【健康促進に効果的な食材とは?】 腸がよろこぶ食べ物は「お・な・か・は・す・き・や・よ」

食事・運動・仕事

みなさん、腸内細菌がどんな食べ物が好きかをご存じですか?

きっと、すぐには思い浮かばない方もいることでしょう。

じつは、これにはすぐに覚えて実践に移すことのできるキーワードがあります。

それが「お・な・か・は.す・き・や・よ」です。

これは、腸内細菌がよろこぶ食べ物の頭文字を並べたもの。

それぞれ、順に説明していきましょう。

「お」・・・オリゴ糖

おすすめのメニュ—は「焼きバナナ」

腸内細菌作業員のなかでも、優秀な働き者がビフィズス菌の大好物がオリゴ糖です。

だから、オリゴ糖が多い食べ物を摂っていれば、ビフィズス菌をはじめとした善玉菌が増えてきて、腸内フロ—ラ工場が健全に動くようになっていきます。

オリゴ糖を多く含む食品には、たまねぎ、長ねぎ、ごぼう、アスパラガス、にんにく、とうもろこし、バナナ、ハチミツなどがあります。

なかでも、わたしのおすすめのメニュ—は「焼きバナナ」。

バナナを皮のままグリルで弱火で5分ほど焼くと、バナナのでんぷんがオリゴ糖に変化するため、大量にオリゴ糖を摂取することができるようになるのです。

また、オリゴ糖を抽出してシロップや顆粒状にしたオリゴ糖甘味料も市販されていますが、オリゴ糖以外の糖類や添加物が使われている場合がありますので注意して利用しましょう。

オリゴ糖には、腸内環境を整える効果の他にも、免疫力を高める、便秘解消、骨粗鬆症予防などの健康効果があります。

特に、免疫力を高める作用については、オリゴ糖が腸内で増殖する善玉菌が、免疫細胞を活性化させる働きを持っているためです。

また、オリゴ糖を含む食品を摂取することで、ビフィズス菌の増加が期待できますが、オリゴ糖は加熱に弱いため、生の食品を摂取することが望ましいとされています。

焼きバナナ以外にも、サラダやスムージーなどに生の野菜や果物を加えることで、オリゴ糖を摂取することができます。

最後に、オリゴ糖は一度に大量に摂取すると、お腹がゆるくなる場合があるため、少しずつ摂取することが望ましいとされています。

「な」・・・納豆などの大豆製品

納豆は夜に食べるほうがいい!

