「本のページに印刷された文字を読むことで、私はどれほど新しい世界を知り、豊かになっただろうか。本は、一冊の中のわずか三ページで、読者の人生を変えることができるのだ」
エモーク・ブラッチ(アメリカの書店経営者)
本をまったく読まずに、真に成功した人生を送るのは至難の業度といえます。
なぜなら、読書は世の中や自分自身への理解をとてつもなく深めてくれるものだからです。
作家のオスカー・ワイルドも「実用的な目的のない読書の積み重ねが、人をつくる」と述べています。
読む本はフィクションでもノンフィクションでもかまいません。
分厚い本を読むのも良いですが、薄い本や新聞、雑誌、ブログでも問題ありません。
重要なのは、心の栄養となり、アイディアや高揚感を与えてくれるような文章に触れることです。
読者は、目の前に新たな世界を広げてくれます。
私たちは著者の経験を通して、新しい視点を得ることができます。
仕事や勉強など、自分の専門分野の本を読む事で、他者との会話や議論を深く豊かなものにでき、最新の知識も得られます。
意思決定やクリエイティブなブレーンストーミングの場に、積極的に参加できるようにもなるでしょう。
読書によって、私たちは物事を広く、深く理解できるようになるのです。
「我流」でやる事はとてもパワーも時間も必要となります。私は「無知」なのを実感していますから、その道の人たちの「書籍」を参考にしています。そしてほぼ「鵜呑み」にしています(笑)。先人の人たち、その分野の専門家の方たち、その道筋を参考にすると、「近道」できるはずです。興味のあることを「書籍」をまずは一冊読んでみてはいかがでしょうか。
【精読する】
スマーフォンでSNSやニュース記事を閲覧しているときのような、流し読みばかりするのはやめましょう。
一冊の雑誌や本をじっくりと読みます。
通し読みすることで、内容が頭に入りやすくなり、考えも深まります。
情報を「探す」「集める」事は、SNSの方が便利ですし、時間もかかりません。
ですが、SMSで得た知識は「知識」にならないような気がします。
「手軽に得た情報」はあくまで「情報」と処理してしまって、「知識」としては残らない(手軽さゆえに)気がします。
あくまで私の主観ですが、知識は問題を解くための必要なカギです。
問題に結びつかない情報収集は、ただの退屈しのぎです。
【読む対象を意識的に選ぶ】
自分の好みや興味に合ったものを読みましょう。ベストセラーばかりに手を出すべきではありません。
本当に成功したいなら、あなた独自の知見を広げてくれるような本がないか探してみましょう。
作家の村上春樹も、「他のみんなが読んでいる本だけ読むのなら、他のみんなと同じ考えしか得られない」と語っています。
【書くことに挑戦してみる】
自分でも何か発信したくなったら、書くことを始めましょう。
自分のアイディアやストーリー、理論を、ブログや記事、本に仕立てましょう。
何年ものあいだ考えてきたものでもいいし、シャワーを浴びている最中にふと思いついたものでもかまいません。
自費出版してもいいし、出版社を探してもいいでしょう。
本が出版されたら、大きな充実感を味わえます。新たな書き手として注目されるかもしれません。
私の場合は、読んでも忘れてしまうので始めは「メモする」から始めてみました。そのうち溜まったものをまとめていました。次に「ブログ」にまとめたモノ、役立ちそうなモノを記事にしてみました。「読書」をして「メモ」して「まとめ」て「ブログ」にして。まだ読まれる事は少ないですが、あくまで「記録」「自己満足」なので。それでも何かを始めることは「楽しい」ものです。
【たくさん読んでも知識は増えない】
日頃、あまり本を読まない人から見ると、読書家と呼ばれる人たちは本当にたくさんの本を読んでいるように見えることでしょう。
そして、多くの本を読むことで関心が広かり、さらに読書の輪が大きくなっていくとも言われます。
これが、たくさん読むほど得られる効果も大きくなるという「多読」です。
しかしそれは「働く時間が長ければ、収入も上がる」という話と同じ理屈です。
真実かと言えば、疑問が残ります。
その考えの根底にあるのは「あらゆる本は無条件でいいもの」という思う込みでしょう。
「早く読めればたくさん読める。たくさん読めれば知識も増える」というのは勘違いです。
英誌「エコノミスト」が「過去10年間で最も影響力のある経済学者」と評し、読書家としても知られているタイラー・コーエンは、「読めば読むほど、1冊あたりの情報の価値は低下する」とも言っています。
これは、あるジャンルに精通していくと読めば読むほど新しい情報が少なくなり、読むべき本が無くなっていく、という切ない話で本の価値が減るということです。
本は、大量に読む必要はありません。
「本を読むのが苦手」「読書が習慣になっていない」という人は、多読を目指すよりも、読む前の「準備」を大切にしてくたさい。
