【ボディランゲージの秘密】 手の動きで読み解く心理と感情

心理・思考・時間

【あなたも絶対やっている、イエス・ノーがわかる手のしぐさ】 

会話の最中に、相手の反応が気になるときは手の動きにも注目してみましょう。

表情や言薬には出ない本音が表われていることが、よくあります。

この手の動きを象徴的に使っていたのが、刑事ドラマの『刑事コロンボ』や「古畑任三郎』。

どちらの主役も、犯人の話に反論するときは、必ず「ちょっと待ってください」と言って、額の真ん中を人さし指で押さえます。

実は、額の真ん中に手をやるのは「納得できない」というしぐさなのです。

また、「いいですよ」などと言って、手のひらを相手に向けるしぐさも見せます。

これは「手の内を見せる」という言葉に通じ、あなたの話を聞きますよ、という肯定のサインなのです。

このように、手の動きで相手のイエス、ノーを見抜くことができます。

まずはイエス、つまり話を受け入れようとするしぐさから見ていきましょう。

・手のひらを見せたり、手を広げて机の上に闘く → 心理的にリラックスしている状態であり、相手の話をよく聞いています。

・あごをさする → 相手の話に同意したり、感心したりするときのポーズ

・ニ人の間にある灰皿や書類などを片づける → 障害物を取り除く行為で、親しみを示し、自分のテリトリーを開放したことになります。

逆にノーを示すしぐさには、次のようなものがあります。

・体の前で握りこぶしを作る → 拒絶のサイン。怒っていたり、不愉快に思っていたりします。

・両手をももの上に置き、肘をはる → 話を聞きたくないときに出るしぐさ。

・机の上の物をさかんにいじったり、置き直したりする → 自分のテリトリー内への侵入を拒む行為で、関わらないでほしいという意識が働いています。

・指やペンで、小刻みに机の上をトントン叩く → 無意識に話を妨害している行為で、話を早く切り上げて欲しいサイン。

・鼻の下に手をあてる、鼻のこわきをこする → 相手や相手の話を疑っています。

・指で額の真ん中を押す → 承諾できないときのしぐさ。商談や依頼をどうやって断ろうかと考えていたりします。

【手をポケットに入れるのは、隠したいことがあるから?】 

言いたいことがあるのに言えなかったり、故意に言わなかったりするとき、人はつい手のひらで口をふさいだり、人さし指を上唇にあてたり、手を口のそばに持っていったりします。

これらは、隠し事を追及されたときにも出やすいしぐさです。

本音が出てしまわないようにと、無意識に手を口に持っていってしまうのです。

また、相手の手の動きが少なくなったり、手をポケットに入れたり、物をいじるたばどの動作が増えたりしたら、その人はウソをついているかもしれません。

ウソをつている緊張で手が震えたりするのを、無意識に隠そうとするからです。

一方、もし相手がうつむき加減で額に手をやったら、言いにくいことを告げようとしているサイン。

こちらにとって悪い話だったり、不愉快な話であるため切り出せず、このようなしぐさになるのです。

ちなみに、状況に関係なくこのようなしぐとをする人は、気配りのできる心優しい人。

ただし、気が弱い面かあることも否めません。

【大人も子供もリラックスできる「手」の不思請な効果】 

小説家・横溝正史が生み出した名探偵・金田一耕助の活躍は、テレビドラマや映画にもなっています。

ですから、推理に詰まって頭をかきむしる金田一探偵の姿を、見たことのある人も多いでしょう。

この「頭をかく」という行為は、心理学では不安や緊張、心の葛藤、不満などの表出行動とされています。

手で自分の顔や体、髪の毛を触ったりするしぐさも、同じ心理を表わす行動です。

このように、自分の手で自分の体に触る行為を「自己親密行動」といいます。

小さい頃を思い出すと、わかりやすいでしょう。

子供のとき不安になったり寂しくなったりして泣きだしたとき、お母さんやお父さん、あるいは周りの大人に「よしよし」と頭をなでてもらった経験はありませんか。

子供はそれで心が落ち着くものですが、自分で自分の体に触るのはそれと同じ。

不安を紛らしたり、気持ちを落ち着かせようとしたりする行為なのです。

話している相手が不自然に体や髪に触っていたら、緊張しているか、あるいは不満を持っていると考えられます。

話題を変えたり、相手に話すチャンスを与えたり、相手がリラックスできるような姿勢をとったりするといいでしょう。

また、終始自分の顔や髪、体に触っているような、普段から自己親密行動が目立って多い人は、常に心に不安を抱いていると推察できます。

だからといって、軽々しく救いの手を差し伸べるのは考えもの。

自己親密行動の根底には、幼児期に親にやってもらったよしよしをしてほしいという思いがあります。

自己親密行動が多い人は大抵甘えん坊で、依存心が強く、手を差し伸べられればパッと飛びついて、何でもかんでも頼ってくる傾向があるのです。

本人の自立のためにも、安易に「よしよし」はしない方がいいでしょう。

【なぜ女性は、髪をくるくる指に巻きつける?】 

自己親密行動には先に述べたようにいろいろなしぐさがありますが、大学生を対象に行なった調査では、「髪の毛を触ったり、引っ張ったりする」と答えた人が一番多くいました。

