「みんなが貪欲になっているときこそ恐怖心を抱き、みんなが恐怖心を抱いているときこそ、貪欲であれ」
投資家 ウォーレン・バフェット
もし、あなたがお金を運用しているとして、バフェットからこの言葉を言われたら記憶に残るでしょう。
ですが、同じ内容で証券外者の若手の営業マンから言われたらどうですか?
「はぁ?何を偉そうに言ってんの?」とか「何か、ヤバイ銘柄を買わせるつもりだろ」と思ってしまいますよね。
あるいは違う場面で、順調に仕事が進んでいるとき、職場の先輩から「どうした?いつでも相談乗るよ」や「困っていることがあったら、言ってな」と声をかけられたら。
「先輩、いい人だな」と思うか「おせっかいな奴」と思うくらいです。
でも、何か重大なミスをして言い出せないでいるときや、社内の人間関係で悩んでいるときに、 「どうした?いつでも相談乗るよ」や「困っていることがあったら、言ってな」 と言われたら、その言葉はスッと胸に響くのではないでしょうか。
草花を育てるとき、土を耕してから種を蒔くように、誰かに「影響力」を及ぼす人になるためには準備が必要です。
「影響力」を理解して、使いこなしていくには「信用」と「関係性」が重要になってきます。
・人は、同じ内容でも信用した相手の話に耳を傾けます。
・人は、同じ内容でも「自分と関係ある」と思った話にしか興味を持ちません。
聞き手に信用され、相手と深く関係する話ができる話し手は信頼されます。
すると、聞き手本人、聞き手のいるグループに影響力を発揮することができるのです。
【家族や友人ではない相手に、影響力を発揮するには?】
あなたは、信頼できる友人、知人が何人いますか?
何十人、何百人の顔が浮かぶ人はほとんどいないはずです。
ほとんどの方は、数人程度のはずです。
何かに悩み、人生の選択に迷ったとき、あなたは信頼できる人、知人に相談し、そのアドバイスに耳を傾けます。
それは彼らは、「あなたの状況を理解し、親身になってくれる」=「信頼できる人が、自分との関係性の深い話をしてくれる」からで、「関係性が出来上がっている相手には、影響力を発揮しやすい」からです。
しかし、こうした信頼関係を築くまでには、多くの場合、時間がかかります。
学生時代の同級生や職場の同僚、趣味で知り合った友達・・・いずれも長い時間をともに過ごして、喜怒哀楽を共有したことによって、アドバイスし合える関係が育まれます。
影響力には「信用」と「関係性」が不可欠ですが、この2つを備えた信頼関係を結ぶのに、時間や共通体験が必須なわけではなく、影響力のある人は、聞き手にとって「信用できる話し手となる手法」を知って、聞き手に「この話は自分に関係あると思わせる術」を持っています。
言い換えるなら、彼らは聞き手を短時間で信用させ、これから語って聞かせる内容に関係性を感じさせて、相手の考えや行動に影響を与えることに長けているのです。
私も若い時に営業の仕事を少しだけしたことがあります。「営業マニュアル」を渡され、その通りに実践したら半年で2000万の利益を出しました。話し手と聞き手の関係性が近ければ近くなるほど、商品を買ってくれる率が高かったですね。
私が書籍を参考にして、ブログで発信している目的は「読書によって、より効率的に生活を充実させるため」「友人や知人の悩みに答えられ、人の役に立つため」「いつか、会社を設立して社員にイキイキと働いてもらうため」・・・などなど、いろんな思惑があります。
・役に立つ内容であることは、「信用」を生み出して、人生をよくする情報は多くの人に興味を持たれます。
私は「使える」「得する」「良かった」という情報を広めたいと思っています。
教えることによって、私の「承認欲求」が満たされ、私自身も満たされます。
私だけでなく、ブログに遊びに来てくれた方、SNSで繋がった方々の少しでも役に立てれば幸いです。
いつか私も「影響力」を持つ、「カリスマ性」を手にしたいものです。
【信用を得るための3つのステップ】
①シュムージング
聞きなれない言葉ですが、簡単にいうと「本題を切り出す前に、自分のことをネタにした雑談を挟む」というものです。
ここで重要なのは「自分のことをネタ」にすることで、天気やニュース、トレンド、業界の噂話などはシュムージングになりません。
ましてや、人の悪口や告げ口なんかは人として良くありません。
あなた自身に関係すること、それもかなりコアな部分に触れる話題の方が効果的です。
そこで、社会心理学者ゲイリー・ウットが提案する「自己開示に適したテーマ」をご紹介します。
・お金や健康に関する心配事
お金や健康にまつわる話は、誰しも何らかの心配事を抱えているので、一気に親密度が増す話題です。
ポイントは、聞き手に「プライベートな話を打ち明けられた」と感じてもらうこと。
すると、「返報性の法則」が働き、「自分も心配事を話してみよう」と思ってくれます。
返報性の法則 ← 関連記事
・人生で幸福を感じること、自分の楽しいこと。
自分の好きなこと、最近ハマっていること、幸せを感じる瞬間など、人生においてポジティブなで出来事を話しましょう。
笑顔とともに語られるエピソードは、聞き手も楽しく聞くことができ、自分の幸せについても話してくれるはずです。
・自分の弱点やマイナス面
