欲望をいかに封じ込めるか

心理・思考・時間


【昨日の自分をいかに超えるか】

どうしても争わなければならない状況でも、勝ち負けに執着してはならない。

勝って快感を覚えたってしょうがない、争っている暇があったら、実力を磨きなさい。

戦う相手は「昨日の自分」なのだ。

ビジネスマンの多くは、ライバルよりいい結果を出そう、競争に勝ち抜こうとガムシャラに仕事をしていますよね。

でも「老子」は人と争うこと自体が無意味だとしています。

ただし、「争わずに勝つ」とも言ってません。

勝ち負けに執着して情熱を燃やしたり、勝って快感を叫んだりしたところで、何もいいことはないと言っています。

たしかに、争いはエネルギーをかなり消費します。

ほかのことは何も手につかず、頭の中が勝ち負けのことでいっぱいになってしまいます。

しかも、争って勝ったからといって、また新たな争いに巻き込まれるだけで、あまりいいことがありません。

争っている暇があったら、そんなエネルギーと時間があり余っているなら、自分の実力を上げることに集中したらどうだい?

「実力を上げる」とは、言い換えれば、「昨日の自分」と戦うこと。

昨日より今日、今日より明日と実力を上げていく気持ちを持つことが大切です。

佐藤さん
佐藤さん

毎日の積み重ねがとても大切になっていきますよね。はりきって「やるぞ!」と頑張りすぎて続かない、ってなことにならないように、無理せずコツコツと始めてみてください。

【勝ち目のない戦いをするな】

実力がないのに無理して高望みしても、手ひどいしっぺ返しに遭うだけです。

また、欲にかられると、無理な競争をして心身が疲弊することになる。

無理には無理が返ってくると知って、分不相応の欲は持たないことです。

「無理」という言葉は文字通り、理が無いこと。

自分の実力を客観的に評価せずに、あるいは過信して、自分のレベルよりはるかに高度な知識・技術の求められることに手を出したり、現時点ではまだ足元にも及ばない実力者と張り合ったりする。

それは無理というものです。

そんな高望みをして無理をしていると、決まって無理が返ってきます。

「百年早いよ」とばかりに、大変なしっぺ返しを食らうのです。

なぜ、無理をしてしまうのか。

そのひとつの原因は、この世には欲につけこんで人の心を煽るような情報が溢れ返っていることにあります。

「世の中にはこんなに優秀な人たちがたくさんいて、彼らはみんな贅沢な暮らしをしているんだよ。うらやましいでしょう。あなたも頑張れば、うんと儲かりますよ。有名になれますよ。世の中に認められますよ。周囲がうらやむような贅沢ができますよ。」

こんな風に、欲望を刺激する「仕掛け」が方々にはりめぐらされているのです。

これにうっかり乗せられると、こてんぱんに打ちのめされることになります。

人間の欲望には際限がありませんから、勝ち目のない戦いをするようなもの。

実に無謀なことです。

そのうちお金に目がくらんで、泥棒や詐欺など犯罪に手を染めることにならないとも限りません。

もちろん、高い目標を立てて頑張ることは大切ですが、一気に高望みをするのではなく、自分の実力を考えて段階的に挑んでいくのでなければ、何事もうまくいきません。

しかも、その、目指すところが自分の本当に望んでいるものでなければ、頑張る意味もありません。

しかし、欲が高じると、もっと稼ごうと働きすぎてしまったり、もっとおいしいものを食べたいと食生活が乱れたり、がめつくなりすぎて周囲の人に憎まれたり。

無理には無理が返ってくるのが道理というもので、自分の体や心を優先して考えるべきです。

【本当に欲しいもの以外には目もくれない】

世の中が仕掛けてくる欲望なんかに惑わされず、自分の中身を充実させようとまじめに生きる。

それが立派な人間というものです。

色も音も味も、たくさんあればあるほど、感覚が狂ってしまいます。

何を見ても、何を聞いても、何を食べても、何がいいんだか、悪いんだかわからなくなる。

つまり、感覚的な欲望のままに、うわべの華やかさに惑わされていると、自分を失います。

高価なものを求めたり、贅沢な快楽に身を任せたり、これは人間が陥りやすい「人生の罠」とでも言ううべきもの。

私たちは意識して、何事もその実質を見極めるようにしなければなりません。

自分の必要な色、音、味わいは何なのか自らに問い、それ以外のものには目もくれない、耳も貸さない、味見もしないように努めることが大切です。

買い物ひとつとってもそうで、自分に必要なものがわかっていないと、いろんなものに目移りして、つい不要なものや予算オーバーの高価なものを買ってしまうことがよくあります。

何せよ、世の中が仕掛けてくる欲望なんかに惑わされないことです。

↓ 参考書籍

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