著者が某学習塾のコンサルティングを担当した際に、その会社の社長が、実に面白いことを教えてくれた。
勉強のできない生徒ほど、英単語帳をたくさん持つているということだ。
これまでの私の周囲を振り返っても、これには例外がなかった。
勉強のできない生徒は、必ず英単語帳の浮気をしていた。
そして英単語帳の浮気をする生徒は、他の参考書の浮気も、例外なく激しかった。
反対に一流大学に合格した優等生たちは、学校で配布された英単語帳1冊を一途に反復し、ボロボロになるまで使い込んでいた。
参考書も浮気をせず、自分が信頼できる厳選された本を、ひたすら反復していた。
受験に限らず、あらゆる資格試験は合格点が満点ということはまずない。
その試験が難関であればあるほど、合格ラインも下がるものだ。
一流大学の入試であれば、たいていは6割も得点できれば合格だ。
つまり、4割は間違えても構わないということなのだ。
良書とされる英単語帳を完璧に仕上げたところで、必ず入試の英語では知らない単語が出てくるし、読めない英文も出てくる。
ところが、知らない単語があっても、読めない英文があっても、6割を超えてさえいれば、確実に合格できるのだ。
4割を落としても合格できるのだから、信頼できる英単語帳を1冊だけ完璧に仕上げれば、何も恐れることはないのだ。
参考書の浮気をする人は、知らない問題に出くわすたびに、「今のこの参考書ではダメだ」と、あちこちの難しい参考書に手を出してしまう。
その結果、どれも中途半端になって、消化不良を起こして不合格になるわけだ。
私の大学受験時代も、当時に必要とされていた「英単語1800個」「英熟語1000個」はとても憶え切れなかったから、その約三分の一の「英単語600個」「英熟語300個」だけを完璧に憶えた。
このくらいなら、そのうち1日で全部復習できるようになる。
だから、英単語を見た瞬間に、わざわざ日本語に訳さなくても、英語のまま、意味を鮮明にイメージできるようになる。
もちろん入試本番では予想通り、知らない英単語だらけだったが、それでも、合格最低点は楽々クリアできたと思う。
英語の同時通訳の神様と呼ばれた人も、反復学習が英語習得のキモであると述べていた。
個人的な事ですが、私は「80点」を目安に仕事や学習を行っております。私自身、覚えも悪いので「80点」まで頑張ります。その後は「運」と「感」(笑)。
一つのことを極めるのは、相当難しく、困難です。「極める」事って本当にできるのでしょうか?新しいことやモノが次々出てくる世の中「100点」は可能なのでしょうか?
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