【失敗しても諦めない!】 習慣化の秘訣

心理・思考・時間

【セルフ・コンパッション】

コンパッション(Compassion)は「同情、共感」という意味で、セルフ・コンパッション(Self ーCompassion)は、「自分を受け入れる、自分にやさしくする」という意味です。

ひとつ知っておいてほしいことがあります。

「やってやろう」と思い立って、頑張って2・3日は続いたものの、失敗して、途切れてしまうのは、さぼってしまったその日ではないということです。

1日や2日さぼっても、それで習慣が途切れてしまうわけではないのがわかっています。

だとすれば、なぜ途切れてしまうのでしょうか?

1日さぼってしまったときに自分を責めたり、自己嫌悪に陥ったりすることか、習慣を途切れさせる原因になります。

そうなることを避けるためにも、セルフ・コンパッションが求められるのです。


【自分に厳しくするとよけいに失敗する】

失敗を受容するもう少し詳しく解説します。

習慣化に限らず、何かに失敗をしたときは、失敗の原因を振り返り、同じ失敗を繰り返さないように、もう一度チャレンジしようとすることが多いと思います。

たとえばテスト勉強に失敗していい点が取れなかったとすれば、どこに原因があったかを振り返り、「テスト勉強を始める時期が遅かった」と反省したら、「次はもっと早く勉強を始めよう」と目標を立てます。

あるいは、本をたくさん読みたいと思って、週1冊、月4冊の本を読もうと目標を立てたとします。

それで結局、2冊しか読めなかったときに、来月はしっかり4冊読むぞ、となるのではなく、「今月の失態を取り返すために来月は6冊読もう」と考える人がいるのです。

つまり、失敗したことで自分を責めたり自己嫌悪に陥ると、より無茶な目標を立ててそれを取り返そうとしたり、または、「やっぱり自分はダメなんだ」と思ってそこで習慣をやめてしまうという、どちらかが起きてしまうのです。

するとどうなるかというと、無茶な目標を立てるとほぼ間違いなく挫折します。

最初の簡単な目標もクリアできなかったわけですから、さらに目標を上げて「今度はやるぞ!」と意気込んだとしても、当然挫折してしまうわけです。

この挫折が続くと自己嫌悪が高まり、自己コントロール能力も失っていってしまいます。

では、一度失敗したときに、それで挫折してしまわないためには、どうすればいいのでしょうか?

答えは簡単です。

自分を責めないようにすることです。

いい意味で自分を許して受け入れてあげる。

この姿勢が大切になるので、セルフ・コンパッションの技法を使えるかどうかは、非常に重要なポイントになるのです。

【習慣化に失敗しがちな人のメンタルとは】


習慣をやり損ねてしまったときに、「自分はなんて意志薄弱でダメなんだろう」「こんなことじゃいけない。もっとがんばらなきゃ!」と自分をむやみに責める人がいます。

しかし、「自分はダメなんだ」と思うと、もちろん続けるモチベージョンは上がらなくなりますし、人間ネガティブな感情を避けるようにできているため、習慣そのものから逃げがちにもなってきます。

さらに悪いことに、そういった人は、「自分は意思が弱くてダメだ……そうだ!来週はこの習慣を二倍やろう!」「週2でやろうと思ってたけど週4でやろう」「毎日やろう!」と、いきなり無茶な目標を立ててしまいがちです。

こうなってしまうと、そもそも無茶な目標なので必ず失敗して自己嫌悪に走り、身につく習慣も身につかなくなります。

ですから、このように考えがちな人は、なぜこうなってしまうのかを知り、それを避けるテク二ックを使ってみてください。

【失敗を自分と同化させない!】

習慣化が苦手な人の特徴は、自己効力感が低いことです。

自己効力感とは、「自分の努力や行動によって未来を変えられるという感覚」、簡単言うと「やればできる」と言う感覚ですから、自己効力感が低いということは、「やればできる」と思えず、スタート地点にすら立てないのです。

