【肉体革命!】 代謝を改善し、細胞レベルで肉体を若返らせる

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【AMPK食事法】

運動で外部から肉体を刺激する「プログレス・エクササイズ」に対し、内側からホルミシスを起動させ、肉体に適度な苦痛を与えるテクニックになります。

※「プログレス・エクササイズ」とは段階的に負荷を上げていく運動法で、簡単な活動レベルを1に設定し、そこから小刻みに苦痛レベルを上げていくことで、ホルミシス効果の発動を狙う。

※ホルミシスとは、ある物質が高濃度あるいは大量に用いられた場合は有害であるが、低濃度あるいは微量に用いられれば逆に有益な作用を果たす現象のことをいいます。

AMPK とは、「燃料センサー」のような役割を持つ酵素の一種で、必要なエネルギーが足りなくなると活動を始め、全身の細胞に「肉体を効率よく使いなさい」と命令を出す働きを持っています。

エネルギーをうまく使えるようになれば、それだけで細胞の働きは良くなりますし、最後には健康寿命も延びるはずです。

最新の研究では AMPK の活性によって加齢が遅れ、寿命が延びるメカニズムが少しずつ明らかになってきたようです。

アンチエイジング効果も期待でき、エネルギー代謝の効率を改善できると、ストレスに強くなり、細胞の働きもアップします。

そうすれば健康寿命の改善や延長効果が得られます。

多くの実験でも、 AMPK の増加による寿命の延長が確認されています。

企業でいったら、業績が下がった企業があわてて経営の合理化に手を付けたようなもので、無駄な経費をギリギリまで削るのはもちろん、改めて従業員の得意分野を調べて、特性にマッチした仕事を割り振った状態に似ています。

適材適所に従業員を配置できれば、当然ながら仕事のモチベーションは上がり、日々の業務もスムーズに進めでしょう。

同じように AMPK が起動した体内では、肉体の最適化が行われ、糖や脂質の代謝をうまくコントロールできるようになります。

その結果、あなたの体は若返るのです。

【細胞レベルで若返るファスティングのすごさとは】

「AMPK食事法」とは、人体の燃料センサーを刺激するための食事法です。

ある程度の「苦痛」は伴いますが、正しく続けられれば、あなたの体内では確実にアンチエイジング機能が働き始めます。

この食事法のポイントは2つだけです。

①フィトケミカルの導入。

②ファスティングの実施。

①のフィトケミカルは、植物に含まれるポリフェノールなどの成分は、あなたの体内で「軽微な毒物」として働き、AMPKを通してホルミシスの活性に繋がります。

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②のファスティング(断食)も大昔から世界中で行われてきた健康法で、近年は複数のデータでアンチエイジングの効果が確認されています。

