【腸活のカギは食べ物にあり!】 腸のバランスを整える食べ物

健康 ・睡眠・美容

【十人十色、人それぞれに違う腸内環境】

腸内フローラの様子は、人それぞれ違っていて唯一無二のもの。

遺伝子解析の研究では一卵性双生児でも違うことがわかっています。

また、乳幼児期にできた腸内フローラの原型は、ほぼ一生変わらないといいます。

誕生時、赤ちゃんは母親の産道にある腸内細菌などに接触。

このとき、細菌が赤ちゃんの腸内に入って増殖するのです。

赤ちゃんは生まれた瞬間から大量の細菌と接触し、腸や皮膚、気道などで繁殖させ、3歳ごろまでに腸内フローラの原型がつくられるといわれています。

授乳や抱っこなどのスキンシップ、また祖父母、兄弟姉妹、近所の人など多数の人と接することで、多種多様な細菌を受け取り、立派な腸内環境をつくることができます。

あちこちさわった雑菌だらけの指をしゃぶるのも、美しい腸内フローラづくりに一役買っているのです。

佐藤さん
佐藤さん

腸内フローラとは、腸内に生息している細菌のことです。腸内に生息する細菌は1,000種類以上存在しており、どの種類の細菌がどのような割合で存在するかは個人差が大きいとされています。腸内の細菌は大きく分けて“善玉菌”・“悪玉菌”・“日和見菌”の3種あり、善玉菌は腸内環境を整え、悪玉菌は毒性物質を作り出して腸内環境を悪化させるはたらきを持つそうです。

【善玉菌を活性化し腸内環境を改善する「植物性発酵食品」】

野菜やや豆などの植物を発酵させた植物性発酵食品は、腸の大好物です。

その代表が、日本食ではおなじみの漬け物と納豆です。

ぬか漬けやキムチなど微生物の力を利用した発酵漬け物には、たくさんの乳酸菌が含まれます。

ビタミンB群や食物繊維も多く、善玉菌を活性化し腸内環境を改善。

血糖値やコレステロ—ル値の上昇も予防します。

漬け物の乳酸菌は脳の興奮をしずめる脳内伝達物質「GABA」もつくります。

GABAは快眠、ストレス軽減、免疫力向上に作用し、特定保健用食品にも使われています。

そして腸内環境を整える最強の発酵食品の納豆。

納豆菌は生きて腸まで届き腸内フローラの活動力を高めます。

加えて、納豆には幸福感や安心感をもたらす神経伝達物質「セロトニン」の材料になるトリプトファンが豊富です。

ぜひ毎日1~2パック食べて、おいしく腸を喜ばせてください。

納豆のねばねばは善玉菌のエサとなる水溶性の食物繊維。豊富なビタミンB2は免疫力を強化します。納豆は朝のイメージですが、夜食べると脳梗塞の予防にもなります。

ぬか漬けは、漬ければ漬けるほど発酵し、乳酸菌が増えます。酸っぱい味はその印。シャキッとした浅漬けより、しんなりした古漬けのほうが健康効果が高くなります。

乳酸菌はもちろん、食物繊維豊富なキムチ。加えて調味のニンニクは抗酸化力ナンバーワン。唐辛子やしょうがも、抗酸化力と体を温める食材。是非、「汁」ごと食べてください。

