いま世界中の医師が生活習慣病の予防効果がある食事として注目しているの地中海風の食事スタイルです。
世界にはさまざまな料理が存在しますが、健康維持や生活習慣病の予防および改善に効果を発揮することを示すエビデンス(科学的根拠)が最も多いのは、ダントツで地中海料理なのです。
そのほかにもメンタルの改善や睡眠の質の向上、腸内環境の改善と病気のリスクの低下なども報告されており、数ある健康食のなかでも検証データの数はトップクラスで、アンチエイジングに効く食事法としては、現時点でもっとも頼りになる手法の一つでそうです。
地中海食のダイエット効果は多々ありますが、多くの研究者は「手軽にカロリーの質を上げられる」という点を重視しています。
糖質制限、低脂肪食、ベジタリアンなどと比較しても食べてはいけない食材が少ないため、「ダイエット」の面からすると、気軽に始められる食事法です。
1995~2008年にかけて世界中で行われた12の調査研究を合算したメタ分析で、地中海食の食生活を心がけることで、さまざまな病気のリスクの軽減、全体の死亡率が9%も下がったという結果が得られています。
【地中海料理がもたらす効果】
・心血管疾患による死亡率:9%低下
・がんの死亡率:6%低下
・パーキンソン病、アルツハイマー病:13%低下
食事だけでこのような効果が得られるというのは、本当にすごいことです。
地中海とはご存じのとおり、ヨーロッパ(ユーラシア大陸)とアフリカの間にある、一見、巨大な湖のように見える海のこと。
その地中海の食事スタイルと言われてもピンとこないかもしれませんが、イタリア、スペイン、ギリシャ、モロッコなどに受け継がれてきた食事スタイルの事です。
2010年には「地中海食」自体がユネスコの世界無形文化遺産として登録されました。
地域ごとに使う食材やレシピなど異なりますが、次のような特徴があります。
・オリーブオイルをよく使う。
・旬の野菜や果物を毎食食べる。
・主食となるパンやパスタには全粒粉を使う。
・魚と肉と豆類をバランスよく食べる。
・ハーブやスパイス、ニンニクなどをよく使う。
・ナッツ類をよく食べる。
ナッツ、豆類には動脈硬化を防ぐビタミンEが多く含まれ、また「ポリフェノール」が豊富で老化防止の効果があります。健康長寿のことを考えると野菜(食物繊維)は1日350gを目安に食べると良いそうです。
【おいしく食べられるのに、大きなダイエット効果】
地中海食をお勧めするのは、おいしい料理を食べながら「運動」の効果(ダイエットや体調改善効果)をより引き寄せるからです。
ダイエット目的で食事制限をするときよく用いられるのは、「低炭水化物(ローカーボ・ダイエット)か「低脂肪食(ローファット・ダイエット)」です。
実際、それらを実践してみると、低炭水化物を経験した帆とは「主食が食べられないから、エネルギーが湧いてこない」「何か物足りない」と嘆き、低脂肪食を選んだ人は「淡白なものばかりになって悲しい気持ちになる」と不満を漏らします。
その点、地中海食は(現地の人からすれば)、ごく普段通りの食事。
基本薄味ですが、その分、食材を引き立てるレシピばかりなのでおいしいです。
地中海食を頻繁に食べるようになると、スーパーで旬の食材を探すのが楽しみになり、よほどオリーブオイルやパン、パスタが嫌いという人でなければ、日本人の口にも合うと思います。
運動習慣がない人が「運動」を始めるということは、生活パターンを多少変えないといけないわけですから、ストレスがゼロということは決してありません。
それに加えて、食生活面でもいろいろストレスをかけてしまうと、「楽しさ」が減って、「キツさ」ばかり感じるようになってしまう人が増えると思います。
出来るだけ無理なく、日常生活楽しさを損なうことなく、体調を改善していくことが、継続する秘訣でしょう。まずは週に1回から「地中海食」を取り入れてみるのはいかがでしょうか。
参考書籍 ↓
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