ファスティングには体重を減らす以上の効果があることが、アメリカの国立老化研究所で発表されています。

その効果を次脳のようにまとまています。

・体内の炎症を和らげて、アレルギー性の喘息、関節炎を改善する。

・免疫システムを整え、ダメージを受けた細胞を修復する。

・脳の情報処理スピードをアップさせる。

免疫システムから脳機能の改善まで見込めるというのだから、なんとも幅広い話です。

ファスティングの効果が高いのは、AMPKが体全体のエネルギーバランスを保つ働きを持つことは考えてみれば当然でしょう。

一定の期間カロリーの供給を断てば、慌てた人体がAMPKを活性させ、細胞レベルでアンチエイジング機能を動かし始めるからです。

ただし、ファスティングは基本的に軽度の「苦痛」を与えるのが目的なので、BMIが18以下の方、糖尿ぎみな方は実施しない方が無難です。

※BMIが18以下の方

BMIが低いと低カロリーのダメージに体が耐えられない可能性があります。まずは脂肪と筋肉を増やすことから始めてください。

※糖尿ぎみの方

インスリン感受性が低い場合も、断食のダメージで症状が悪化する可能性が高いのでNGです。主治医と相談したうえ、糖の代謝を改善してから実施するようにしてください。

次から紹介するAMPKの活性に役立つ方法を実施できそうなものから試してみてください。

【ポリフェノールの増量】

もっとも簡単にAMPKを活性させられるのは、ポリフェノールの導入です。

植物のポリフェノールは人体に「毒」として働き、AMPKを刺激します。

エネルギー効率やDNAの修復能力の改善、ミトコンドリア生合成の刺激など、私たちの肉体を細胞レベルから若返らせてくれます。

たとえば、タンザニアのハッザ族が食べるコンゴロやバオバブといった果物に含まれるポリフェノールの量は、先進国で消費されるベリー類に比べて20倍にもなります。

サルデーニャ島の高齢者もブラックベリーやミルト酒(ハーブの一種)をたしなむことで、ポリフェノールの一種であるヒドロキシチロソールなどを大量に摂取しています。

ポリフェノールの増量は、アンチエイジングの第一歩と言えます。

ポリフェノールが豊富な食品については、2010年の調査が行われていて、過去に出た数千以上の調査からポリフェノールが豊富な野菜や果物を100種に絞り込んだもので、上位にランクインした食品は次の通りです。

・クローブ

シチューやカレーなどに使われるスパイスで、数ある食品の中でもポリフェノール量は最高レベル(100gあたり、15188mg)

・ペパーミント

ポリフェノール量は100gあたり11960mg。抗炎症の作用も高い優秀なハーブ。

・その他のハーブとスパイス全般

クローブやミント以外にも、上位にはハーブとスパイスが多く含まれます。なかでも、八角、オレガノ、セージ、セロリシード、タイム、バジル、ローズマリー、ジンジャーはポリフェノールが豊富です。

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・ココアパウダー

100gあたりのポリフェノール量は全体の4位で3448mg。ココアに含まれるカカオポリフェノールには、血管の改善作用なども確認されています。

・ベリー類全般

フルーツのなかで最も優秀なのがベリー類です。特にブラックチョークベリー、ブラックエルダーベリー、ブルーベリーの3つは100gあたり836~1756mgのアントシアニンを含みます。皮の色が濃いほどポリフェノールが多い傾向があります。

・その他の紫や赤のフルーツ全般

ブラム、ビーツ、チェリー、ブドウ、リンゴなど、赤や紫の色素を持つフルーツにはポリフェノールが豊富です。

・ナッツ類全般

種子類も全体的にポリフェノールが豊富です。なかでも、チェスナッツ、ヘーゼルナッツ、ベカン、アーモンドなどに豊富に含まれます。100gあたり187~1215mg。

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・お茶やコーヒー

飲料系ではコーヒーがもっとも優秀で、続いては紅茶、緑茶の順にポリフェノールが多いです。コーヒーは緑茶の2倍のもポリフェノールを含みます。100gあたり214mg。

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基本的にもっとも量が多いのは、スパイスやハーブ類ですが、いつもの料理で大量にバジルやターメリックを使うのは難しいかもしれません。

カロリーとのバランスで言えば、ベリー類、コーヒー、緑茶などでポリフェノールの総量を上げながら、トマトやビーツといった赤紫色の野菜を増やすのが現実的でしょう。

さて、ここで難しいのが「1日にどれだけのポリフェノールを取るべきか?」という問題です。

ポリフェノー研究はまだ日が浅く、明確な摂取量のガイドラインが存在しません。

今のところは、観察研究などから最適量を推測していくしかないでしょう。

現時点でもっとも参考になるのは、エディスコーワン大学が5万6048人を23年ほど追いかけた2019年の調査で、その結論は次のようなものでした。

・ポリフェノールを取ると癌や心疾患による死亡リスクが10~20%の範囲で低下する。

・ポリフェノールの摂取量は1日500mg前後で最大化する。

「1日500mgのポリフェノール」は、ブルーベリー100~150g、緑茶1杯、リンゴ1個、オレンジ1個に相当します。

これぐらいの量なら達成できそうですよね。

毎日の暮らしに積極的に取り入れてみてください。

【含硫化合物の増量】

AMPKを刺激するには、「含硫化合物(がんりゅうかごうぶつ)」を増やすのもいいでしょう。

ポリフェノールと同じく植物が外敵から身を守るために作り出した成分で、やはり体内で軽度の「毒」として作用します。

スルフォラファン、イソチオシアネート、アリシンなどが有名で、強い風味と香りを持った成分が多いのが特徴です。

アブラナ科のような苦味の強い野菜や、すりおろすと鼻を刺す香りを発する野菜などは含硫化合物を含むことが多く、AMPKが活性しやすい傾向があります。

なかでも効果が高い食品をご紹介いたします。

・ショウガ

ギンゲロールやショウガオールなどの抗酸化成分を含み、複数の試験でアンチエイジング効果が認められています。

主なメリットとしては、減量のサポート、コレステロールの改善、体内の炎症レベルの緩和などで、いずれも精度が高いメタ分析が示されており、機能性の高さは間違いありません。

