【成功する人は一つのこに集中し、成功しない人は同時にいくつものことに手をだす】
「ミツバチは刺すことと蜂蜜づくりを同時にできない」
エマニュエル・クリーバー(アメリカの下院議員)
成功するには時間とエネルギーを一つのことに集中させなければなりません。
これは達成したい対象が何であれ当てはまります。
世界を変えようと壮大な目標を持っているときも、別のアパートに引っ越すという小さな目標を持っているときも同じです。
どんなサクセスストーリーにも、その中心には何か取りつかれるほどに熱中した一人の人物がいます。
作家のJ・K・ローリングスは、経済的に苦境に追い込まれ、迫りくる貧困の危機を感じながらも執筆に打ち込みました。
こうして創作に全身全霊を捧げた結果、ハリー・ポッター・シリーズという大ヒット作を書き上げ、世界的な富と成功を手にしました。
ソマリア出身のイギリスの中距離ランナー、モハメド・ファラーや、アップル社の創業者、スティーブ・ジョブズにも同じことが言えます。
まな、あれこれと複数のことに手を出さず、目標を一つに絞り込むことで大きな成功を勝ち取ったのです。
ファラーは中距離走に特化したトレーニングをすることで、見事オリンピックの金メダルを獲得しました。
ジョブズはガレージを拠点にして、アップル社の起業に情熱を注ぎこみました。
他のビジネスベンチャーを立ち上げたりはしませんでした。
一つに焦点を絞ることは、成功の極めて重要な要素です。
とはいえ、生きていくためには誰でも「しなければならないこと」をたくさん抱えています。
それでも工夫次第では集中は保てます。
一度に複数のことに手を出さずに、一つひとつ、集中して目の前の仕事を片付けていくことです。
それぞれの活動に細心の注意を払うことで、私たちは成功を大きく引き寄せられます。
複数の仕事を同時に進行させる「マルチタスク」では、効率が落ちることがわかっています。
・一度に一つのことに集中する。
同時にいくつものことをやろうとしてしまうのは、一種の現代病です。
あれこれと一度にしようとすると、すべて中途半端になってしまいます。
メールを書く、子供とボール遊びをする、ドライブする、一人きりになって瞑想する・・・どのような行動であれ、たとえばそれに10分間を費やすなら、その時間はそのことだけに集中しましょう。
子供たちはマルチタスキングが得意だと考えているようですが、宿題をしながら友人とSNSでチャットをして、音楽を聴いている・・・そんな子供がたくさんいるようです。
お子さんがいらっしゃる方は、是非、自分から一つのことに集中する態度を示して、子供たちの見本になりましょう。
電話がかかってきたら、すべてのことをやめて電話に集中します。
それができないなら、後でかけ直しましょう。
電話で話しながらPCで文字入力をする、車の運転をしながら渋滞中にテレビを見る、といった習慣はやめましょう。
・無理な頼み事は断る。
毎回、他人の要求に応え続けることはできません。
頼み事を安請け合いばかりしていると、自分の仕事がおろそかになってしまいます。
無理な時は、きっぱりと断ることを習慣にしていきましょう。
できれば、穏やかに、丁寧に断ります。
もちろん、私たちは職場でもプライベートでも、誰かの役に立ちたいと考えています。
しかし、自分のすべきこととのバランスをとらなければなりません。
そんなときに求めに応じるか、断るか、適切な判断ができるように訓練していきましょう。
「ノー」と言いにくくても、負けてはなりません。
自分がどれほど忙しいかを説明しましょう。
事情を知れば、相手も理解してくれるはずです。
【成功する人は永続的な愛を大切にし、成功しない人は刹那的な欲望に囚われる】
「誰かを十分に愛することさえできれば、あなたは世界で一番、エネルギーに溢れた人間になれる」
エミット・フォックス(アイルランドの思想家)
愛は、素晴らしいものにもなれば、心の病にもなります。
成功者は愛をポジティブな力にして、そこから大きな活力を得ています。
愛は「刹那的な欲望」と「永続的な愛」の二つに区別できます。
・刹那的な欲望
ある対象に夢中になり、所有したいと強く思うことです。
衝動買い、浮気、新車やおもちゃへの強い欲望などが典型的な例です。
人やモノを強く欲しているときに感じる刹那的な欲望は、私たちを一時的に興奮させます。
しかし、それは長続きしません。
こう興奮を保つには、新しい靴を買い続けたり、浮気を続けたりしなければなりません。
私たちがこうした快楽の瞬間を求めるのは、心の隙間を埋めたいからです。
自尊心の低さ、自信の欠如、頭から離れない悩み事などを忘れたいのです。
このタイプの愛を求めることで、「成功した」という感覚を瞬間的には味わえるかもしれませんが、真に成功した人生にはならないのです。
樺沢紫苑先生のドーパミン的幸福とは・・・ ← 関連記事
・永続的な愛
一見すると、刹那的な欲望よりも興奮せず、格好も良くないと思えます。
しかし、外見に騙されないでください。
この愛は、真に成功した人生をつくるために不可欠です。
これは、私たちが有意義な人間関係で感じ、経験する愛です。
あなた自身が心から受け入れられ、相手と結びつくような関係です。
家族やパートナー、子供、同僚、友人と・・・
こうした人間関係を発展させることは難しいかもしれません。
途中で逃げ出したくなるかもしれません。
しかし、粘り強く関係を築いていけば、やがてこの愛の境地にたどり着けます。
樺沢紫苑先生のオキシトシン的幸福とは・・・ ← 関連記事
あなたはどちらの愛に、自分の時間とエネルギーを注いできましたか?