始めてみたとしても、1度や2度の失敗で「やっぱりダメだ……」「やめておこう」とくじけてしまいます。

しかし自己効力感が高ければ違ってきます。

1日さぼったとしても、「人間なんだからこういうときもある。明日からがんばろう!やればできる」と切り替えられます。

つまり、弱い自分を認めて受け入れることによって、「じゃ、どうしようか」と対策を打てるのです。

ちなみに、自分が自己効力感が高いかどうかを測るには、習慣ができなかったときに気分が落ち込みやすいかどうかで判断してください。

「ああ、またさぼっちゃった・・・」と落ち込み、「まあ、いいや。明日からまたがんばろう!」となかなか切り替えられない人は、自己効力感が高くないのです。

たとえ失敗したりさぼったりしまったりしても自己嫌悪にならず、軌道修正してもとに戻す。


「あきらめない」「自分を許す」などが、習慣化には重要になります。

佐藤さん

私も「習慣」にしたい事は、無理せず自分のペースで行ってます。2~3日サボっても、また始める・・・戻ってきたら良しとします。私の場合は、自分に甘すぎるかもしれませんね。

【諦めない為に「できた!」を繰り返し記録して達成グセをつける】

正しい儀式を作る方法で、「記録」は大事です。

日記、ブログ、家計簿、体重の変化など、記録の内容は問いません。

なんらかのデー一夕を定期的に残し続ける行為は、いずれも集中カアップの儀式として機能してくれます。

「集中カアップのために家計簿をつけましょう!」と言われてピンと来る人は少ないでしょうが、複数の研究がその効果を示しています。

たとえば、ある実験では、被験者たちに家計簿サイトを使って日々の支出を記録するように指示。

4ヶ月後に認知テストを行ったところ、家計簿を細かくつけた人ほど主観的なストレスが減り、普段の仕事にも気を散らさずに取り組めるようになっていました。

記録をつけただけで集中力が上がるというのだから、なんとも不思議な現象でしょう。

このような現象が起きるのは、「達成バイアス」、ドーパミンが大きな理由のひとつです。

記録のように簡単なタスクは手頃な達成感を与え、集中力をブーストしてくれます。

しかし、ここでさらに大きなポイントは「自己効力感」です。

記録の継続には、あなたのなかに「自分はできる人間なのだ」との感覚を増やす働きがあるのです。

手短にメカニズムを説明しましょう。

まず、どんなに小さな記録だろうが、ひたすら長く続けるうちに、「この作業はとても大事なことに違いない」と思い始めます。

「反復の法則」が働き、最初はなんとも思わなかった記録の内容が重要性を増した状態です。

さらに、ここから何度も記録をくり返すと、より興味深い変化が起こります。

「これだけ大事なことをしつかり続けられたのだから、自分には高い能力があるに違いない」という感覚が育つのです。

記録の継続があなたの自信を高め、その感覚が日々の仕事に取り組む意欲を高めてくれたわけです。

事実、先の研究でも、家計簿をつけたグループには自己効力感の増加が確認されています。

こんなことで自身の感覚を誘導できるのだから、ぜひ試すべきでしょう。

記録する内容は、どうせなら集中力の向上に役立つデータを残したいところです。

また、よく言われることですが、ゴールまでの進捗状況を記録するのも非常に良い方法です。

リーズ大学によるメタ分析では、作業の進み具合を記録した場合、目標の達成率は効果量で高くなるとのこと。

劇的な効果とまではいかないものの、十分に試す価値があるレベルです。

ゴールまでの進捗状況を記録するときは、次のポイントに注意してください。

①行動を変えたいときには、自分がとった行動だけを記録する。

②結果を出したいときには、結果への過程だけを記録する。

たとえば、減量を目指す人が食事の内容を記録すると、ダイエットが失敗に終わる確率は高くなります。

「減量」という結果を目指したはずなのに、「食事」という行動の内容を記録したからです。

体重を減らすのがゴールなら、体重計の記録に集中するのが基本中の基本。

逆に食事の習慣を変えたいなら、食べた物を記録したほうが効果は高くなります。

もう少し例を挙げてみましょう。

・貯金を殖やしたければ、貯金額の増減だけを記録する。

・タバコを止めたければ、タバコを吸わなかった日数だけを記録する。

・運動を続けたければ、ジムに行った日数だけを記録する。

ここを間違えると記録の効果は激減します。

記録をつけるときは、必ず行動と結果の対応を取ってください。

記録の効果が出るまでの目安は最低でも2ヶ月です。


即効性はないテクニックなので、数日で効果を実感できなくても諦めずに続けましょう。

↓ 参考書籍

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