【体内時計にそって生きる】
太陽光を浴びることがよりよい睡眠を促すことは、いろんな書籍でも証明されています。
だがもっと言えば、早起きすることで、夜ぐっすり眠れる身体になれます。
精神科医で心理療法士でもあるトレーシー・マークスも、「早く寝て早く起きれば、体内時計を地球の日周期が同期する。そのほうが、明るいうちに眠ろうろするよりも健康的だ」と述べています。
早起きが湯路の安眠につながるとは何とも皮肉な話に思えるが、この背景には人間の睡眠と覚醒パターンは決まっているという事実があります。
そのパターンが乱れるようになったのは、ここ100年の話でしかありません。
人間がゆるに動きまわると捕食者の餌食になるという危険な時代は、そう遠くない昔のことなのだから無理もない。
忘れている人も多いのかもしれませんが、人間は夜行性の生き物ではありません。
念のため、私たち人間の特徴を少しおさらいしていきましょう。
・人間の視覚は暗闇ではききません、ライオンなどの野生の捕食者たちは、目にたくさんの悍体(かんたい)細胞があり、そのおかげで夜目がききます。
・嗅覚もあまり敏感ではありません、フクロネズミのような夜行性生物は、1.5キロ離れた敵の匂いも嗅ぎ分けます。
・聴覚も暗闇を進めるほどには発達していません、ハイイロキツネなら、数十メートル離れたところで小さな音がしても耳をたてます。
人間の感覚器官は、日中に驚くほど優れた能力を発揮します。
そのおかげで色を鮮明に識別できるほか、五感を上手に組み合わせて自分の周囲を理解できています。
これほど能力は、ほかの生物にはありません。
また、電球の発明によって明るい世界を手に入れたことで、コミュニティの創造、成長、革命が進みました。
しかし、人工光の使用が常態化したせいで、睡眠時間と健康状態がかつてないほど低下しました。
まじめな話、健康でいられないなら、発明に意義はあるのでしょうか?と著者は疑問視しているようです。
とはいえ、もう自然のなかで暮らしていけないし、現代の生活環境は便利で快適です。
しかし、私たちの遺伝子は、自然の近くで生活していた祖先とほとんど変わっていないというのも事実です。
遺伝子の適応に数千年はかかると言われています。
私たちの毎日を成り立たせている体内時計やホルモンサイクルは、その時間帯にもとづいています。
人工光が入り込み、明るい時間帯の長さが変わってしまい、平均的な睡眠の質は大幅に下がってしまいました。
寝る時間や起きる時間が日によって違うのであれば、体内時計もめちゃくちゃです。
寝起きする時間が決まっていないということは、睡眠の質が下がった最大の原因かもしれない。
睡眠時間が不規則だと脳のパターンを見出せないので、慢性的な時差ボケ状態が続いています。
ベストな状態の自分になるために、どのように眠るかに加えていつ眠るかも重要になります。
賢く眠る時間をスケジュールに組み込んでしまうことが、重要であり、その第一歩目が「早起き」をすることから始まります。
私も以前は交代勤務をしていて、休日でも「何となくボーっとする」日がありました。夜勤で仕事をすると、体内時計が狂ってこのような状態になっていたのでしょう。「眠っていない」状態は頭が冴えませんから、余計なものにお金を使ったり、ファーストフードばかり食べたりと生活習慣を乱してしまいます。
【朝型の人の方がパフォーマンスが高い】
2008年にノース・テキサス大学で学生を対象に調査したところ、朝型を自称する学生の方が、成績がかなり高かったことが明らかになりました。
早起きの生徒の成績の平均は3.5点だったのに対し、夜更かしの学生の平均は2.5点だったそうです。
もちろん、早起きだけで成績が優秀になるわけではないですが、その影響力は決して見過ごせないレベルです。
社会心理学に特化した海外の雑誌に「早起きする人のほうが夜更かしする人に比べて、積極性が高く、仕事で成功する確率も高い」という記事が発表されています。
また、早起きをする人のほうが、問題を未然に防いだり、最小限に抑えたりすることもうまいと言います。
変化のスピードが加速する今の時代、そういう能力があると仕事上でかなり有利になります。
だからと言って、早起きする人のほうが何事も優れているわけではありません。
夜更かしを好む人のほうが、朝型の人よりも賢く創造性が高い、ユーモアのセンスが優れている、場合によってはより社交的であるとする研究もあります。
とわいえ、夜更かしをする人は企業の典型的な労働時間が合わず、そのせいで大事なチャンスを逃しやすいという重大な報告もあります。
朝型だろうと夜型だろうと、素晴らしい人生を送ることはできます。
でも、どうせなら、自分の一番有利な状況を作りだし、自分が本心から望む人生を歩めるだけの健康を手にして欲しいです。
それを思うと、正常なホルモンの分泌を促す体内時計を尊重したほうが、健康は大きく増進します。
人間の身体は、日中に起きて、夜になって眠るようにできています。
夜更かしというのは、人間にとって新しい発想であり、そもそも人間は夜行性の生き物ではないのです。
【朝起きたらすぐに水を飲む】
起きてもう一度、ベットに戻りたいことってありますよね。
私も「あの快適な空間に、もう一度・・・」というときが多々あります。
その戻りたい衝動を抑えてやる、やる気のみなぎる一日にするためのアドバイスです。
朝、目が覚めたら五感をフルに使うのです。
ベットから出たら、図瓶の好きな者で感覚器官を刺激しましょう。
コーヒーやお茶を淹れて飲んでもいいです。
香り、味わい、カップを手に持つ感触のすべてが、五感の動きを活発にしてくれます。
著者は、朝起きたら真っ先に、大きなグラスで水を1,2杯飲むことにしているそうです。
眠っているあいだに失われた水分を補給すると同時に、代謝によって生まれた老廃物を一掃し、身体が目覚める刺激を感覚器官に与えてくれるそうです。
お風呂やシャワーにも、心身ともにサッパリする効果があります。
また、好きな音楽をかけたり、カーテンを開けて自然の光を取り込んだりして、より多くの感覚を刺激してもいいです。
感覚を刺激することを行って、一日の始まりに勢いをつけましょう。
早起きをすると、内分泌系が地球の日周期に同期するようになります。
太陽が昇ったら起きることを習慣にしましょう。
始めはつらいかもしれませんが、早起きしてコルチゾールの正常な分泌を促し、夜早く寝てメラトニンの正常な分泌を促せばよいのです。
睡眠について、他の記事にもまとめてありますので、是非、読んで見てください。
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