使っていない脳からは欲求が消えてしまう

心理・思考・時間


【若いうちはマンネリや倦怠感に抵抗力がある】


いくらやる気が出ないとは言っても、若いときはライフイベントもあるし、それほど経験に貪欲でなくても、脳の仕組みが欲求を喚起しやすい環境にあると言えるでしょう。


たとえば同棲しているカップルがマンネリ化してくると、「私たち、結婚するか別れるか、どっちかしたほうがいいよね」という話になります。

これは脳が新しい刺激を求めているのであって、愛情とは別の話です。


最初は「別々に暮らしていたふたりが一緒に住むのね」とウキウキ盛り上がっていても、一緒に住み始めたら「あいつ邪魔だな」「いびきがうつるさいな」「今日も一緒か」と思うようになる。


こんなふうに倦怠感が出てくるのは、新しい刺激がなくなっているからです。

そこで、「別れてみるか」とか「子供つくってみるか」という新しい展開をおこそうとするわけです。




【年齢を重ねると欲求が消えていく理由】


しかし、年齢を重ねていくと、この脳の仕組みが働きにくくなってきます。


マンネリ化や倦怠感に対して、どうにかしようという欲求がわかなくなってくるのです。


あまり出歩かない人は外出に興味がわかなくなり、本も映画もずっと見ていないと見たいと思うこと自体がなくなっていきます。


多くの人は、30代後半あたりから、脳の使っていない脳番地が老化の影響を受けやすくなります。


私たちの脳は次のような仕組みになっています。


①呼吸のときに吸っている酸素が、脳の毛細血管に運ばれる。

             ↓


②脳の毛細血管から供給された酸素によって、脳の神経細胞が活性化する。

             ↓

③酸素が消費されて低酸素になることで、また神経細胞に酸素が供給される。


ところが、神経細胞が活動せず休止ばかりしていると、毛細血管に酸素を運ぶ必要がなくなります。


神経細胞は酸素とブドウ糖がなければ死滅してしまうため、使われなくなった脳番地は新鮮な血液の潤いが減り、成長もしなくなります。


そうすると、使っていない脳番地からの「もっと刺激がほしい」という欲求は、だんだんとなくなっていくのです。

↓ 参考書籍

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