【乳酸菌やビフィズス菌の宝庫 → 動物性発酵食品】

腸内環境を整えるには、腸によい働きをする食品を食べて、直接送り込むことが大切です。

腸が喜ぶ食品のひとつに、乳酸菌やビフィズス菌が豊富なヨーグルトチーズなど動物性発酵食品があります。

口から入った乳酸薗は1~3日ほどで便と一緒に排出されるので、毎日食べるのが効果的。

ヨ—グルトにはさまざまな製品があり、含まれる乳酸菌もそれぞれですが、相性がよく生きたまま腸に届いて働いてくれるのは、その人の腸内細菌と同じものだけです。

2週間ほど食べて、お通じが改善されるなどの効果があれば、それは相性のよいヨーグルト。

もし相性ピッタリのヨーグルトでなくても、もともと腸に棲んでいる善玉菌を元気にするよいエサになってくれます。

チーズも乳酸菌がたくさん含まれています。

加熱処理せずに熟成させたナチュラルチーズが特にオススメです。

ヨーグルトに含まれるビフィズス菌や、アシドフィルス菌、ブルガリア菌などの乳酸菌は「善玉菌」の代表で、腸内を酸性にして有害菌の繁殖を抑えたり、がんの予防に役立ちます。オリゴ糖や食物繊維は、ビフィズス菌の大好物。ヨーグルトを食べるときは、オリゴ糖を含む「はちみつ」や「きなこ」、食物繊維を含む「ドライフルーツ」や「ナッツ」をトッピングするとよいでしょう。


チーズはカルシウムの補給。骨を丈夫にするだけではなく、精神を安定を安定させてくれます。チーズのカルシウムは、タンパク質と結合した形で含まれているので、消化吸収がよいのも特徴です。乳酸菌や凝固酵素を加えて発酵、熟成させますが、発酵、熟成に白カビや青カビを使ったり、塩水に漬けたり、様々な種類があります。その中でも「ナチュラルチーズ」をおすすめします。

【ヤセ菌のエサになる → 水溶性食物繊維】


腸内環境をよくする善玉菌やヤセ菌を増やすためには、成分をしっかり腸に届けましょう。

ぜひ腸に届けたいのが食物繊維です。

水溶性と不溶性の食物繊維がありますが、より善玉菌のエサになりやすいのは、水に溶けて分解されやすい水溶性食物繊維です。

水溶性食物繊維が多い食品は、わかめ、昆布、めかぶ、もずく、ひじきなどヌルヌルしている海藻。

山いも、キクイモ、オクラ、なめこなどにも多く含まれています。

水溶性食物繊維は腸内環境をよくするだけでなく、食後の急激な血糖値の上昇を抑えて糖尿病を予防し、コレステロールや胆汁酸を吸着して便と一緒に体の外に出してくれます。

また、水に溶けて便を柔らかくする作用もあります。

便秘が気になる人は、ぜひ積極的に食べてみてください。

ヌルヌルしている食べ物が水溶性と覚えておくとわかりやすいです。

【ぜんどう運動を活発にする → 不溶性食物繊維】


不溶性食物繊維もまた、腸によい働きをする食品成分です。

やはり善玉菌やヤセ菌のエサになり腸内環境を整えます。

文字通り水に溶けない繊維で、水分を吸収してふくらむ性質があり、便の量を増やして腸壁を刺激し、腸のせんどう運動を盛んにして、便をスムーズに排出させてくれます。

不溶性食物繊維の多い食品はキャベッ、レタス、ほうれん草など葉もの野菜、さつまいもやごぼうなどの根菜です。

納豆、こんにゃく、きのこ類、アボカド、大麦など水溶性・不溶性両方の食物繊維を多く含む食品もあります。

ただ、もともと便が硬めの人が不溶性食物繊維を大量に食べるとさらに便が硬くなり便秘が悪化したり、逆に不溶性でも水溶性でも摂りすぎると下痢を起こしたりすることもあるのでほどほどに。

