【腸機能をアップする生活習慣】
本書では、腸を整える大切さとともに自神神経のバランスを整える重要性についても、お話ししています。
自律神経とは、生命活動を支える大変重要なシステムのことです。
心臓が動くのも、体温が保たれるのも、血液が全身を巡り続けているのも、眠っている間に呼吸ができるのも、自律神経が休みなく働いているからなのです。
体の免疫システムや内臓の働きにも、自律神経が大きく関与しています。
この自律神経は、交感神経と副交感神経という2つの神経に分けられ、交感神経が高まると体はアクティブモードになり、心拍数が上がって血管が収縮します。
交感神経は、昼間に活性化する神経です。
一方、副交感神経は、休息する夜に活性化する神経です。
副交感神経が高まると、心拍がゆっくりになって血圧も下がります。
いつも忙しくて緊張し、イライラしている人では、交感神経が過剰になり、寝つきが悪くなって不眠を招きます。
血管が収縮して血流が悪くなり、高血圧や肩こり、頭痛などを起こしやすくなります。
免疫力も低下して、いろいろな病気にかかりやすくなってしまいます。
逆に、副交感神経が優位な状態ばかりが続くと、血管は弛緩し代謝が悪くなるほか、集中力がなくなり、やる気が起こらずうつ状態を招きます。
そうならないように両者が同じレベルで働き、かつ時間帯によってどちらかが少し高い状態(優位)をとりながらバランスよく働いている状態が、最も望ましいのです。
腸と自律神経の関係も見ていきましょう。
交感神経が優位であるとき、臓器は活発に働き、体も活動的になります。
しかし、1ヵ所だけ活動が低下する臓器があります。
それが、「胃腸」なのです。
つまり、胃腸が活発に動くのは副交感神経が優位になりすぎても腸はリズミカルに動くことはできません。
腸内環境を整えるには、副交感神経をバランスよく高めて腸の蠕動運動を正常にすることが大切です。
自律神経は、生活習慣や精神面の影響を大きく受けます。
ストレス社会に生きる現代人は、どちらかというと交感神経が過剰になり、副交感神経は下がりがち。
こうしたことからも、副交感神経を上げていくことが、いつまでも若々しく健康である秘訣であり、健美腸の秘訣でもあるといえるでしょう。
自分でできる自律神経メンテナンスはいくつかあります。
コツは、早寝早起きを習慣づけ、朝型の体内リズムを安定させるよう心がけること。
起床時は、睡眠中に優位だった副交感神経が交感神経優位の状態へと変わる時間帯です。
この切り替えがスムーズにいくと、1日の自律神経のバランスが整います。
これにより朝の排便も促されますから、朝型生活は便秘解消にとてもいいのです。
ただし、朝、余裕がなくてパニックになると、交感神経が上がり過ぎてしまいます。
ゆっくりお茶を飲んだり、深い呼吸をしたりして、心を落ち着かせましょう。
乱れたままの自律神経で出かけないことも大切です。
また、「笑顔」は一瞬にして自律神経を整える秘策。
イライラしているときは、口角を上げてにっこりとしてみましょう。
表情筋の変化が脳の視床下部に影響し、副交感神経の数値が上がることが実験で証用されています。
【腸にもうれしい!朝の自律神経メンテナンス】
・朝起きたら、コップ1杯の水を飲む。
・朝日を浴びる。
・朝食をとる。
・ゆっくりできる時間を持つ。
・深い呼吸を意識する。
・口角を上げて「笑顔」を意識する。
自律神経バランスを整えるには、夜の過ごし方も大切です。
副交感神経を上げておけスムーズに睡眠に入ることができ、血流や胃腸の働きもよくなって、翌日の目覚めは スッキリ。
元気に1日のスタートを切ることができるでしょう。
食事中は交感神経が優位な状態ですから、夜遅い食事は逆効果。
就寝3時間前ぐらいまでには食事を済ませましょう。
また、リラックスできる環境に身を置きましょう。
軽いストレッチや散歩程度の運動をしたり、ぬるめのお湯でゆっくりと入浴を楽しんだり、好きな音楽を聴くのもいいでしょう。
【腸も喜ぶ!夜の自律神経メンテナンス】
・夕食は寝る3時間前までには済ませる。
・寝る前のパソコン、スマートフォン、アルコールは避ける。
・夜は激しい運動は避け、ストレッチやウォーキングで軽く血流をよくする程度に。
・入浴は熱過ぎない、ぬるめのお湯につかる。
・心が落ち着く好きな音楽を聴く。
↓ 参考書籍
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