【恋の始まり】 距離を縮め、愛を育てる方法

心理・思考・時間

相手ともっと「お近づき」になりたい場合、男性はどう行動すべきだろう?

ここで考えられるのが、言葉を介さずに、身体を通じて相手の承諾を求めるという方法だ。

いわば「手探りで近づく」わけだ。

結局のところ恋愛の基本は、少しずつ距離を縮めながら、相手がその距離を心地よく感じているか確かめることなのだ。

アメリカの心理学者ピーター・コレットは、著書『うなずく人ほど、うわの空 しぐさで本音があばかれる』(ソニー・マガジンズ)で「クイックステップ」について説明している。


クイックステップとは、相手にもっと近づいていいかを見定めるための動作だ。

男女が向き合って話しているが、まだお互いに距離があるという状況を考えてみよう。

会話が始まってしばらくたつ頃、女性がしゃべりながら男性に向かって一歩前に踏み出した。

そしてしゃべり終えるとすっともとの位置に戻る。

男性は無意識のうちにこれに気づいて、すぐに反応を返す。

今度は彼のほうがしゃべりながら一歩相手に近づいたのだ。

これによって「あなたに魅力を感じていますよ」と返事をするのである。

こうして第ニラウンドが幕を開ける。

女性はまた一歩前に出て、もとの位置に戻る。

そうすることで「もっと近くに来ていいわよ」というかすかな身体サインを繰り返し送っているのである。

一歩近づいてそのままの位置にとどまるのは、あまりに露骨すぎる。

だから女性は、自分でも無意識のうちにクイックステップをして、磁石のように相手を引き寄せようとするのだ。

これは立っているときの例だが、もし座っている状態でさりげなく相手との距離を縮めたければ、その人に向かって直角の位置に座るといい。

こうすると圧迫感を与えることなく距離をつめられるし、うっかり身体が触れるといった偶然も起こりやすい。


【触っていいのは、どんなとき?】

恋愛というのはつねに緊張するものだ。

相手の「個体距離」まで近づいたものの、せっかく築いた親密な雰囲気を壊したくないばかりに、ボディータッチをする勇気が出ないとき、多くの人は代わりに自分の身体に触れる。

これは男女どちらにもよく見られる典型的な緊張のサインだ。

「ここには励ますように頬や腕をなでてくれる人はいないけれど、大丈夫。自分でやるから問題ない」というわけだ。

このように自分を落ち着かせるための身振りは「適応ジェスチャー」とも呼ばれる。

だが、自分に触れる理由はそれだけではない。

「エネルギーは注意を向けた方向に向かう」

この言葉はこうも言い換えられる。

「相手はこちらが注意を向けた方向に視線を向ける」

たとえばテートで女性がさりげなく髪をかき上げたら、それは身体言語によって「あなたもこんな風に触ってみたくない?」と問いかけているのだ。

もっと洗練されたやりとりが交わされることもある。

たとえば、気になる女性に触れてもいいか自信がないとき、男性は触れる対象を別のものに移し替えることで相手の反応をうかがうことができる。

代わりの対象として何を選ぶか、そしてその触れ方から、その人の真意や恋愛への積極度がわかる。

レストランで女性はワインを一口飲んだあとに、グラスの脚を指で上下にそっとなぞっていた。

そのとき、もし男性がテーブルにのっていた彼女の車のキーを何げなく手に取って、ぼんやりと手の中でもてあそび出したら、それは同じくはっきりしたシグナルとなるだろう。

すなわち、「僕も後でそのワイングラスみたいになりたい」と伝えているのだ。

このかけひきは別の形でも起こる。

まず片方が何かに触れてみせる。

するともう片方は別のかな何かによって、相手の望みを叶えてあげるのだ。

たとえば男性がワイングラスを手に取って一口飲んだすぐ後に、女性が必要もないのにナプキンで口を拭う、といった具合である。


【相手から自分に触れてもらえる「糸」のマジック】

ここまで来れば、もう物ではなく、意中の人の腕や肩に軽く触れることも可能になる。

ただしあくまでさりげなく、おもしろい話に夢中になってつい・・・という感じでないといけない。

触れるというのは非常にデリケートな行為だけに、十分注意が必要だ。

一方で、そこには大きな影響力もある。

買い物客が一度商品に手を触れると、その商品を実際に購入する確率は格段に上がるのだそうだ。

この現象を恋愛でもうまく利用して、相手から自分に触れてもらえるように仕向けよう。

これが成功すれば、あなたの恋は順調に進むこと間違いなしだ。

ここで男性のみなさんには、女性のほうから触れてもらえる方法をご紹介しよう。

アメリカの二人組マジシャン、ペン&テラーが使っているトリックだ。

用意するものは、一巻きの糸と針、それに布製のジャケットだけ。

もちろん急には無理なので、事前にネタを仕込んでおく必要がある。

まずデートに出かける前に、その日着ていくジャケットとなるべく対照的な色の糸を用意しよう。

次に糸を針に通して、ジャケットの肩部分に裏から表へと糸を通す。

表に垂らす糸は一・五センチほどの長さに調整しよう。

裏側の糸は糸巻きにつながったままにして、糸巻きをジャケットの内ポケットにしまう。

つまり一見肩に糸くずがついているように見せて、実はその糸はジャケット生地の裏側につつながっているのだ。

文字通り、巧みに計画の糸を張りめぐらしたわけである。

あとは、女性があなたのジャケットについた偽の糸くずに気づき、「気になるから取ってあげたい」という気分になるまで待っだけだ。

純粋に恋愛テクニック的に見ても、これはとてもよい兆候である。

糸くずを取るため、女性はおそらく糸を引っぱるだろう。

すると、引けば引くほど裏側から糸が出てくる。

あなた自身もびっくりしたふりをして、こう言おう。

「あれ、もしかして下着の糸かも!」

↓ 参考書籍

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