あなたが長年悩んでいること、改善したいと思っていること、苦手だから助けてほしいこと、そういった弱点やマイナス面を打ち明けましょう。
悩みや弱さを打ち明けられるということは、客観的に自分のことを把握できているから。
打ち明け話を聞いた相手は「この人はしっかりしている」「人の悩みや弱さを理解してくれる人だ」と好意的に受け止めてくれます。
・自分の趣味や興味
あなたが長年続けている趣味、これから興味を持って取り組んでいきたいと思っていることを話しましょう。
ですが、相手がまったく興味がないジャンルだったら「そうなんだ」で終わってしまうので、興味を持ったきっかけや趣味を通して学んだことなど、あなたなりのエピソードを交えることです。
・恥かしかった体験や罪悪感を覚えた体験
自分の失敗談、罪悪感が今も残っている体験を語りましょう。
失敗から学んだことを合わせて語ることで、相手は「この人は失敗を乗り越えて成長したんだ」「人の痛みがわかる人だな」といった印象を抱きます。
また、会話の相手が年下の場合は、失敗談を語ることで「年上ですごい人」というレッテルを破ることができて、親密度が高まりやすくなります。
②ストレングス
これは、聞き手に自信を与え、行動を起こしやすくさせるテクニックです。
影響力がある人はいつの間にか周囲を巻き込み、味方にし、動かしていきます。
この巻き込む力を支えているのが、ストレングスです。
人を動かす秘訣は、自ら行動したくなる気持ちを起こさせること。
自ら動いてもらうために必要なのは、命令口調や脅しではありません。
人は誰かに認められ、求められていると感じたとき、行動を起こします。
そこで、影響力のある人たちは聞き手に自信を持たせるステップを踏み、「私は力にありふれている、行動力がある、能力がある、チャンスがある」といった感覚を持たせ、行動を後押ししているのです。
大切なのは、聞き手の自己重要感を満たすように働きかけることで、人は誰かに認められ、求められているとき、自分は重要な存在だと信じることができます。
すると、モチベーションが高まり、行動力も増していくのです。
ストレングスで自信を取り戻した人は、話し手に好意を抱き、それが信頼関係を結ぶ土台となってきます。
相手の自己重要感を回復させ、自信を持てせると、行動力を取り戻します。
そして、自分に力を与えてくれたメッセージや言葉などを贈ってくれたことを、ずっと忘れずにいてくれるはずです。
③類似と共通点の協調
影響力のある人は、あからさまに人の上に立とうとしません。
身近な存在、気軽に話しかけられる仲間という立ち位置から、周囲に影響を与えていきます。
上から目線のリーダーが煙たがられ、親しみのあるリーダーは好意を持って支持されるのです。
その秘訣が「類似と共通点の協調」になります。
たとえば、初対面の人と話していて、あとから冷静に振り返ってみると「だから、何?」と思うような些細な共通点で話が盛り上がったことはないでしょうか?
・出身地が同じ
・誕生日が近い
・血液型が一緒
・名前の一部が一緒
・出身校が同じ
年齢が離れていても出身地や出身校が同じなら、地元の名店や名物教師や学校の近くのサボりスポットなど、小さな共通点が見つかります。
また、血液型が同じなら「占いで似たようなことを言われる」や、名前の一部が一緒なら「あだ名何だった」といった話ができます。
どれも話題としては、何往復かの会話で一段落つくささやかなものです。
でも絶妙な「シュムージング」として機能します。
類似性によって生まれる好意は私たち思っている以上に大きいからです。
実際、人は小さな共通点があるだけで相手の話に耳を傾け、受け入れる確率が2倍近く向上することがわかっています。
つまり、相手が「自分と同じだね」と共感し、好意を抱いてくれるだけで、与える影響力、説得力が大幅に高まるのです。
【人は、頼みごとをしてきた相手のことを好きになる】
先の「類似と共通点の協調」は会話の冒頭で行うようにしてください。
類似点や共通点を確認し合う会話はできるだけ早めにしておいて、親近感を覚えてもらって親密度を高めてください。
仲が良くなってからだと遅すぎますし、時間がもったいないです。
「シュムージング」で距離を縮め、「ストレングス」で相手のよいところを指摘したら、その過程で感じ取った自分との類似点や共通点を相手に伝えたり、確認し合います。
それだけで相手はあなたへの好意を膨らませ、話に耳を傾け、頼み事も受け入れてくれやすくなります。
しかも、人間には頼み事をしてきた相手のことを好きになる心理があります。
これは人は「自分が親切な行為を取るのは、相手のことが好きだからだ」と認識するからです。
つまり、「類似と共通点の協調」で準備を整え、頼み事をして力を書いてもらうと、相手は手助けしてあげた、あなたのことをますます信用するようになるでしょう。
上手に人に助けてもらえる人は成功者になります。
ポイントとして、自己開示をして相手の距離を縮めて、相手の良い点を指摘し、お互いの類似を意識させると、「信用」が築かれます。悪用して、人をだましたり、貶めたりしないでください。あくまで人間関係を良好にするために使うようにしてくださいね。
↓ 参考書籍
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