【健康は腸から】 バランスを整えて幸せな日々

健康 ・睡眠・美容


【まずは食物繊維でお通じすっきり、腸内をきれいに】

お通じを促し、善玉菌のえさにもなって腸内環境の美化に大活躍の食物繊維は、腸からの免疫強化に欠かせません。

水溶性と不溶性の2種類があり、水溶性食物繊維は果物や野菜、海藻、こんにゃくに豊富。

腸でビフィズス菌を増やしたり、老廃物や発がん物質を吸着して体外に排出します。

一方、不溶性食物繊維は穀類、豆類、ナッツ類に多く含まれ、便の量を増やしてお通じをよくし、腸のぜん動運動を促します。

こちらは堅いためによくかまなければならないので、唾液の分泌を促して殺菌作用を高める効用も。


【発酵食品は、腸内免疫の主役・善玉菌の強い味方】

免疫システムの重要拠点である、腸。

ここで日夜、病原体と闘っているのは、小さな微生物・善玉菌たちです。

ヨーグルトやキムチ、納豆などの発酵食品には、乳酸菌やビフィズス菌、納豆菌などの有用微生物がいっぱい!

腸内環境を整え、善玉菌のえさとなるほか、なかには生きたまま腸に届いて、悪玉菌の繁殖を抑えたり、がんの原因ともなる有害物質を吸着して、自ら善玉菌として働くものも。

このように、腸内の善玉菌を増やす生きた菌や、それを含む食材を、「プロバイオティクス」といいます。


【善玉菌の大好物・オリゴ糖も忘れずに】

バナナやきなこ(またほ大豆)、はちみつなどのほか、ごぼうや玉ねぎにも含まれるオリゴ糖は、善玉菌の大好物。

消化されないまま大腸に届き、専用のえさとなって善玉菌を増やし、活性化させるのに役立っています。

このように、善玉菌の増殖や活性を高めるものを「プレバイオティクス」といい、オリゴ糖と同様、食物繊維もその仲間です。

また、腸の働きをよくすることで腸内環境を整えるものを「バイオジェニックス」といい、緑茶に含まれるカテキンなどが、これにあたります。

【免疫システムの重要なポイント】

腸は、食べ物といっしょに行減退や有害物質が次々に送り込まれてくる「危険な場所」。

様々な方法で免疫力が働いて、体を守っています。

・軟膜の細かい「毛」異物を外へ

腸の粘膜には絨毛(じゅうもう)と呼ばれる細かい毛がびっしり生えていて、体にとって必要な栄養素を取り込み、消化を助けます。同時に、そよそよとなびいて病原体などの異物を外へ送り出します。

・免疫細胞が敵をアタック!

腸にはさまざまな免疫細胞(白血球)が集結し、忍び込んできた病原体と闘っています。中でも注目は、免疫グロブリンAよいう抗体。体に有益な栄養素などはそのまま通し、病原体などの敵だけに攻撃を仕掛ける、消化管内に特有の優れものです。

・善玉菌が免疫力を高める

乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌は、腸内を酸性にして、殺菌作用を高め、有害物質を生成する悪玉菌の増殖を抑えます。また免疫にかかわる酵素も作り出します。

・粘液が外敵へのバリアになる

・腸粘膜から分泌される腸管粘液や、肝臓でつくられて胆嚢(たんのう)から分泌される胆汁には殺菌物質が含まれていて、病原体へのバリアになっています。

・便といっしょに外敵を追い出す

食事などとともに体内に取り込まれた農薬などの有害物質は、食物繊維に吸着されて、便となって体外へ。腸内で病原菌が大量繁殖すると、腸壁に炎症が発生。水分を充分に吸収できないまま下痢を起こし、未消化食物と病原体をまとめて一気に流し出します。

【腸を元気にする食の知恵】

・水をたっぷり飲む


快適なお通じは,、腸を元気にするための絶対条件。

腸内に便が長くとどまると、有害物質を発生させたり、悪玉菌の温床になってしまいます。

水分不足は便秘の原因のひとつ。

体内に水分が不足すると、腸が便から水分をどんどん吸収してしまうため、便が硬くなってお通じが悪くなります。

私たちの体からは、毎日、尿や汗などで2~2.5l(リットル)の水分が失われているので、その分を食事や飲料から補給することが大切です。

のどが渇いたと思ったときは、すでに水分不足に陥った状態。

渇きを感じる前に、こまめに水を飲むようにしましょう。

睡眠中も体から水分が蒸発しているので、就寝前や起床直後にも忘れずに水分補給を。

・主食で食物繊維を増やす

便のかさを増やしたり、腸のぜん動運動を促して便通を助けたり、発がん物質などの有害物質を吸着して便とともに排出したりと、腸を元気にするために大活躍の食物繊維。

摂取量を手軽に増やすには、毎日食べている主食に雑穀を取り入れるのがおすすめです。

いつもの白米のご飯に押し麦やひえ、あわ、きび、アマランサスなどの雑穀を混ぜて、炊飯器で普通に炊くだけ。

白米を胚芽米や発芽玄米に替えても◎です。

雑穀類のブレンドパックも売られているので、利用してみては?