1日0.5gを目安に食べるのがおススメです。

ただし、生のショウガは有効成分が減りやすく、すぐに食べないとメリットが失われてしまうのが難点なので、面倒なら市販のショウガパウダーを使ってください。

複数のメタ分析によれば、1日にショウガパウダー1~3g、またはショウガ抽出液を50mgずつ摂取すれば、およそ12週間でアンチエイジング効果が得られるようです。

・ニンニク

ショウガと並んで優良なデータが多い食材で、主なメリットしては大腸がんのリスクの減少、高血圧の改善、糖代謝の改善などがあり、前述の「アリシン」という香気成分にAMPKの活性作用があり、やはり複数のメタ分析で良い結果が報告されています。

大多数の試験では3600~5400mcgのアリシンを使っているため、アンチエイジングの効果を得るには、1日4gのニンニクを食べれば良い計算です(小さじ1杯程度)。

調理が手間ならチューブニンニクやガーリックペッパーを使っても構いません。

他にも、玉ねぎ、ネギ、ニラなどのネギ属野菜は、すべてアリシンを含む食材ですので、ニンニクをメインにしつつ、季節に応じて他の食材も増やしてみてください。

・ブロッコリー

スルフォラファンという苦味成分のAMPK活性作用が強く、こちらも積極的に取り入れたい食材です。

実験データには抗がん作用を示したものが多く、肺がん、大腸の悪性腫瘍などの予防効果が複数のメタ分析で示されています。

その他、ブロッコリーほどのデータはないものの、白菜、キャベツ、ダイコン、ワサビ、ケール、小松菜といったアブラナ科の野菜も、AMPKを活性しやすい優良食材です。

アブラナ科野菜を取り入れる際は、調理法に気を付けてください。

スルフォラファンは熱に弱く、フライパンで少し炒めただけでも量が激減します。

キャベツや小松菜ならまだしも、ブロッコリーの生食には抵抗があるでしょうが、細かく刻めば意外と問題なく口にすることができます。

よほど、味が苦手ではない限りは、生食を心がけてください。

含硫化合物が豊富な優良食材は上記のとおりです。

もし、どの野菜を取るべきか考えるのが面倒なら、「苦味が強い食材を1日1品食べる」ぐらいの認識で構いませんから、是非取り入れてみてください。

【食事の時間を前後に90分ずらす】

「90分ファスティング」というテクニックで、実施はとても簡単です。

・いつも朝食を食べる時間よりも90分だけ遅い時間でずらす。

・いつも夕食を食べる時間よりも90分だけ早い時間にずらす。

いつもの朝食が7時なら8時半に変え、いつもの夕食が20時なら18時半に早めればOKです。

一般的なファスティングのイメージからは遠いものの、これでも十分な効果が見込めます。

食事や運動の指導はしないで、この「90分ファスティング」を12週間行った調査によると、グループの6割の人が、「いつもより食事量が減った」と答え、いつもの時間に食事をしたグループに比べて2倍も体脂肪が減ったのです。

