マグネシウムは抗ストレス作用のあるミネラルだと言われている。
血糖値を整え、血流と血圧を最適な状態に保ち、筋肉の緊張をほぐし、身体の痛みを和らげ、神経の高ぶりを鎮めてくれる。
しかし、これだけたくさんの機能があるせいで、マグネシウムは体内で不足しがちだ。
どうやら、マグネシウムはいまの私たちにもっとも足りていないミネラルのようだ。
アメリカ人でマグネシウムが不足している人は80パーセントにものぼるという。
専門家のなかには、その数字は控えめすぎると見る人もいる。
おそらく、多く人はマグネシウム不足だろう。
マグネシウムを増やせば、身体が抱えるストレスはたちまち軽くなり、睡眠の質も改善する。
睡眠の質を高めることに加えて、健康と長生きのためにもマグネシウムは不可欠だ。
中治療に特化した学術誌「ジャーナル・オブ・インテンシブ・ケア・メディス」によると、マグネシウムが不足していると死期が早まる確率が2倍になるという。
考え方は人それぞれだが、私(著者)は自分の時間が短くなるのはゴメンだ。
健康で長生きするためには、マグネシウムがつねに足りている状態にすることがカギとなる。
マグネシウムについて、機能性医療(人体の機能にもとづく医療)に詳しいマーク・ハイマンと話をした。
彼は、クリーヴランド・クリニックに機能性医療を専門とするセンターを立ちあげた人物だ
「マグネシウムは人体に不可欠なミネラルです。300以上の酵素反応に関係しますし、骨、筋肉、脳を中心に体内のあらゆる組織に存在します。細胞がエネルギーを生みだすうえでも、ほかの物質の機能を促し、膜組織を安定させ、筋肉の緊張をほぐすためにも、マグネシウムは欠かせません」と彼は言う。
マグネシウムが体内にどの程度あるかで、深刻な問題が生じることもあれば、大きなメリヅトがもたらされることもある。
だから、決して軽んじてはいけない。
マグネシウムが体内にさまざまな影響を及ぼすことはすでに実証されているが、それに加えて、マグネシウムが不足すると慢性的な不眠症に陥るという調査報告もある。
これは貴重な情報だ。
ということは、マグネシウムを身体に増やすだけで、睡眠の質をすぐに改善できるのだ。
【マグネシウムは補給の仕方に注意が必要】
ストレスの多い社会で暮らしているうえに、マグネシウムの体内での使われ方を思うと、食べものだけではマグネシウム不足は補えそうにない。
サプリでとるのも決して最善一とは言えない。
マグネシウムの大部分は、消化の過程で失われるという。
だから、サプリで補おうとすれば、大量のサプリを飲むことになる。
しかし、価格の安いマグネシウムのサプリをとりすぎると、ウサイン・ボルト以上の速さでトイレに駆け込むことになる。
マグネシウムには腸に送る水分を増やす効果があるため、思いがけなくトイレに行きたくなるのだ。
要は、バンツを汚すハメになるかもしれないということだ。
マグネシウムは品質がすべてだ。
質の高いサプリを少量とり、マグネシウムが豊富な食ベものを食事にとりいれれば、効果は期待できる。
とはいえ、体内のマグネシウムレベルを安全かつ効率的に高めるには、皮膚に塗るのがいちばんだ。
私たちの身体は、経皮的に(皮膚を通じて)マグネシウムを吸収できる。
この事実は何百年も前から明らかになっている。
「湯船にエプソムソルトを入れると、痛みが緩和されてストレスが減少し、ぐっすり眠れるようになる」と聞いたことはないだろうか?
エプソムソルトは、硫酸マグネシウムと呼ばれるマグネシウムの一種だ。
いまは、皮膚から吸収しやすい形態のマグネシウムがいろいろある。
マグネシウムの入浴剤や一般的なマグネシウムオイルの吸収率はせいぜい20パーセントだが、私が実際に使い、クライアントにも推奨している「イーズ・マグネシウム」というスプレーは、マグネシウムの吸収率も純度も100パーセントなので効果は抜群だ。
本書で紹介する「イーズ・マグネシウムスプレー」は探せなかったので、似たような商品がありましたので、ご紹介いたします。
これを肌に塗らない夜はほとんどない。
マグネシウムを肌に塗ると、睡眠の質がさらによくなるといつも実感している。
繰り返しになるが、マグネシウムの大部分は消化の過程で失われる。
だから、純度の高い成分を肌から吸収できる形態のマグネシウムが理想だということを覚えておいてほしい。
【マグネシウムを肌に塗る】
肌に塗布するマグネシウムをベッドの脇に常備して、肌に塗ってから布団に入ろう。
塗は次の場所がお勧めだ。
1.痛みを感じる部位(筋肉痛などの箇所)
2.胸の中心(心臓はマグネシウムをもっとも必要とする臓器の一つであり、胸膜は免疫系の要だ)
3.首や肩(ここにストレスがたまる人は多い)
こうした部位にマグネシウムを塗りこんでマッサージするとよい。
スプレータイプを使うなら、 4~6プッシュが目安だ。
【葉野菜、ゴマでマグネシウムをとる】
食事にもマグネシウムが豊富な食材をとりいれよう。
ノースダコタ州グラント・フォークスにあるヒューマン・ニュートリション・リサーチ・センターに勤務するジェームス・ペンランドによると、マグネシウムが豊富でアルミニウムの少ない食事がぐっすりと深く眠ることに関係しているという。
マグネシウムは、菜野菜、カボチャの種やゴマなどの種子類、スーパーフートとして注目されているスピルリナやブラジルナッツに豊富に含まれている。
腸にダメージを与えかねない物質は、セロトニンやメラトニンを生成する妨げとなりかねない。
そういうものは避けるのがいちばんだ。
オーガニック食材や地元でとれたもの、加工されていないものを食べるように心がけよう。
そうでない食品でも好きなものなら多少は食べてもいいが、口にするものの大部分は、安全であることはもちろん、腸の健康、脳、睡眠のためになるものにしてほしい。
食事のたびに快眠の助けとなる栄養素をとっていれば、身体の内側から睡眠の質が改善されていく。
↓ 参考書籍
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