自分に合うものを選び、合う分量を楽しんで食べれば理想的な腸内環境に近づくことができます。

【美しい腸内フローラをつくる「オリゴ糖」を含む食品】


人にはそれぞれ自分だけの「マイ腸内フローラ」があり、その人特有の善玉菌、乳酸菌群が棲んでいます。

これを増やせば免疫力は上がります。

善玉菌を増やすには「オリゴ糖」がオススメです。

熱や酸に強いので胃酸や消化酵素で分解されずに腸まで届きやすい性質があり、特にビフィズス菌のエサになります。

オリゴ糖を飲んだ人の腸内フローラのビフィズス菌の割合について、2週間で17.8%から45.9%に増えたとの検査結果も。

ただし、飲むのをやめると1週間でもとの数値に戻るので、毎日摂り続けることが大切です。

大豆、キャベッツ、ごぼう、たまねぎ、カリフラワー、バナナ、はちみつなどはオリゴ糖が豊富です。

シロップ製品もありますが、てん菜糖が原料で保存料や人工甘味料を加えていないものを選びましょう。

目安は1日にスプーン1杯。

摂りすぎるとおなかが張って軟便になり、下痢をすることもあるので注意を。

佐藤さん
佐藤さん

コーヒーには1杯のはちみつがおススメです。コーヒーは炎症予防のカフェイン、酸化防止のポリフェノールを含み、効率的に免疫力がアップできます。

【植物に含まれる天然の機能性成分 → フィトケミカル】


第7の栄養素と呼ばれる「フィトケミカル」は、植物に含まれる天然の機能性成分。

活性酸素を除去して老化予防、代謝の促進、免疫力向上、がんの予防、脳機能の活性化など多様な効果があり、生活習慣病の予防や改善に大いに役立ちます。

1万種類以上あり、種類によってさまざまな働きがあるといわれています。

「アントシアニン」「リコピン」「βーカロテン」などは、その代表的なフィトケミカルです。

すばらしい効果満載の成分は、うれしいことに私たちが普段食べている野菜や果実に多く含まれています。

フィトケミカルは植物にしかない成分で、外敵から身を守るために持っていると考えられています。

苦味や渋味、えぐ味などが主な成分で、植物の皮や皮の周囲に多く含まれています。

大豆のアクは「サポニン」、お茶の渋味は「カテキン」で、これもフィトケミカル成分です。

ポリフェノール → 植物が光合成を行ってできる物質。抗酸化作用が高く、活性酸素を除去します。植物色素やアクの成分で、水溶性が多く吸収されやすいものです。

カロテノイド → 緑黄色野菜に含まれる黄色。橙色、赤色の鮮やかな色素成分。抗酸化作用が高く、がん細胞を抑制し、免疫力を上げる働きをします。

イオウ化合物 → 野菜の辛味やにおい成分。抗酸化作用、解毒作用があるとされ、血行促進・血流の改善作用もあります。

香気成分 → かんきつ類やハーブなどの香り、苦味成分。嗅覚から大脳皮質に刺激を与え活性化。抗酸化作用、免疫力向上、生活習慣病予防、ストレス解消、不眠改善などが期待されます。