食事の時間を前後に90分ずらすだけなので、最初のファスティング法としてはベストでしょう。

断食の経験がない人は、まずここから始めてみてください。

【TRF】

「TRF」はスペインのバルセロナ自治大学が開発した手法で、「特定の時間に食事を限定する方法」のことです。

・早い時間に食事を限定する

具体例としては

①6:30~8:30のあいだに朝食をとる。

②朝食から6時間後(12:30~14:30)までに夕食を終える。

③夕食が終わってから翌日の6:30~8:30は何も食べない。

1日の断食時間は18時間で、このサイクルを毎日繰り返すのが「TRF」の基本です。

「TRF」の検証テストでは、この食べ方を5週間続けた被験者はインスリン感受性と血圧が大きく改善し、午後からの食欲も低下、身体の酸化ストレスも大きく減少しました。

18時間の断食がもたらすメリットは他のデータでも確認されており、まずは5週間ほど実践して、良い変化が出るかどうか確かめてみるのがおすすめです。

・朝食だけ抜く

人によっては、早い時間に食事を限定できないケースもあるでしょう。

会食が多い会社員などが、午後2時で夕食を終わらせるのは至難の業です。

そのような場合は、早い時間に夕食を終えるのではなく、朝食を抜くタイプのファスティング法を使っても構いません。

具体的には

①朝食抜き、12時から普通に食事をする。

②20時までに夕食を終える。

こちらはアメリカ国立老化研究所が推奨するファスティング法で、平均16~18時間の空腹時間を作るのが基本になります。

もし20時までに夕食を終えられないなら、最後の食事に合わせて昼食の時間を調整しましょう。

一定の空腹時間を作り、肝臓にたくわえられたエネルギーを使い果たしましょう。

ファスティングの間は、水・お茶・ブラックコーヒー以外は何も口にしないでください。

0kcalの表記のある健康食品やサプリもNGです。

はじめのうちは激しい空腹やイライラに襲われるかもしれませんが、多くの実験を見ると、2週間ほどで苦痛がやわらぎはじめ、1ヶ月で完全に慣れてしまうケースが多いです。

佐藤さん

私は幼少の頃から、朝食を取らない生活だったので、知らない間に「朝食抜きのファスティング」を行っていたようです。現在も週の半分は朝食抜きを知らずにやっています。完全に抜こうか検討中です。

【日替わりファスティング】

その名の通り、、1日おきに断食を繰り返すのが「日替わりファスティング」です。

断食の研究は全体的にまだ歴史があさいですが、「日替わりファスティング」は良質なデータが多く、近年も複数の成果が報告されているのが強みです。

実験で使われたファスティングのガイドラインは次の通りです。

①食事をする日は、~リーを気にせず好きなものを食べる。

②断食を行うときは、36時間の空腹時間を作る。

③断食中に口に入れていいのは、水・炭酸水・ブラックコーヒー・緑茶のみ。

36時間の空腹時間を作る必要があるため、たとえば月曜日の20時までに食事を終えた場合は、翌日の火曜日は丸1日完全に絶食する。

その後、水曜日の8時から再び好きなものを食べ始め、20時までに最後の食事を終えたら、まと翌日の木曜日はまるまる断食、といったスケジュールです。

「日替わりファスティング」を行った男女には次の変化が確認されました。

・週あたりのカロリー摂取量が37.4%減少。

・体重が3.5kg減り、そのうち体脂肪が2.11kg減少。

・最高血圧は3.37%改善。

多くのファスティング試験では肥満の被験者を対象としていますが、この実験では、健康で標準体型の男女だけを対象にしています。

この実験は4週間の経過を観察したものですが、それでもこれだけの成果が出たのですからすごいものです。

慣れるまでは36時間もの絶食は大変ですが、たいていは3~4日も続ければ食欲は消え、集中力の上昇や肌質の改善といったメリットを実感するケースが少なくありません。

まずは2~4週間ほど試してみて、無理がなさそうだと判断できたら続けてみてください。

【AMPK食事法・オプション】

ここ数年、一部のサプリメントがAMPKの活性作用を持つことがわかってきました。

もちろん、ポリフェノールは食事から取るのが一番ですし、空腹感に勝るAMPKの活性法はありませんが、オプションとして使えば効果を得られる可能性があります。

AMPKの活性に役立つサプリメントをご紹介致します。

↓ AMPKの活性に役立つサプリ(オイル系)

クルクミンはウコンに入っている成分で、AMPKの活性効果が報告されています。

データ数が多いうえに安全性と作用のバランスが良く、サプリとしては第1の候補になるでしょう。

ただし、クルクミンの利用が難しいのは、体に吸収されにくい性質があるため、大半が体外に排出されてしまうところです。

幸いにもここ数年で体内の吸収率を高めたバージョンが開発されています。

サプリメントを選ぶ際は、成分表示に次のような加工表示があるかどうかを注意してください。

・ピぺリン系

胡椒のの辛味成分であるピぺリンと組み合わせたバージョンで、未加工のクルクミンと比べて血中への移行率は最大で20倍です。

・ナノ系

クルクミンを小さくしたもので、吸収率はおよそ27倍と考えられています。

・オイル系

まだ研究例が少ないものの、およそ6~7倍の吸収率があると考えられています。

・フィトソーム系

植物由来のレシチンとクルクミンを組み合わせたタイプで、およそ29倍の吸収率を誇ります。

↓ 参考書籍

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