金曜日の夜。
時刻は8時を回ったところだった。
著者はミュンヘンのお気に入りレストランのいつものテーブルに座り、スマートフォンを機内モードに切り替える。
レストランというのは、感覚を研ぎ澄ましてボディー・リーディングの腕を磨くのにぴったりの場所だ。
著者が今夜ここを訪れたのも、そのためだった。
「読心術を学ぶにはどうすればいいでしょう?」とこれまで何度となく聞かれてきたのだが、答えは簡単だ。
どこかレストランに入って、スマートフォンをしまえばいい。
そして店内を見回して、ほかの客をよく観察するのだ。
人々はどう動き、どう挨拶を交わして合っているか。
お互いをちゃんと見ているか、それとも目が合っていないか。
あの男性はなぜ、あごの傷跡に絶えず手をやっているのだろう?
あの傷は子どものころに三輪車で転んだのか、それとも誰かを助けるために窓ガラスを割ったときに負った傷か・・・。
あちらの女性がひっきりなしに髪の毛をいじっている理由は?
相手の話が退屈なのだろうか?
いや、もしかしたら美容院に行き損ねて気まずく思っているのかもしれない。
こんなふうに、犯人を追う探偵さながらに手がかりを探してみる。
すると、今まで見えなかった多くのものが見えてくるはずだ。
これをするのは、著者にとって抑えがたい欲求だ。
著者はどうしても周囲の人を観察し、その身振りや表情の非言語サインを読み解かずにはいられないのだ。
それらを解釈したいという欲求には、もはや魔法のような強制力さえ感じる。
観察者でありボディー・リーダーである著者は、人々が互いにどう接し、どうつき合っているかを設み取ろうとする。
すばらしいのは、それによって僕の知覚力がさらに磨かれていくということだ。
ちょうど通訳者のように、ある案件をうまくやれれば、次の案件ではもっと力を発揮できる。
ここでいう「力」とは、直感力や、状況を読む鋭敏な感覚、それに広い視野だ。
これらの能力はどれもコミュニケーションにまつわる場面で必要なものばかりだ。
特に、恋愛や男女関係が絡む場面では。
ちなみに「髪の毛を触る」しぐさは、男性は緊張していたり、他のことを考えていたり、照れ隠しだったり、退屈だと感じていたりします。
では、女性の場合は?
つまらないと思っていたり、自分をよく見せたいと思っていたり、緊張していたり、好意を抱いていたり、小さいころから髪を触るクセだったり、頭を撫でて欲しいと思っていたり・・・
私は男性なので、「女性」の「髪を触る」行為について調べてみました。ですが、ポジティブな面とネガティブな面、両方ありました・・・
人はそんなに単純ではありませんから、「髪を触る」行為だけに注目するのではなく、それと表情(目線や口元など)などにも注目して、それと掛け合わせて、心理を見抜くといいでしょう。
↓ 参考書籍
コメント