納豆こそは、腸内細菌がよろぶ食品の王様なのではないでしょうか。

発酵食品でもあるし、食物繊維も豊富。

大豆由来のビタミンやミネラルもたっぷり含まれています。

納豆に含まれるナットウキナーゼには、血栓を溶かあの茶色いひと粒に腸内細菌が大よろこびする成分すが凝縮されています。

なお、納豆のこうした効果は、夜に食べるほうがより生かすことができます。

腸が活発に動く夜に食べると、各ビタミン、ミネラルの作用や整腸作用が働きやすくなりますし、寝ている間の血流がスム—ズになるのです。

「納豆といえば、朝」と決めている方も多いと思いますが、ぜひ、朝だけでなく夜も食べるようにしましょう。

また、納豆だけでなく、豆腐、豆乳、おからなどの大豆製品も普段から積極的に摂るようにしてください。

納豆や大豆製品は、大豆イソフラボンという植物性エストロゲンが含まれているため、更年期障害の緩和にも効果があるとされています。

ですので、年齢を重ねた女性にかなり積極的に摂取することが大切です。

但し、大豆製品はアレルギーを持つ方もいるため、初めて食べる場合は注意して食べましょう。

「か」・・・海藻類

日本人の腸にフィットした食物繊維

昆布、わかめ、のり、ひじき、めかぶ、もずくなどの海藻類は、日本人の腸に合った食べ物です。

外国には海藻を食べる習慣がほとんどないのですが、それは、海藻を分解する消化酵素を持ち合わせていないためです。

しかし、腸内にその酵素を持つ日本人は古くから海藻を食べ、多くの栄養を摂り入れてきたのです。

どの海藻にも食物繊維がたっぷり含まれていますし、昆布、めかぶ、もずくなどのネバネバ・ヌルヌル成分にはフコイダンやアルギン酸などの健康成分が豊富に含まれています。

日本人の腸の健康は、海藻なしには語れません。

普段から積極的に摂取を心がけるようにしましょう。

海藻類には、食物繊維以外にも様々な栄養素が含まれています。

例えば、ミネラルでは、カルシウムやマグネシウム、鉄などが豊富に含まれています。

また、ビタミンでは、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンKなどが含まれています。

これらの栄養素は、骨や歯、血液などの健康維持に勝てないものです。

さらに、海藻類には、特有の成分であるフコイダンが含まれています。

フコイダンは、免疫力を高めたり、炎症を抑えたりする効果があるとされています。

また、がん細胞の増殖を抑制する作用もあるとされており、がん予防にも役立つと考えられています。

ただし、海藻類にはヨウ素が含まれているため、摂りすぎには注意が必要です。

適量を守って摂取するようにしましょう。

また、海藻類を摂取する際には、しっかりと水洗いすること海水や砂などがついている場合があるため、しっかりと洗ってから調理しましょう。

「は」……発酵食品

毎食1品は「菌の恵み」を摂取しよう

発酵食品には「菌の恩恵」が詰まっています。

例を挙げれば、味噌や醤油には麹菌、納豆には納豆菌、ヨーグルトにはビフィズス菌、チーズやピクルス、キムチ、ぬか漬けなどの漬物には乳酸菌が含まれています。

こうした発酵食品を摂っていると、腸内が酸性に保たれて、善玉菌が増えやすい環境が整えられます。


また、腸内紐菌によって発酵食品が分解されると、酢酸などの短鎖脂肪酸がつくられるのですが、この短鎖指肪酸には腸の動きをよくしたリ、肥満を防いだりする働きがあるとがわかっています。

和食系なら味贈汁、納豆、ぬか漬け、洋食系ならチーズやピクルスといったように、3度3度のメニューに一品は発酵食品を加えておきたいところです。

発酵食品は、腸内細菌叢にとって重要な栄養素を充たすだけでなく、免疫力を高める働きもあります。

発酵食品に含まれる乳酸菌などの菌類は、腸内の免疫細胞と相互作用を行い、炎症や感染症を抑制作用があります。

また、最近の研究では、発酵食品に含まれる菌類が腸、脳相互作用にも寄与していることがわかっています。

発酵食品に含まれる菌類が腸、脳軸を介してこのような影響を与える可能性があるとされています。

つまり、発酵食品を摂取することで、腸内細菌叢のバランスを整え、免疫力を高め、腸-脳相互作用を改善することができるため、健康維持に役立ちます。

自分に合った種類や量を摂取するようにしましょう。

「す」……酢

「酢たまねぎ」も腸にいい!

酢には短鎖脂肪酸の一種である酢酸があり、酢があることで腸内細菌は効率よく短鎖脂肪酸を生成できます。

腸内環境を短時間で整えることができるのです。

酢は腸の活性化にとてもよい食品です。

一方、たまねぎは腸内細菌の大好物であるオリゴ糖と水溶性の食物繊維をバランスよく含み、腸内発酵をうながします。

また、活性酸素の除去に働く硫化アリルなどの抗酸化物質も豊富です。

たまねぎを酢に漬け込み、腸内細菌のエサとなる「酢たまねぎ」をメニューの1品に加えましょう。

最近はたまねぎばかりでなく「酢たまご」「酢黒豆」「酢キャベツ」「ニンニク酢」「酢昆布」など、酢を用いた健康メニューがはやっているようです。

これらは、腸のコンディションを整えるのにもたいへん役立ちますし、生活習慣病を予防するのにも有効です。

つくりおきもできるので、普段から食卓に載せるようにしてみてはいかがでしょうか。

酢には、酢酸以外にもアミノ酸やポリフェノールなどの栄養素が含まれています。

アミノ酸には、腸内細菌のエサとなるオリゴペプチドが含まれていて、これが腸内環境を整える働きを持っています。

また、ポリフェノールには抗酸化作用があり、細胞を老化させる活性酸素から身体を守る働きがあります。

そのため、酢たまねぎや酢黒豆などの酢を用いた健康メニューは、腸内環境だけでなく全身の健康にも効果があるとされています。

さらに、酢は血糖値の上昇を抑える作用もあり、糖尿病やメタボリックシンドロームの予防にも役立ちます。

「き」……きのこ類

「大地に育まれた菌」で免疫強化

きのこは、大地に生息する土壌菌に育まれた食べ物。

そのなかには腸の機能を活性化させる成分がいっばい詰まっています。

なかでも、活性化する機能が免疫力。

きのこにはβーグルカンという免疫増強物質が豊富に含まれていて、がん細胞の増殖を防ぐのにも有効とされているのです。

しいたけ、しめじ、なめこ、えのき、エリンギ・・・きのこの種類は問いません。

ぜひ種類や料理法を変えながら、毎日のメニューに取り入れていくといいでしょう。

また、きのこ類には腸内細菌を豊富に含むことが知られています 。

さらに、きのこ類にはビタミン類やミネラル類も含まれていて、栄養バランスにも優れています。

特に、ビタミンDを含むきのこ類は、骨や筋肉の健康にも良いとされています。

加熱しても栄養素が壊れにくいため、スープや炒め物などの料理にも幅広く使われています。

また、乾燥させたきのこを粉末にして、スムージーや調味料として使うこともできます。

きのこ類は、美味しく食べながら内環境を整え、免疫力を高めることができる優れた食材です。

「や」……野菜類

腸がよろこぶ情景を思い浮かべて毎食欠かさない!

