もっとも手軽な睡眠の改善方法は、環境を変えることでしょう。
寝室のノイズを耳せんでブロック、外部からの光をアイマスクでシャットダウン、寝る前に換気を行うなど、ちょっとした変化で大きな改善を見込めるのが魅力です。
【電球色のやや暗い部屋で過ごす】
寝る直前まで明るい電球の下にいると、睡眠の質を下げます。
寝る2時間前は、蛍光灯を避けて、電球もしくはLEDの電球の夕日の波長に近い明りの下で過ごすのがベターです。
間接照明を使うなど、「やや暗い部屋」の方がメラトニンが抑制されず、睡眠に入りやすいです。
【寝室の温度は18~19度にする】
通常、あなたの体内温度は就寝とともに低下を始め、午前5時頃まで下がり続けます。体内の熱が放出されたおかげで身体の活動がゆったりとしたペースで変わり、これが眠気を引き起こすわけです。
ところが、ここで室内の温度が高すぎるとうまく体内温度を調整できず、睡眠の乱れにつながります。
室温と快眠の関係については複数の調査があり、76万人を対象にした調査でも「寝室の温度は18.3度に保つのが理想」との結果で一貫しています。
「寒がりだから18度にしたら眠れない」と思われますが、冷え性と体内の温度は別の話。
冷え性はあくまで体の表面に血液が十分にまわらない状態であり、深部体温を下げないと眠れないのは寒がりの人も同じです。
本書を読んで「あっ」と気づかされました。室温が快適だと入眠までの時間が早い気がしました。
【寝室は真っ暗にする】
メラトニンは光を嫌います。豆電球をつけて寝る、カーテンが薄く外の光が入るなど、わずかでも光があると睡眠物質メラトニンは抑制されます。
寝室が真っ暗にならない場合は、遮光カーテンに変えた方がいいでしょう。
メラトニンが抑制されるということは、眠気が出ずらい、睡眠が深まらないなど、睡眠の質を下げる原因になります。
【寝室に時計を置かない】
寝室に入ってもなかなか寝付けない人は、室内の時計をすべて取り払うのも手です。
うまく眠るのが苦手な人は、寝つけない状態で時計を見たときに「こんな時間なのにまだ起きている・・・」などのいらぬ不安を抱く傾向が強いからです。
時計は現代人にとって起床のシンボルとしての意味合いも強いため、夜中に時計を見るだけで覚醒レベルが上がってしまうケースも珍しくありません。
寝付けない時に時計を見てしまい「もう、こんな時間か・・・」と思うことが多々あります。今はスマホを枕元において見てしまうので、ブルーライトで脳が覚醒してしまう悪循環に陥ります。
【寝る前に十分な換気を行う】
快眠のじゃまをする問題としては、「二酸化炭素」も見逃せません。
寝室の換気が睡眠の質を大きく左右するこは有名な事実で、換気をしない部屋で1週間過ごした被験者は、一様に翌日の気分が下がり、日中の眠気が増大しました。
一方で換気した部屋で過ごした被験者は集中力が上がり、論理的な思考力を問うテストの成績まで上がったそうです。室内の二酸化炭素量で睡眠の質が大きく変わるのは間違いありません。
寝る前に5~10分ぐらい窓を開けておけば問題ありません。それだけで睡眠の質は確実に上がります。
【寝具・パジャマ】
自分に合った快適な寝具・快適なパジャマは眠りを深めるのにいいでしょう。
枕などはタオルで高さを調整して、自分に合った高さを設定すればよいです。
ただし、寝る前にスマホなどを見ている人は、いくら高級マットレスに寝ようがぐっすり寝ることができませんので、改善してください。
【アンバーグラスを使う】
寝室の照明は10ルクス以下まで暗くするのが基本中の基本です。この条件を満たしていない人は、調整機能がついた照明を買うか、間接照明で明るさを調整しましょう。
さらにダメ押しで使いたいのが「アンダーグラス」です。オレンジ色のレンズを採用したサングラスのことで、本来はスキーなどに使うアイテムですが、電子機器や蛍光灯から出るブルーライトをブロックして脳の覚醒を防ぐ働きを持っています。ブルーライトの問題はすでに周知しているでしょう、睡眠の質を下げる最大の原因とも言われ、この光を夜中に浴び続けると、睡眠ホルモンの分泌が下がってしまします。
アンバーグラスはちょっと私的には難しいかもです。ですが、照明は変更が可能ですから、まずは照明変更を検討してみるのはどうでしょう。
【改善オプション】
ここ数年で新たな快眠ガジェットと呼ばれているのが、「重いブランケット」です。
名前の通り通常より重量を増やした毛布のことで、体重が45~70Kgの人は7Kg前後のブランケットを使うように推奨されています。
「重いブランケットで睡眠の質が上がる」というデータが急増しています。
具体的な効果として「起床時のぐっすり感や睡眠時無呼吸の改善」「睡眠時における不安感の低下」「入眠時間の短縮と夜間覚醒の減少」などが報告されており、快眠のガジェットとして試す価値は十分にありそうです。
理由はシンプルで「包み込まれる感覚の増加」によって安心感が増すからです。その意味では、不安やストレスに弱い人ほど、思い毛布でメリットを得やすいでしょう。
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