実は、髪の毛を「触る」のと「引っ張る」のでは、少し意味が違ってきます。

髪の毛を引っ張るのは自分に対する攻撃行動で、その深層心理は、自分や自分の行動を打定的にとらえることができず、「もっと頑張らなくちゃ」と自分自身に罰を与えていると考えられます。

特に注意したいのが、髪を引き抜く行為。

これは自己親密行動ではなく、自傷行為です。

強いフラストレーションやいらつきが原因と考えられます。

爪をひどく噛んだり、指を傷つけるまで噛んだりする行動も同じです。

神経症の人にもこうした行動か見られ、自傷行為のある人は心の病に近い精神状態になっている可能性があります。

もしも自分に自傷行動が見られたり、あるいは周囲にそういう人がいたら、早めに専門機関で相談や診療を受けることをおすすめします。

ちなみに、女性の中には会話の最中でも髪を指に巻きつけたり、なでたりする人かいます。

こういう人は自己中心的で、甘えん坊タイプ。

もし身近にこういうタイプの女性がいたら、より慎重に接した方が身のためでしょう。

【手の位置だけで相手の「退屈度」を見抜く方法】

頬杖にも腕組みと同じように二通りの意味があり一つは退屈を表わし、もうひとつは自己親密行動を表わします。

頬杖をつくことが普段から多い人は、日々の暮らしをつまらないと感じ、満たされない思いを抱いていると考えられます。

日本では人前で頬杖をつくのは不作法とされているので、一人でいるときにつく頬杖こそ、まさに素の自分をさらけ出しているといえるでしょう。

毎日がいきいきと充実している人に、こうしたしぐさはあまり見られません。

もしも会話の相手が頬杖をついたら、話に熱中していない、あるいは退屈しているというサイン。

あなたの話に飽きて、自分が話したくなったのかもしれません。

こんなときは自分の話は切り上げて、相手に話をさせてあげると頼杖は解消されるはず。

これとは別に、不安な面持ちでぼんやり頬杖をついていたら、自己親密行動の一つとと考えましょう。

不安なことや心配事があるため、自分の頬を触ることで、自分を安心させているのです。

もっといえば、「誰かに支えてほしい」という思いの表われともとれます。

こうしぐさを見せた相手を励ましたり、救いの手を差し伸べたりすれば、「頼りになる人」と評価が上がりそうです。

【こんなわかりやすい”退屈サイン“を出す人は要注意】 

頭の後ろで手を組むポーズも退屈のサイン。

会話中、この姿勢で上半身をそらし、体を揺らしていたら、相当話に飽きています。

男性に多いしぐさですが、このような姿勢を平気でとる人は、大人になりきれていないところがあります。

話し相手を軽く見ていると考えて、間違いないでしょう。

また、相手があなたを見下している、あるいはよく思っていないとき、腰に手をあてて上半身をそらしたり、逆に背を丸めて見下ろすような姿勢をとったりすることがあります。

こんな人とのつき合いには、十分に気をつけた方がよさそうです。

しかし手を後ろに組む姿勢でも、椅子の後ろに手を回して組むとなると、違った意味合いになります。

これも退屈のポーズではありますが、椅子の後ろに手を組むと自然に背筋が伸びます。

つまり、気持ちを切り替えて、もう一度相手に向き直ろうという意志の表われです。

会話の相手がこのような姿勢をとったら、まだ話を続ける気はあるので、場所を変えるなどして仕切り直しましょう。

一般的に、手のひらをこちらに向けて話す人は、心を開いてくれています。

フレンドリーで話が好きで、誰とでも仲良くなれる人です。

ただ、感情のコントロールはやや苦手。

思っていることがストレートに言葉や行動に出てしまったり、自分の話が受け入れられないと気分を害したりして、ケンカも多くなりがちです。

それでも、威圧的な態度をとる人や、子供っぽい人よりはずっとつき合いやすいでしょう。

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