睡眠は人生のすべてを左右する

健康 ・睡眠・美容


【睡眠が脳と身体をつくり変える】


まずは「睡眠の価値」について知ることから始めましょう。

少々意外かもしれないが、これ以上に大切なテーマはないと思います。

十分な睡眠をとるということを軽んじている人は多い。

そういう人は、睡眠によって何が得られるかをきちんと理解していない。

良質な睡眠をとることのメリットを知れば、誰もがそれを得ようと自ら行動を起こしたくなるはずです。

それでは本題に入ろう。

睡眠とはいったい何なのか?

なぜ睡眠は大切なのか?

「睡眠」を定義するのは、「人生」を定義するようなものだ。

完璧に理解している人は誰もいない。

説明しようとしても、高名な学者のような説明にはならない。

「人生はチョコレートの箱みたいなもの」の台詞で有名なフォレスト・ガンプのように、「睡眠は死んだフリをしているみたいなもの」といった説明になってしまう。

オンラインの無料辞書サイトで「sleep」の定義を見ると、「頭と身体が自然に断続的な休息をする状態。その状態にあるときは一般に目を閉じていることが多く、意識を完全または部分的に失っているため、身体の動きや外的な刺激に対する反応が低下する」とある。

少し違和感を覚える説明だが、ここで注目すべきは、「頭と身体が自然に断続的な休息をする状態」という部分だ。

これをしない状態は、不自然な状態ということになる。

誰だって、不自然な状態にはなりたくない。

定義の次は、睡眠がもたらすメリットについて知ってもらいたい。

こちらのほうが重要だ。

一般に、私たちの体内では、目覚めているときに異化作用(外から摂取した物質を体内で分解する過程)が起こり、眠っているときに同化作用(外から摂取した物質を合成する過程)が起こる

睡眠時は同化作用が活発になると言われ、免疫力、骨、筋肉の成長や再生が促される。

つまり、眠ることで身体が再生され、若さが保てるのだ。

良質な睡眠をとると免疫系が強化され、ホルモンバランスが安定し、新陳代謝が促進される。

身体のエネルギーが増加し、脳の働きも改善される。

睡眠を適切にとらない限り、自らが求める肉体や人生を手にすることはできない。

絶対に不可能だ。

私たちが暮らす社会では、睡眠はまったくと言っていいほど尊重されていない。

それどころか、「成功するためには睡眠時間を削ってより多く働かないといけない」「死んでから好きなだけ眠ればいい」といった考え方が刷り込まれる。

尊重されていないという表現では、はっきり言って生ぬるい。

たゆまぬ努力が成功の大部分を占めることは言うまでもないが、賢く努力することだって同じくらい重要だ。

それなのに、休むことなく働き続ける人が世界中にたくさんいる。

そういう人は、朝から晩まで仕事漬けの日々を送りながらも、仕事の質が大幅に落ちてることに気づいていない。

調査によると、24時間一睡もしない状態が続いた直後は、脳に送られるグルコースの量が全体で6パーセント減るという。

佐藤さん

グルコースとは、「ブドウ糖」のことです。グルコースは動物、植物いずれにおいてもエネルギー代謝の中心に位置する重要な物質です。


つまりそれだけバカになるということだ。

寝不足のときにキャンディやドーナツなどの甘いもの、スナック菓子といったでんぷん質を食べたくなる原因もこれにある。

脳内からグルコースが減少すると、身体はできるだけ早く脳にグルコースを送ろうとする。

生き延びるためにそうするのだ。

このメカニズムは、遺伝子を通じて受け継がれてきた。

狩猟採集時代に生きた私たちの先祖にとって、脳の働きが鈍ることは、捕食者の攻撃による死や、必要な食料を確保するための狩りや採集といった能力の著しい低下を意味したからだ。

現代では、冷蔵庫のところへ行くだけで、寝不足の身体の訴えを鎮めることはできるが、グルコースの減少といった現象によってストレスが生じるメカニズムはいまなお健在だ。

私にもあなたの身体にも、しっかりと組み込まれている。


【睡眠不足がミスを生む科学的な理由】

睡眠不足になるとグルコースが減少すると言ったが、実は、グルコースの減少は均等ではない。

これが重要なポイントだ。

睡眠不足になると、頭頂葉と前頭前皮質のグルコースは実質12~14パーセント失われる。

頭頂葉と前頭前皮質は、考えるとき、複数の考えを区別するとき、人前に出たとき、善悪の判断をつけるときにいちばん必要となる脳の領域だ。

夜更かしした翌日に、ちゃんと頭が働いていれば絶対にしなかったようなまずい判断をした経験はないだろうか?

誰にでもあるはずだ。

そういう失敗の責任は、一概に自分にあるとは言えない。

なにしろ、いつもより鈍いバージョンの自分自身に、脳をのっとられていたのだ。

睡眠不足の状態になると、無意識のうちに意志と生態のデスマッチが始まる。

寝不足であっても、身体にいいモノを食べよう、運動する量を増やそう、はたまた、人間関係を改善しようと心に決めているかもしれない。

しかし、脳はこれまでの経験から、ポテトチップスや砂糖をまぶしたコーンフレーク、アイスクリームなどがグルコースの源になるとしている。

だから、前頭前皮質の機能が衰え始めると、そういった食べ物を取れば足りない部位にグルコースを補給できると気づく。

そうなれば、意志は脳に羽交い締めにされ、食べ物を探す指令が全身に送られる。

そうして気づいた時には、チーズ味のスナック菓子の袋をまさぐり、指がチーズ味になっている・・・

あるいは、空になったアイスクリームの容器が目の前にある・・・

なぜこんなことになったのか動揺し、敗北感に打ちひしがれ、自分を責める。

だが、そもそも過ちを犯す状態に自分がなっていたことには気づいていない。

疲れているときのあなたは、本当のあなたではない。

少なくとも、最高の状態のあなたではない。

睡眠が不足すると、自動的にあなたに不利な状況が生まれてしまう。

とはいえ、賢い眠り方を身につければ、自分に有利な状態を保ち、健全な選択を自動的に行えるようになる。

まずは、睡眠不足の脳があなたの人生を与えている影響について知っておかなければならない。

佐藤さん

もしかしたら、「睡眠不足」が間食を誘発させているのかもしれませんね。「睡眠不足」→「間食」→「肥満」という感じに、生活習慣は「睡眠」から改善していくのが適切かもしれません。

睡眠にいい生活習慣

朝の目ざめがいいと、その日一日が決まってしまいます。「よし!朝だ」というのと、「もう朝か・・・」というのでは、スタートダッシュから違いますから。

↓ 参考書籍

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