ちまたいま巷では断捨離やミニマリズムがはやっていますが、人によって減らすべきものは当然、違います。
ただ、科学的見地から、すべての人が減らしたほうがいいものがあります。
減らすことで人生にいちばん大きな変化が起こるのが「超常刺激」です。
現代人の脳は、狩猟採集民だったころとたいして変わっていません。
にもかかわらず、急速に文明を発展させてきたことにより、人間の脳が対処できない刺激が多く生まれたといわれています。
それが「超常刺激」で、現代は、超常刺激にさらされすぎているため、脳が必要以上に興奮し、休まるタイミングがなくなって、うつになったりメンタルが落ち込んだりするのではないかと考えられています。
しかし、こうした刺激をすべてなくすことは難しいので、自分でコントロールできるところから減らしていくことが重要です。
まず、代表的な超常刺激を5つ紹介しましょう。
ジャンクフード
ハーバード大学のディードリ・バレット教授は、その著『加速する肥満』(小野木明恵訳、NTT出版)のなかで、人間は超常刺激によって脳やメンタルが壊れ、太ったり不健康になったりするのではないか、と述べています。
その代表的な食品がジャンクフードです。
塩分や脂肪、糖質など、人間が進化の過程においてなかなか摂ることができなかったものを詰め込んだジャンクフードを減らせば、人生は変わるといえます。
ちなみに、ジャンクフードやファーストフードのロゴを見ると、人間は無意識に時間的な焦りを感じ、目の前のことを楽しめなくなって人生の満足度が下がることがわかっています。
ですから、ジャンクフードのロゴを見ないようにするだけでも、人生が変わります。
インターネット
インターネットはあらゆる情報にアクセスできるため、脳はつねに興奮状態になります。
人間の脳は未知への刺激に敏感なので、たとえば、大した用件ではないメッセージの通知音でさえも無性に気になります。
ですから、現代の私たちにはゼロにすることは無理かもしれませんが、時間を決めるなど、上手にコントロールすることが大事です。
人間はコミュニケーションをするように発達してきた生き物ですから、コミュニケーションに関する刺激にはとても敏感で弱いといえます。
人と一緒に遊んでいるときには朝まで起きていられるのに、家で一人で本を読んでいるとすぐに眠くなるのは、コミュニケーションによる刺激を受けないからです。
こうしたコミュニケーションツールとしてSNSやメールなどのネットを使いすぎると、そちらにすべての注意をもっていかれて危険なものになるので、使う時間を決めることをおすすめします。
〇ルノ
イギリスのケンブリッジ大学の研究によると、〇ルノにはまっている人の脳はドラッグ中毒者の脳とほとんど同じような状態に変化していることがわかっています。
超常剌激である〇ルノにより、脳の神経が変わって依存症のようになるということです。
ドーパミンが過剰に分泌されるため、麻薬と同じようにどんどんのめりこんでしまうのでしょう。
ちなみに、ドーパミンは快楽を与える物質と思われていますが、じつは、快楽ではなく「期待」のホルモンです。
ドーパミンが出ると、期待ばかりが生まれ、その先の喜びにはいつまでたってもたどり着きません。
そのため、永遠に求めるようになり、結果的に、その先には絶望しか待っていないということになります。
ブルーライト
パソコンやスマホのブルーライトは自然界にはない刺激で、これが超常刺激となり、睡眠の状態を崩します。
日中にブルーライトを浴びれば、太陽光と同じでモチベーションが上がりますが、夜に浴びると睡眠の質が低下するので、自分でうまくコントロールする必要があります。
テレビ、ゲーム
テレビやゲームも人工的なもので、はまりやすい刺激のため、気をつけたほうがいいといえます。
ある程度、時間を制限するなどしないと急速にはまってしまいます。
では、すでにこれらの超常刺激にはまっている人、中毒になっている人は、どうすればいいのでしょうか。
こうした依存傾向は、結局、セルフコントロール能力の問題です。
自分の意志の力である程度はどうにかなるものですから、セルフコントロール能力を鍛えることが大切です。
セルフコントロール能力をいちばん簡単に鍛えることができて、見た目も変わり、超常刺激の問題をすべて解決することができるのは運動です。
とはいえ、長時間、つらい運動をするのはなかなか続かないので、短時間でできる簡単なものから始めましょう。
運動を続けることで体型も変わって疲れにくくなるうえ、メンタルが強くなったり自尊心が高まったりする効果も期待できます。
寝る前、2時間は運動を避けた方がいいそうなので、気をつけてください。興奮してもっと眠れなくなります。寝る前にスマホやゲームなどを避けて、私個人のおすすめは「読書」です。長い時間、読めませんが眠りを誘ってくれます(笑)。しっかり睡眠をとって明日に備えましょうね。
↓ 参考書籍
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