・自分自身を愛する。
成功を手に入れる秘密は、「永続的な愛」で自分自身を取り囲む事です。
それは、まずあなたがあなた自身を愛することから始まります。
これは簡単なことではありません。
私たちは他人やモノへの愛は簡単に表現できますが、自分自身を愛しているということには抵抗を覚えます。
自分のことを理解し、受け入れ、許しましょう。
人は誰でも完璧ではなく、あなただけが欠点や弱点を抱えているのではないことを理解し、どんなに不完全でも、自分のありのままを認めてあげて、過去の過ちや失敗のことでいつまでも自分を責めるのはやめましょう。
・「永続的な愛」に焦点を移す。
一時的な興奮や快楽をもたらす「刹那的な欲望」ではなく、真に豊かな気持ちをもたらしてくれる「永続的な愛」を追い求めることに多くの時間を費やすことを始めましょう。
正直に、自分自身の人生を見つめ直しましょう。
興奮やスリルばかりを求めてはいないでしょうか?
「刹那的な欲望」を求めることを少しずつ減らしながら、「永続的な愛」で身の回りを埋めていきましょう。
あなたにとって本当に重要な人間関係にもっと多くの時間と労力を費やしましょう。
意志さえあれば、決して難しくありません。
あなたには、人生で「永続的な愛」を育んでいく無限の力が備わっているのです。
【成功している人は「今、ここ」に集中し、成功しない人は「過去と未来」に気をとられる】
「マインドフルネスとは、願望や後悔を抱かずに、目の前の現実をただありのままに受け入れることだ」
ジェームス・バラズ(アメリカの瞑想教師)
イギリスの刑務所では、囚人の暴力的な衝動を抑えるためにマインドフルネスの技法を教える計画があります。
企業でも、従業員に日常生活や仕事にマインドフルネスを活かすためのコースが多く提供されるようになっています。
マインドフルネスとは、今この瞬間に意識を集中されることで、過去の不安や将来のストレスを取り除いでいくことです。
目の前の現実に、静かな注意を向けていくのです。
これから起こり得ることを心配したり、過去の過ちを悔んだりするのではなく、心を落ち着けて目の前の現実に意識を向ける。
それがマインドフルネスの核心です。
現代人は雑念で頭をいっぱいにして、目の前の出来事に集中できなくなっています。
ドライブ中にずっと考え事をしていて、いつの間にか目的地に辿り着いていた、という経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
マインドフルネスは、過去を過去に、未来を未来に留まらせます。
これから起こることや、すでに起こってしまったことを気にせず、今この瞬間にただ存在するのです。
そして、次のような思考を手放すことです。
・過去のことを思い出し、後悔や罪悪感を覚える。
・将来への不安で頭をいっぱいにする。
・明日の結果を恐れて、今日何かをすることを躊躇する。
・瞑想で雑念とうまく付き合う。
私たちの心の中に、毎日、何千も雑念が通りすぎていきます。
これらをすべて完全に消し去ることはできないかもしれませんが、減らすことはできます。
次のことを目標にしましょう。
・雑念にいちいち注意を向けない。
・頭に浮かぶ雑念の数を減らす。
静かに心を落ち着けるには、瞑想が効果的です。
瞑想には様々な方法やスタイルがあります。
自分に合ったものを見つけましょう。
直接インストラクターの指導を受けるのもいいですし、音声ガイド付きのCDやYouTube動画も利用できます。
瞑想の実施中には、頭に浮かんでくる雑念に意識を向けず、やり過ごすことを学びましょう。
次の雑念が浮かんでくる間に、沈黙の瞬間が存在するようにします。
呼吸と身体だけに集中する、静かな瞬間を楽しみましょう。
定期的に瞑想を実施することで、次第に心が穏やかになり、過去や未来に気を取られることなく、現在を生きることができるようになっていきます。
・速度を落として、目の前の瞬間を味わう。
立ち止まり、周りを見渡してみましょう。
目の前で起きていることを観察しましょう。
いま起こっていること、いま感じていることに注意を向ける訓練をします。
過去を悔やみ、明日に怯えることに心が流されないようにします。
絶え間ない不安から離れ、心に安らぎを与えるために、できるだけ多く、いまこの瞬間を味わいましょう。
食事をするときは、余計なことで頭をいっぱいにしてしまわないように、食べ物や一緒にいる人、身の回りのものに目を向け、今この瞬間を楽しみましょう。
↓ 参考書籍
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