【喫煙者は、喫煙したときしか集中できない】
生活習慣に最も重要な「睡眠」「運動」「朝散歩」「食事」、私のブログ内でも結構推してきました。
今回は「タバコ」についてお伝えします。
タバコは最も健康に悪い。
知らない人はいないと思いますが、喫煙がどのぐらい健康に悪いのか・・・
喉頭がんで5.5倍、肺がんで4.8倍、全がんリスク1.5倍になります。
男性の場合、すべてのがんの死亡の約3割は喫煙による影響と考えられています。
喫煙は、「がん」の最大の原因ともいえます。
大まかにまとめると、タバコを吸わない場合に比べると、約10年寿命が短くなります。
喫煙者の半数は15年、4分の1の人は25年、本来の寿命よりも早く亡くなっています。
日本では、喫煙が原因で年間12~13万人が死亡し、受動喫煙が原因で1.5万人が死亡しています。
タバコは「身体」に悪いということは、知っている人は多いと思いますが、タバコは「メンタル」にも極めて悪いのです。
喫煙者は、うつ病リスクが3倍、認知症リスクが1.4~1.7倍、睡眠障害が4~5倍、自殺リスクが1.3~2倍にも高めるのです。
日本人の喫煙率は、男性で29%、女性で8.1%(平成30年、厚生労働省調べ)だそうです。
「タバコを吸うと集中力が高まる」「ストレス発散になる」といいますが、これは完全に間違いです。
喫煙者はニコチン依存症になっているので、普段から集中力が大幅に低下しています。
タバコを吸うことによって、それがようやく正常レベルにまで戻るのです。
本人は、それを「集中力が上がった」「イライラが取り除かれ、ストレスが解消した」と勘違いしているだけなのです。
喫煙者は、喫煙したときだけ、非喫煙者とと同程度の脳波、すなわち覚醒度(集中力)に戻ります。
しかし、10~15分程度で脳の働きは再び低下し、30~40分するとニコチン欠乏となり、タバコが吸いたくなるとともに、覚醒度や集中力も下がり、イライラも出現します。
こうした状態では、交通事故や仕事上のミスが引き起こされます。
喫煙者は、1日の大部分をパフォーマンスがものすごく低い状態で仕事をしているのです。
【タバコの害を帳消しにする方法】
「10年、20年と喫煙しているので、今さら禁煙しても手遅れ」と思う人も多いかもしれませんが、それは完全に間違いです。
肺がんのリスクでいうと、5年の禁煙で約半分、10年の禁煙で喫煙しない人とほぼ同程度の発病リスクまで下がります。
さらに、脳素中、心筋梗塞の場合、わずか5年の禁煙で、喫煙しない人と同程度に下がります。
禁煙によって進行した動脈硬化も、2年の禁煙でかなり改善するといいます。
大まかにいうと、今から10年禁煙すると、今までタバコの健康へのマイナス効果を帳消しにできるということです。
禁煙に手遅れはないのです。
なぜ、禁煙は難しいのか。
それは、「ニコチン依存症」だからです。
つまり、「アルコール依存症」や「薬物依存症」と同じで、「吸いたい!」という猛烈な欲求は、「脳からの指令」なわけで、それを振り払い、我慢するというのは、並大抵のことではできません。
「タバコは生活の一部」という心理依存と「吸わないとイライラする」という身体的依存の2つが揃って依存症となるのです。
【禁煙を成功させる方法】
(1)禁煙補助薬を使う。
禁煙補助薬を使うことで、「身体的依存」をかなり軽減することができます。
禁煙補助薬には、ニコチンガム、ニコチンパッチ、経口薬(チャンピックス)の3種類があります。
↓ ちなみに私はこれを使ったことがあります。
ニコチンガム、ニコチンパッチは薬局でも買えます。
ニコチンガムは噛んでいる間に一時的にニコチンを補充するものですが、ニコチンパッチは経皮的に均等にニコチンが吸収されますので、禁断症状を抑える効果が非常に高いです。
禁煙補助薬を利用すると、自力の禁煙に比べて禁煙成功率が3~4倍に高まります。
(2)禁煙外来に通う。
禁煙外来で処方されるチャンピックスは、禁断症状を軽減するとともに、タバコを吸いたいという気持ちを抑える効果もあります。
チャンピックスは、ニコチンパッチよりも禁煙成功率が1.5倍に高まるという報告があります。
禁煙外来の効果についての研究によると、約8割が治療終了時点で4週間の禁煙に成功し、約5割が治療終了後9か月継続禁煙に成功しています。
タバコは依存症です。
迷わず、補助薬や専門家の力を借りましょう。
↓ 参考書籍
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