アミノ酸関連物質 → 植物に含まれるさまざまなアミノ酸でつくられるフィトケミカルです。

糖関連物質 → 海藻やきのこ、根菜類に多く含まれ、食物繊維に分類される炭水化物の一種です。

【胃や腸管を守る → グルタミン酸】


グルタミン酸は胃や腸管を守る役割を担い、小腸のエネルギー源として、働きを活発にさせるアミノ酸のひとつです。

また、脳の活性化、高血圧の改善、アンモ二アの解毒作用、利尿効果、そして肝臓を守りアルコール代謝を高める働きなど、さまざまな効果が期待されます。

実はグルタミン酸は、日本人の食卓の身近なものに含まれています。

それはこんぶやかつお節、しいたけなどからとった「ダシ」です。

グルタミン酸はうま味成分のひとつで、特にこんぶダシにたくさん含まれています。

ほかにもイワシ、トマト、チーズ、白菜、緑茶などの食品、味噌としょうゆにもたくさん含まれています。

ということは、

しっかりダシをきかせた和食の定番の味噌汁やおかずを食べて、食事やおやつタイムに緑茶を飲んでいれば、健康効果抜群ということ。

伝統のうま味を見直すだけで、免疫力は上がります。

【免疫力の要となる → 動物性タンパク質】


動物性タンパク質を多く含むのは肉や魚で、主菜になることが多い食品です。

タンパク質は筋肉、血液、毛髪、爪、皮膚などをつくる成分で、重体の調整機能、免疫力の源でもあります。

タンパク質は20種類のアミノ酸でつくられ、体内で合成できるものが非必須アミノ酸、合成できないものが必須アミノ酸です。

食べ物から摂る必要がある必須アミノ酸をバランスよく摂取できるのが肉。

肉はアミノ酸の構成が人の体に最も近いタンパク質です。

食べ方には工夫が必要です、高脂肪・高タンパクの肉は大腸菌など悪玉菌の大好物で、食べすぎると有害物質をつくり出し腸内環境が乱れます。

不足すると免疫力が低下し、病気にかかりやすくなってしまいます。

1日の目安は自分の手のひらに乗る程度の分量で、肉40~60g、魚40~100 g、卵1個。

抗酸化成分が豊富な野菜と一緒に、肉も魚もバランスよく食べれば丈夫な体が築けます。

【食物繊維やビタミンも豊富 → 植物性タンパク質】

免疫力の源になるタンパク質のうち、植物性タンパク質をたっぷり含む食品は大豆や大豆製品です。

細胞をつくるのに欠かせない大豆レシチン、善玉菌のエサになるオリゴ糖、腸の環境を整える食物繊維、免疫機能を正常に働かせるビタミン類も豊富です。

大豆製品は豆腐をはじめ、高野豆腐、納豆、油揚げ、豆乳など種類も多く、値段も手頃。

動物性の食品に比べるとカロリーが低めなので多めに食べても安心で満足感も得られます。

ほかにも植物性タンパク質を含む食品はいろいろあります。

エンドウ豆やソラ豆などの豆類はもちろん、アスパラガス、ブロッコリー、芽キャベツなどの野菜にも含まれています。

穀類ではトウモロコシやそば、果物ではアボカドがタンパク質を多く含みます。

植物性と動物性、2種類のタンパク質をバランスよく摂れば免疫力はますますアップ。

ぜひ、毎日食べてください。

【代謝を上げ、体を温める食品を積極的に摂る】


36.5~37.0℃。

人間は、この体温の範囲で栄養吸収、エネルギー代謝、老廃物排出など、さまざまな機能がうまく働くようにできています。

体温が下がると白血球の免疫細胞は働きが鈍り、免疫力低下を招きます。

35℃台まで下がると血流が悪くなり新陳代謝は半減。

自律神経失調症、排泄機能低下、アレルギーなどを引き起こすこともあります。

「がん細胞は体温35℃を好む」ともいわれ、心配なことに日本人は昔より体温が低下してきているといいます。

適正な体温を保ち免疫機能を活性化させるために、代謝を上げ、体を温める食品を積極的に食べましょう。

「体を温め内臓の働きを活性化する食品」として唐辛子、しょうが、にんにく、ねぎなど、「筋肉のもとになり脂肪燃焼を助ける食品」として肉類や魚介類など、「糖質や脂質の代謝を助ける食品」として豚肉、青魚、卵、牛乳、大豆製品・豆類、玄米などがオススメです。

↓ 体を温め内臓の働きを活性化する食品

他にもチリペッパー・ねぎ・にんにく・にら・らっきょう・さつまいも・うなぎ・アーモンド・ごま。

↓ 筋肉のもととなり脂肪燃焼を助ける食品

他にも鶏肉・豚肉・カツオ・魚介・レバー・シジミ・ほたて・サケ・アジなど。

↓ 糖質や脂質の代謝を助ける食品


他にもレバー・ウナギ・マグロ・カツオ・サバ・イワシ・サケ・卵・牛乳・大豆製品・豆類など。

【ゆっくりとよく噛んで食べると活性酸素が減る】

「よく噛んで食べなさい」といわれますが、一口食べて何回くらい噛んでいますか?

実は私は「早食い」です・・・周りの方々に「食べるの早い!」とよく言われます。

実は、よく噛むだけで活性酸素を除去し、腸内細菌を元気にして、免疫力を上げることができます。

そのカギを握っているのが唾液です。

唾液にはアミラーゼやリパーゼなどの消化酵素が含まれますが、発がん物質の毒消し作用がある酵素・カタラーゼ、そして活性酸素を消す抗酸化作用がある酵素・スーパーオキシターゼとスーペルオキシドジスムターゼも含まれています。

噛むと唾液が分泌されますが、唾液に含まれている酵素が活性酸素を消す働きをするまでに、約30秒かかることがわかっています。

つまり一口食べたら1回噛むのに1秒かけ、ゆっくり30回噛むことが必要なのです。

唾液に含まれる酵素は噛めば噛むほど増えます。

新鮮な野菜や果物など、抗酸化物質を含む食品をよく噛んで食べれば、免疫力がさらに上がること間違いなしです。

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