「知的謙遜」とは自分の持っている知識、情報の範囲を把握し、「何を知らいないか?」を正しく理解しようとする態度の事です。
私的な謙虚さがある人は、自分の犯してしまった失敗から改善点を学ぶことができます。
また第三者からの指摘を受け止め、今の自分に何が足りていないかを観察することもできます。
反対に「知的謙遜」のできない人は、良いことが起きたときは自分のおかげ、悪いことが起きたときは周りのせい、考えてしまいがちになります(たくさんの人がそうな気がします・・・)。
人間は誰しも自分の事がかわいく、大好きなので、ミスや失敗を他人のせいにして忘れようとします。
海外の「知的謙遜」のレベルを調べる研究で、知的謙遜レベルが高い人は
・自分との意見が異なる相手でも、簡単に批判しない。
・データやファクトを精査するのがうまい。
この結果から「知的謙遜が強い人には固い信念をもっているが、その一方で自分が間違いを犯すことに気づいており、問題の大小にかかわらず、どうして誤ったのかを知ろうとする意志を持っている」と指摘したうえで「この態度は意識して伸ばすことができると考える」。
ミスや失敗をすることは、誰にでもある事、そこから次に同じようなミスや失敗をしない事、繰り返さない事を考える。
自分の知識の限界を知り、わからない事は情報収集したり、他に聞いたり、恥ずかしがらずに教えを乞う。
「間違いは起こるものだ」「自分の知識は限られている」ということを冷静かつオープンに受け入れられることです。
「 私なんかは年齢や性別、職業、職種に関係なく、わかない事、知りたい事は質問しまくります。そこから、「今」の仕事に役に立たないかな?って考えたりします・・・が、まだまだなんですけどね。
自分の限界を知っている人は、その分だけ思い込みに惑わされにくく、異なる意見に対して寛容で、事実に基づいた判断をくだせます。
知的謙遜を育むために役立つのは、思い込みをチェックする自問自答を行うという方法がいいそうです。次のような質問を自問自答してください。
※目的※
・「私は今、何を達成しようとしているか?」
・「自分にとっての一番は何か?」
・「私は自分の目的をわかりやすく明確に説明できるか?」
・「目的は現実的なものだろうか?」
※前提※
・「自分が当然のように思っていることはないか?」
・「どのような前提があって、自分はこの結論にたどり着いたのだろうか?」
・「その前提条件によって、異聞(いぶん)への視野が狭まっていないだろうか?」
※視点※
・「私はこの問題をどの視点から見ているのだろうか?」
・「ほかに検討するべき視点はあるだろうか?」
・「自分はどの視点から物事を見るかについて、公平に検討できているだろうか?」
自分が知らないことを知ることと進んで認めることは、新しい知識への第一歩です。また「自分の考えには自信を持つべき・貫くべき」と考える人は、考えを変えることを恐れるかもしれません。自分の認知能力を過大評価するのでななく、謙虚に学ぶことが大切になります。
様々な角度から自分に質問をぶつけ、深く考えながら答えを出していくことによって、知的謙遜はゆっくりと確実に身についていきます。
その結果、目の前の問題を客観性とともに見直し、深く理解できるようになります。
↓ 参考書籍
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