腸内細菌は食物繊維で育つといってもいいでしょう。

そして、日々の食事において食物繊維摂取のベースになるのは、何といっても野菜です。

葉物野菜、根菜類など、いろいろな野菜や豆類からたっぷり食物繊維を摂るようにしてください。

毎食のメニューで野菜を欠かさないのを基本としながら、少なくともー日に1回は両手に山盛リー杯分くらいの量の野菜を食べるようにすることをおすすめします。

おなかのなかの腸内細菌がよろこぶような情景をイメージしながら、食べるようにしてみてはいかがでしょうか。

なお、著者は毎食効率よく食物繊維を摂るためのひとつの方法として、「食前キャベツ」の習慣をおすすめしています。

食事に箸をつける前に、生キャベツを小さなお皿に1杯分食べるのです。

刻んだキャベツにソースをかけて食べてもいいですし、ちぎったキャベツに味噌をつけながら食べるのでも大丈夫。

そうすると、忘れることなく食物繊維を摂れるのはもちろん、満腹感が得られやすくなるため、食べ過ぎを防ぐことにもつながります。

肥満やメタボを予防するのにももってこいです。

しかも、キャベツは抗酸化作用が高く、ニンニクに次いで2位にランクインしています。

野菜には、ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれています。

先ほどと内容がかぶりますが、中でも特に腸内環境に良いとされるのが、発酵食品や酵素を含む野菜です。

キムチや漬物、醤油などの発酵食品には、腸内細菌を増やす効果があります。

また、玄米や海藻、納豆などに含まれる酵素は、消化を助けることで腸内環境を整えることにも役に立ちます。

さらに、野菜に含まれる食物繊維には、腸内細菌を善玉菌に変換する効果があるとされています。

具体的には、大豆や豆腐、アーモンドなどに含まれるイソフラボンや、ニンジンやスイカなどに含まれるペクチンなどが挙げられます。

以上のように、野菜には様々な栄養素が含まれており、腸内環境を整えるために欠かせない存在です。

毎日の食事で、様々な野菜をバランスよく摂ることが大切です。

「よ」・・・ヨーグルト

自分に合ったタイプを見つけ出そう

腸にいい食品といえば、ヨーグルトを思い浮かべる方も多いでしょう。

もちろん、間違いではありません。

ヨーグルトの乳酸菌には、腸内環境を改善させる働きがあります。

ただ、その効果を得るにはひとつ条件があります。

ヨーグルトに含まれる乳酸菌には、ビフィズス菌、ブルカリア菌、カゼイ菌、クレモリス菌といったよにいろいろな種類があります。

でも、人にはそれぞれ、自分の腸に合った乳酸菌が決まっています。

もし、そのヨーグルトが自分の腸にいる乳酸菌ではなくても、まったく効果がないわけではありませんが、いずれ腸から排除されます。

ですから、まずは自分に合ったヨーグルトを見つけ出すことが大切。

そのためには、どれかひとつのヨーグルトを選んで1~2週間食べ続けてみて、腸にいい変化があったかどうかを見極めていく作戦をとるのがいいでしょう。

ひとつひとつ、時間をかけていろいろな種類を食べ比べてみて、「これだ!」というヨ—グルトを見つけてください。

自分に合ったタイプが見つかれば、そのヨーグルトは腸を整える食品アイテムとなるはずです。

ヨーグルトには、乳酸菌以外にも、タンパク質やカルシウムなどの栄養素が豊富に含まれています。

そのため、腸内環境の改善だけでなく、骨や歯の健康維持にも役立ちます。

また、ヨーグルトはそのまま食べるだけでなく、スムージーやドレッシング、デザートなどにも利用できます。

自分に合ったヨーグルトを見つけたら、レシピを工夫して、多様性豊かな食生活を送ることもできます。

ただし、市販のヨーグルトは加熱処理や添加物が含まれている場合があります。

腸が喜ぶものを食べる

もっと詳しくまとめた記事になります。

普段の食事から意識して「健康」と手に入れ、仕事や遊び、恋愛に全力で取り組んて下さい。

「お・な・か・は・す・き・や・よ」の食べ物は、腸内細菌にとってうれしいご褒美のようなもの。

そのご褒美が毎日のように届けられれば、腸内細菌たちは大いにハッスルして仕事をするようになります。

わたしたちの心と体は、日々食べたものからつくられています。

そして、それを腸内でつくり出しているのが腸内細菌。

ですから、一日一日せっせと「ご褒美」を送り届けていると、腸内細菌がしっかり働いて、「いい心といい体」をつくるようになっていくのです。

腸内細菌は決して期待を裏切りません。

こちらが腸内細菌のことをちゃんと考えて食べ物を送り届けていれば、向こうもちゃんと働いて、心と体の健康をつくり出してわたしたちの期待に応えてくれることでしょう。

だからこそ、日々おなかのなかのパートナーのことをちゃんと思いやって食事をしていく姿勢が大切なのです。

さあ、みなさん、「お・な・か・は・す・き・や・よ」を合言葉にして、おなかのなかから「いい心といい体」をつくっていくようにしましょう。

↓ 参考書籍

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