Webカメラなどを使って、「仕事ができる人」の表情なども分析した調査があります。
録画した動画をAIで感情分析し、怒り、軽蔑、嫌悪感、恐怖、喜び、驚き、中立、悲しみ、の8項目で分類しました。
「仕事ができる人」は「喜び」の指標が高く、笑顔である確率が一般社員より1.4倍も多かったのです。
一般社員を含めた追加調査で判明したのは、女性は素の顔が笑顔である人が47%、一方男性は25%しかいませんでした。
40歳以上の男性に限ると笑顔を見せるのは20代男性の3分の1以下、全年齢女性の4分の1以下でした。
【仕事ができる人が気にする最初の5秒の印象】
彼らは人たらしです。
目的を達成するために、どんどん人を巻き込んでいきます。
笑顔になると、人に与える印象が良くなることは、誰でもわかるでしょう。
ある流通企業に勤める「仕事ができる人」は、「笑顔で過ごしていないと損することがある」と答えてくれました。
集中して仕事をしているときは、思わず眉間にシワが寄ったり、ロ角が下がって不機嫌そうに見えたり、肩に力が入って猫背になったりする傾向にあります。
そのときの表情は、自分が思っている以上に寄せ付けない雰囲気になってしまいます。
単に集中しているだけなのに、「あの人には声をかけづらい」「あの人は気難しそうで一緒に仕事するのは避けたい」「あの先輩は気軽に質問しづらい」と思われてしまって、チームで協力関係を作っていく上で障壁になります。
この「仕事ができる人」は「笑顔はこの人と一緒に仕事をしたいと思ってもらうための重要なツールなのです」と印象的な言葉を残してくれました。
また別の調査でわかったことですが、人が初めての人と仕事をするとき、会ってすぐの5秒で信頼できる人かどうか判定するそうです。
この5秒でうまく関係が構築できるかどうかが決まるので、笑顔の多い「仕事ができる人」はそうでない社員より仲間を増やしやすいのです。
【笑顔は伝わる】
「仕事ができる人」は、第一印象をとても大切にします。
なぜなら、仕事でチャンスを掴むためには第一印象がいかに大切であるかを理解しているからです。
「仕事ができる人」のようにコミュニケーション能力を伸ばすには時間がかかるかもしれません。
しかし、笑顔を心がけることはすぐにでも始められます。
笑顔で仕事に臨み、良い印象を持ってもらうことで仕事がスムーズに進められることが実感できます。
1人が笑顔になればつられて周りも笑顔になります。
会議の冒頭2分でくだらない雑談をすると、笑顔の人が増え、結果として心理的安全性が確保されて、会議で出されるアイデアが増えます。
だからといって、相手を笑わせようとする必要はありません。
それよりも「自分が笑顔でいること」が大切です。
自分が笑顔になれば、それが伝播して相手も笑顔になります。
例えば、営業担当が顧客と商談する時に、「売りたい」という自分の気持ちと、相手側の「そう簡単には買わない」という気持ちがぶつかり合ってしまうと、張り詰めた空気になり、商談が進みません。
こういった商談でも冒頭で雑談を入れながら自分が笑うように努めると、相手は「では、今から本音で話しましょうか」という空気になります。
小売業のクライアント企業でトップの成績を残すセールス担当にヒアリングしたところ、「雑談力を鍛えている」と話してくれました。
顧客との距離感を縮めるために、ジャーナリストの池上彰さんが話すような雑学や豆知識をメモにとり、顧客訪問の冒頭で使うそうです。
「こういった仕事とは関係ないちょっとした話をすることで、相手は心の扉を開いてくれるのですよ」と満面の笑みで語ってくれたそうです。
そして、笑顔になると自分自身も肩の力が抜けると言ってました。
「笑顔」は大切ですよね。「クールでかっこよく」はドラマの中だけです。仕事は組織・チームで行うもので、雰囲気がいいと成績も上がります。「笑顔」を作って、雰囲気・空気を自分から作ってしまいましょう。
↓ 参考書籍
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