【20秒ルール】
1つ目は、ご存じの方も多いのではないかと思われる「20秒ルール」です。
これはハーバード大学でポジティブ心理学講座を担当しているショーン・エイカーさんが「幸福優位7つの法則」の1つとして挙げているものです。
↓ 参考書籍
新しい習慣を身につけようとするときに、その行動を「やりやすいようにすること」がまず大事になります。
意志の力で「これをやる!」「これを続ける!」と考えただけでなかなか継続できないものなので、習慣化したい行動がある場合は、できるだけ面倒な部分を取り除いて、「気が付いたらやっていた」というくらいに手間を減らしたやり方ができないか、と常に考えるようにしてください。
それが20秒ルールです。
なぜ20秒なのかというと、「やりたいと思っている習慣を、普段の状況より早くできるようにする」ことが基本になります。
著者のショーン・エイカーさんは、毎朝ジム通いを習慣づけるために、清潔なトレーニングウェアを着て寝るようにしました。
さらにスニーカーなども用意しておくことで、起きてから家を出るまでの手間を20秒減らしました。
それにより、迷いなくジムに行く習慣化ができたそうです。
日常生活のいろいろなシーンにおいて、この20秒ルールは使えます。
私の場合は「読書」で試してみました。ベットに1冊、車に1冊、バックに1冊、机に1冊と読みたい本を忍ばせて、隙間時間に本を開くようにして習慣化することが出来ました。
20秒ルールはとても有効なテクニックですが、「20秒減らせた」と満足してはいけません。
20秒分の手間を減らせたなら、さらにもう20秒の手間を減らす。
それができたら、またさらに20秒分の手間を減らす。
こうして極限まで手間を減らしていくのがポイントです。
このテクニックは、非常にシンプルでありながら、絶大な効果を発揮します。
もし、ヨガを習慣化したいのであれば、ヨガマットは畳まず、すぐにやれる場所に広げておき、会社から帰宅したときにすぐに目に入って始められるよにしておく、もういっそのこと玄関にマットを敷いておいてもいいかもしれません。
【やめたい場合は、手間を増やす】
習慣化したいのではなく、「やめたいこと」がある場合は、普段の状況より20秒、時間がかかるようにします。
テレビを見すぎるのをやめたい場合、テレビのリモコンから電池を抜いておき、電池を入れるまでに20秒かかるところに電池を置いておくようにしたことで、テレビ中毒が改善された例があります。
これを応用すると、例えばスマホを使いぎて時間が惜しいというのであれば、本棚のいちばん上など、簡単には取れない場所に置いておきます。
そうすれば、いつも手元に置いておくのに比べて、スマホを手にする回数はずいぶん減ります。
スマホの中に、つい時間を費やしてしまうのであまり使いたくないアプリ(ゲームなど)があるなら、その対策も、何度もスワイプしないと出てこないようなフォルダの奥底にしまっておいて、そのアプリを開くまでに手間がかかるようにすると、そのアプリに手をつける回数が減ります。
「20秒ルール」といっても20秒にこだわりすぎず、手間を減らす場合も増やす場合もワンステップ減らすか増やすところから始めればいいでしょう。
仕事の場合でも、「どうにか、もうワンステップ、手間を減らせないか」「ラクにできないか」を考えると仕事の効率もアップします。
「ラクをする」ということを悪いことのように捉える人もいるのですが、ラクにできるやり方ほど、継続しやすいのですから、「ラクをする」ということは決して悪いことではなく、むしろいいことです。
ただ、「めんどくさいから手を抜く」とは違います。
基準を守りつつ、「もっと、ラクにできないかな?」と考えるのがベストです。
会社の部下や後輩には「手間を惜しむな」「ラクをするな」と叱るべきではなく、社員のモチベーションが低いのであれば、もしかしたらムダなことをさせているのではないかと考えてみた方がいいでしょう。
どんなことでも、効率化できれば業績や成果は上がっていくはずです。
【起きてすぐの時間を使う】
では「いつやればいいか」ですが、習慣を身につけるためには、その行動を行うのに適した時間があります。
それはいつかというと「朝起きてすぐの時間」が最も適しています。
ここで注目したいのは、コルチゾールです。
ストレスホルモンとも呼ばれているコルチゾールに対しては良くないイメージを持つ人も多いかも知れませんが、悪者扱いばかりするべきではありません。
