまったくおすすめできず、最も集中力の高い時間帯である「脳のゴールデンタイム」を完全に吹き飛ばしてしまうからです。
朝起きたときの脳内の状態は「整理されてきれいな机の上」のような状態であります。
しかし、テレビというのは情報の嵐で、「テレビを見る」という行為は、そのまっさらな机に、たくさんの資料をぶちまけるようなもので、「整理された脳」が、いきなり「乱暴な脳」に変わってしまい、その状態で、高い集中力を維持することは、もはや不可能です。
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脳のゴールデンタイムは、起床2~3時間なのですが、その時間を4~5時間にまでさせる方法があります。
それは「非常に整理されたきれいな机の上」を、整理されたまま使えばいいのです。
つまり、雑念や雑事を完全に遮断し、いろいろな仕事に手をつけずに、一つの仕事に絞ってこなしていくのです。
そうすると脳内の作業スペースが乱雑にならずに、気づくと14時ぐらいになっています。
逆に、乱暴に使えば脳のゴールデンタイムは一瞬で終わります。
脳のゴールデンタイムをより長く活かすためには、午前中は余計な情報は入れず、あえて「情報遮断」をして、自分に最も大切な「集中仕事」、その一点に集中するのです。
また朝からスマホでTwitterやInstagramなどのSNSを長い時間見ているのももったいないです。
スマホは情報収集に非常に便利ですが、ついつい時間を忘れて没頭しまいがちです。
スマホは、時間を決めて、上手に活用すれば、時間短縮や仕事の効率化に役立ちますから、利用時間を制限して使うようにしてください。
↓ 参考書籍
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