よりよく生きるとは、うるおいのある人生を過ごすことだ。
カサついた気持ちで、いくら長生きしたって、つらいだけ。
面白くもおかしくもない。
今、巷では勝ち組、負け組論議が盛んだが、物指しが曲尺ならぬ「カネ尺」だから、どこかカサついた感を免れない。
勝ち組はうなるほどお金をもっているが、あまりに現実離れしていて羨望する気にもなれない。
「ご勝手にどうぞ」の世界である。
男の理想はそんなところにはない。
男の理想は、よき妻がいて、温かい家庭があって、なおかつ家庭を破壊しないような恋愛相手のいることだ。
それでときどき好きな趣味に打ち込めて、仕事がそこそこうまくいっていれば、もう何もいうことはない。
中でも人生のうるおいに関わるのは恋愛である。
恋愛は人生のスパイスとして欠かせない。
人間は誰かを愛し、誰かから愛されていないと、本当の意味での心の幸せは得られない。
まず恋愛と結婚の関係について整理しておきたい。
というのは、恋愛というのは結婚するしないにかかわらず、一生ついてまわる感情だからだ。
現代では恋愛と結婚は切っても切れない仲にある。
戦前は見合いという結婚の形式があったが、戦後は恋愛結婚が主流になった。
適齢期を迎えた男女は、それぞれ自分が好きになった相手と結婚するのが理想という考えが広まった結果だ。
ただ、最近は職場での恋愛結婚は少なくなってきている。
だが、どちらにしても、私は以前からこの恋愛から結婚へという風潮に疑問を感じていた。
恋愛の延長線で結婚すると、失敗することが多いからだ。
実際に恋愛結婚が増えてから、離婚もウナギ上りに増えた。
それを象徴したのが「成田離婚」という言葉である(今ではもう聞かないが・・・)。
お互いが好き合って結婚に至り、めでたく結婚式を挙げて成田から新婚旅行に飛び立っていく。
一週間後、十日後に成田に帰ってきたときは、もう別れ話が決まっている。
これは無理もないのである。
恋愛というのは、お互いの緊張関係でもっているところがあるが、結婚するとそれが一挙に緩んで、お互いに本性が出てくる。
「そんな人とは思わなかった」。
二人とも同じ感情をもって「じゃあ、別れましょう」になるのである。
私は恋愛と結婚は別に考えたほうがいいと思う。
結婚相手は一緒にいて安心できる人、心休まる人がいい。
恋愛と違って駆け引きをしなくてすむからだ。
加えて料理が上手で、家庭をしっかり支えてくれればいうことなしだ。
だが、一方で駆け引きに明け暮れるような異性の相手もほしいと思う。
お互いに恋愛感情をもって接しながら、それぞれの家庭領域には踏み込まない。
そういう大人の関係を継続できる恋人の存在も人生には欠かせない。
しかし、この問題が難しいのは、男の私はそう望むが、同じ権利を自分の妻が行使するのを容易に是認できないという矛盾を孕んでいることだ。
女性の側から見れば、ずいぶん勝手な男の言い分に思われるだろうが、そうなのだから仕方がない。
ただ、世の中よくしたもので、夫が外で自分以外の女と恋愛をしていても、妻の座さえ脅かされなければ目をつぶる女性もいる。
同時に妻子ある男性と恋愛ゲームを楽しもうとする女性も存在する。
だが、結婚しながら恋愛も続行しようと思う男性は、妻選びにも恋人選びにも失敗しない鑑識眼を養う必要がある。
そのためには若いときから、観察眼を磨くつもりで女性とつきあい、修羅場を潜り抜ける経験なども積んで、対女性のノウハウを身につける必要がある。
私の経験からいえば、男は口の固いのが一番である。
不倫関係にある女性に、家庭や妻のことをペラペラしゃべらない。
お互いに相手のプライバシーに踏み込まないのがいい関係といえる。
また男同士であれ、決して女性関係の秘密は漏らしてはならない。
それを守れば、かなりレベルの高い豊かな異性関係を築けるはずだ。
う~ん、「不倫」や「浮気」を推奨している内容ではないとは思いますが、私個人としては複数人と付き合うことはおすすめしませんね・・・「モテる」という観点では「口が固い」のはいいかもしれませんが・・・まぁ、たくさんの異性と恋愛して「自分に合う人」を見極めるのは大事だと思います。
コメント