ストレスを感じたときに分泌され、交感神経を刺激するコルチゾールは、人類の進化の過程では、自分の生命を脅かす思わぬ敵に出会ったときなどに、分泌されるように私たちの本能にプログラムされたホルモンです。
例えば、目の前に突然、トラが現れたとすれば、コルチゾールの分泌量が一気に増えます。
それによって体のなかで膨大なエネルギーを作り出し、持てる限りの力を発揮して、そこから逃げます。
コルチゾールの濃度が高まっているときは、脳は覚醒状態に向かい、目の前のことに最大限、適用しようとします。
その状態になっているときに新しい取り組みをすれば、集中でき、身につきやすくなるので、それを利用するわけです。
コルチゾールの分泌量は状況に応じて変動していきますが、起床する前後に一度、分泌量が跳ね上がります。
エネルギーを出して目を覚まさせるためです。
そこが、覚醒した状態で習慣に適応する効果を狙う、狙い目になるというわけです。
私のブログ作成も「朝」を軸にして作成しております。朝は脳が「スッキリ」していて、雑念が少なく、作業もスムーズにいきます。
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【スモールステップとビッグエリア】
スモールステップとは、ある行動を習慣化にしていくためには、そのためのステップを小刻みにすべきという考え方です。
例えば、ダイエットをして「5キロ落とす」という目標があるとします。
ただ「5キロ落とす」ということだけを目標にしてそれに向かって頑張るのはおすすめしません。
「体重を5キロ落とすためにどうすればいいか」を考え、具体的な細かい行動に落とし込んでいくのです。
仮に、食事制限ではなく、「運動で5キロ落とす」という目標を立てた場合で考えて見ましょう。
その場合、かなり厳しいプログラムの運動を2ヶ月ほど続ける必要があると思います。
ですから、そのプログラムをいきなり始めても、習慣になる前に挫折してしまう確率が高くなります。
私も何度も「目標」を設定しては挫折していますが、まさにこれです!始めに張り切りすぎて無理をして、続かない・・・
どうすればいいか・・・
まずは、無理なくできそうな簡単な運動から始めることです。
いくつか思いついたら、その中でも一番簡単で、習慣化しやすいものから始めるといいです。
目標現実に向けての過程を出来るだけ簡単なものから、ステップバイステップで分けていくのがポイントになります。
「分解」するだけ分解して、「チェックリスト」を作って、リストでクリアできたものからチェックしていけば、目標達成に向けて自分が今どこの段階にいるかわかります。
これがスモールステップです。
上記の内容で始めるなら「玄関に行ったらスクワット1回」みたいな簡単な(簡単すぎますよね)設定をして、クリアしたら、2回、3回。もう少しできそうなら、違う運動。例えば机に手をついて体を斜めにして腕立て1回、2回・・・のように達成できそうなことから始めてください。
小さく目標を設定するのには、「自分がちゃんと前に進んでいる」という感覚が大事になります。
「私は、自分はちゃんとできるんだ」と実感してください。
スモールステップには注意点が1つあります。
それはあまりにも細かく分解しすぎて進み方がゆっくりになってしまい、最終的な目標を見失ってしまう可能性があることです。
その対策に必要になるのが「ビックエリア」です。
これは、3日に1回、週に1回などというように、定期的に「そもそも自分は何を目指してこのステップをクリアしているのか」を見直すことです。
ダイエットでも、語学を学ぼうでもなんでもそうですが、「その習慣を身につけよとしている先に、本当の大きな目標がある」と自分で意識しておくことが意味を持ちます。
ダイエットの習慣を身につけようとしているなら、その先には「モテたい」とか「健康になりたい」という本当の目標があり、語学を学びたいなら、「外国人の友達が欲しい」や「英語を使った仕事をしたい」という目標が、最終的な目標になります。
人がよい習慣や行動を行おうとするとき、おおよそですが「経済(お金)」、「社会的繋がり(人間関係や恋愛)」、「健康」というビック3のどれかを最終的な目標にしている場合が多いものです。
こうした目標を定期的に確認することで、自分は何のために習慣づくりをしようと考えているのか見直すことが、達成までのモチベーションを保つのに役立つでしょう。
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