実はこのステップをなしにいくら本を読んでも、知識が右から左へと抜けていってしまうのです。
逆に必要な知識が明確であれば、少ない情報からも多くの知識を身につけることができるようになります。
著者も1日10~20冊の読書をしていますが、その中で熟読するのはたった数冊です。
もちろん、多読で得た知識、情報はいずれ役立つ可能性はありますが、多くの場合「積ん読」状態になってしまうのです。
【なぜ「事前準備」が読書効率を上げるか?】
著者は以前、ヨーロッパを旅行中、移動の飛行機や鉄道の座席で現地の言語を勉強していました。
英語にはあまり不自由していないので、「それぞれの国の言語で、挨拶やレストランでのちょっとしたやりとり、それと自己紹介を学ぼう」という明確な目的があり、実際に現地入りしているので必要性にも迫られていました。
すると、移動中という短時間にギュッと集中し、具体的なシチュエーションを想像しながら読み進めることで会話に必要な単語、フレーズがきちんと頭に入ってきたのです。
このようにアウトプットを具体的に想定しながら、インプットとして本を読むとき、脳はいつも以上の働きを見せてくれるのです。
集中状態とは「フロー状態」のことを指します。
フロー状慇は、そもそも人類の緊急システムに基づいており、「条件」がそろわないと発動してくれません。
その条件とは2つだけ。
1つ目が、目の前に危険が迫っているとき。
2つ目が、「自分の成長」や「自分の生存」に役に立つスキルが得られそうだとイメージできるときです。
要するに、「切羽つまった状況」か「それを身につけることによって大きな得ができる状況」が具体的に想像できないとフロー状態につながらない、ということです。
誰でも切羽つまったら頑張れますが、事前に具体的な状況を想定することは難しいでしょう。
それゆえに高い集中力やモチベーションが維持できず、本を読んでも覚えられないし、スキルが身につかないという結果に陥ってしまうわけです。
これはまるで、料理の献立を決めないでスーパーに行っているようなもの。
目の前に必要な食材があっても、それに気づかず素通りしてしまいます。
読書もまったく同じです。
ほしい知識があるからこそ、必要な情報に気つき、その「使い方」を考えるはずです。
ですから、著者は読む前、読んでいる最中、そして読んだ後にメモをします。
本に書かれている内容は要するに何なのか、何に使えるのか。
根拠となる出典はあるのかなど、読み進めながらその都度、思いついたり考えたりしたことをメモにしてまとめています。
この読み方で著者は、知識を最大化しているそうです。
数をこなすことよりも、より少ない本から情報をたくさん得ること。
感情や集中力を利用して記憶を深め、実践すること。
読む「目的」がそれを実現してくれます。
著者は、多読よりもそういった「心構え」が大切だと考えています。
たくさん読むことだけには意味はありません。
【知識の土台ができたらジャンルを広げよう】
ちなみに「多読」は、基礎知識を養い、土台をしっかりと作った後なら一定のメリットがあります。
というのも、目的に合った自分に必要な本だけを読んでいると、「世界」が広がらなくなる段階があるからです。
あるジャンルの「行き止まり」にぶつかるイメージです。
たとえば金融について学ぶ必要があったあなたが、目的を持って土台となる本を読一定の知識を身につけたとしましょう。
その後、同じジャンルの少し難易度の高い本、古典と呼ばれている本から最新の情報を集めた本まで範囲を広げていきました。
するとその結果、以前はよくわからなかった経済ニュースについてもキャスターや専門家が語る内容が理解できるようになり、金融の世界そのものが好きになっていきます。
そしてより探いテーマの本を手にして、専門性を高めていきます。
この流れのどこにも悪いところはありません。
しかし、それだけの読む力がついたらこそ、「多読」の準備が整ったとも言えるのです。
自分の興味があるジャンル、必要だと思う本だけを読んでいると知識が偏り、それは個人の可能性を狭めることにもなります。
【複数のジャンルを混ぜると、アイデアが生まれる】
ビジネスの世界では持続的イノベーションと破壊的イノベーションの両方が必要だと言われますが、これは読書にも当てはまります。
土台作りができた後は、意熾的に多読することによって興味を広げていきましょう。
すると、心理学の知識が経済学の世界でも役立つように、身につけたものが他のジャンルを読み進めるときの材料になる知的な喜びを実感することができます。
そんな「読み方」に1日でも早くたどり着くために、本書を読んであなたなりの「型」をいち早く身につけてください。
読書の成果は、「数」では決まりません。
感情や集中力を利用して、記憶を深め、少ない本からでも効率的に知識を得ましょう。
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