また、パンなら精製してない全粒粉のパンや、雑穀入りのパン、麺類では白いうどんよりも黒い日本そばのほうが、食物繊維が豊富です。

・決まった時間に食事をとる


忙しいからと食事を抜いたり、夜遅くにたくさん食べたり・・・。

気ままな時間に食事をしていると、胃腸がタイムスケジュールどおりに仕事をすることができず、大混乱!

さらに、免疫システムを正常に機能させるために欠かせない自律神経のバランスも乱れてしまいます。

規則正しい食生活は、免疫力を保っための基本です。

まずは朝ごはんをしっかり食べることから、食事のリズムをつくるようにしましょう。

英語で「Breakfast(断食を破る)」というように、朝食は前夜からの長い絶食状態から胃や腸を目覚めさせるもの。

体温も上昇するので、免疫細胞も活性化します。

・肉類や袖っこいもののとりすぎに注意

焼き肉やステーキなどの肉料理はスタミナをつけたいときの人気メニューですが、つい食べすぎてしまうという人は、注意が必要です。

腸内の悪玉菌はたんぱく質が大好物なので、肉を食べすぎるとたちまち増殖。

アンモニアやアミン、インドールなどの有害物質を発生させ、これらが腸管から吸収されると、肝臓で解毒して処理しなければなりません。

しかも、油っこい料理は消化機能を低下させて、下痢をまねくことも。

肉類は免疫力強化には欠かせないものですが、食べすぎは禁物。

できるだけ脂肪の少ない部位を選び、脂肪の排泄を促す食物繊維といっしょに食べるように心がけましょう。

・具だくさんの汁もので食物繊維をカバー


食物繊維を多く含む野菜やいも類。

厚生労働省では一日にとりたい野菜の目標量を350gとしていますが、摂取量は年々減りつづけ、それにともない、食物繊維も不足しているのが現状です。

積極的に野菜を食べようと思っても、サラダやあえものだけで補うのはけっこう大変。

そこでおすすめなのが、汁ものにたっぷりの野菜を入れる作戦です。

にんじん、キャベッ、大根、ごぽう、なすなどなど、そのときの旬の野菜や、きのこ、海藻に加えて、一日100gくらいのいも類をとるのを目標にし、いつものみそ汁を具だくさんに変身させましょう。

パン食の人も、同様に野菜をたっぷり使ったスープを添えることで、食物繊維を補充できますね。

・野菜や果物はできるだけまるごと


調理のときに捨ててしまう、野菜や果物の皮。

じつは皮にこそ、多量の食物繊維が含まれています。

たとえば、さつまいもや大根の皮、またキャベツのしんには不溶性食物繊維がたっぷり。

堅くて食べにくいのですが、柔らかく煮込むなどして残さず食べたいものです。

また、みかんなど柑橘類の袋や白い筋、りんごの皮には水溶性食物繊維のペクチンが豊富。

意外なところでは、えびやかになどの硬い殻に含まれるキチン・キトサンも食物繊維の一種で、腸内環境を整えるほか、腸の中で食品添加物や発がん物質などを吸着して排出させます。

小えびや沢がにのから揚げ、桜えびなど、殻ごと食べられるものを、ぜひ積極的に食べて!

・間食をとるならドライフルーツ+ナッツ

甘いケーキやスナック菓子は、口溶けがよく、あっという間に大量に食べてしまいがちです。

でも、脂肪や糖分が多いわりに、ビタミンやミネラルの量はわずか。

間食にとるなら、食物繊維もたっぷりで、かめばかむほど味が出る干し柿やレーズン、プルーンなどのドライフルーツを。

アーモンドやピーナッツなど、抗酸化成分やビタミンEがたっぷりのナッツ類もおすすめです。

アメリカでは、ドライフルーツとナッツを合わせた「トレイルミックス」というパックを売っていて、トレッキング(ぶらぶら歩き)の際の手軽なおやつとして大人気なのだとか。

そのほか、ポップコーンや日本でおなじみの甘栗も食物繊維が豊富で、おすすめです。

・かみごたえのあるもので、腸に刺激を!


下剤を常用したり、暴飲暴食で胃腸を酷使するのはNGですが、ダイエットのための小食や、おかゆのように消化のよいものばかりを食べるのも、じつは逆効果。

腸はいろいろな食べ物を消化吸収することで機能を維持できるもので、腸管への刺激が少ないと、かえって弱くなってしまいます。

バランスのよい食事をしっかりととり、腸にきちんと仕事をさせましょう。

さらに、よくかんで食べることも大切。

食べ物を細かく砕き、唾液と混ぜ合わせることで、殺菌したり、消化吸収を高めたりします。

また、かむことには、唾液を分泌させて「食べ物が入るぞ」という指令を脳から胃や腸に伝え、胃腸の活動をスタンバイさせる役割もあります。

↓ 参考書籍

コメント