【ほんとうに充実した人間は自己主張しない】
ほんとうに充実した人間には、自己主張というものがない。
荘子か理想とする人間は、大自然と心をーつにして生きる人である。
大自然には、是非善悪の自己主張がない。
したがって、天地自然と同化している人は、自分の主張や自分の欲望で動くことは、ほとんどないのである。
至人(しじん)は己れなし
もし、荘子に自己主張があるとすれば、その主題は、「名誉や地位を求めて競争するのではなく、それぞれが、自分の分というものを定め、世間から非難されても劣等感をもたないので、誉められても無理な努力はせず、自然の心になりきって、悠々と、自分自身らしく、自分の本性を生きなさい」と。
神人は功なし(逍遥遊)
ほんとうに充実した人間は、いくらいい仕事をしても、功績かあったとしても、いばることをしない。
仕事に伴う名誉などを期待したり、求めることもない。
大自然は、いかに美しい大輪の花を咲かせても、その功績は忘れている。
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