【食べ物が老化に与える影響】 ジャンクフードと老化の関係

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ファーストフードを代表するジャンクフード。


皆さんはこのジャンクフードの定義をご存じですか?

なかには、ファーストフードだけがジャンクフードだと勘違いされている人も多いようです。

ジャンク(junk)とは「くず・ガラクタ」のことを指し、「食べる価値のないもの」という程度の意味になりますが、もう少し具体的に言えば、カロリーは高いけれど、体に良い栄養素であるミネラルやビタミンが少なく、吸収の速い炭水化物と体に悪い脂質、そして添加物が多い食べ物のことです。

ファーストフードのフライドポテトやハンバーガー、ドーナツやポテトチップス、ポップコーンなどもそうですし、スナック菓子などのお菓子類などもジャンクフードです。

意外にジャンクだと思われていないのが、ケーキやアイスクリーム。

これらもミネラル・ビタミンはほとんどありませんから、ジャンクフードに該当します。

もっと言えば、パン類もほとんどジャンクフードです。

菓子パンは当然、精製した小麦粉で作ったパンやバターをたっぷり使ったパンはそれ自体吸収の速い炭水化物であり、脂質も豊富。

しかも、パンに多く使われるマーガリンやショートニングなどの人工池脂や保存がきくものは添加物も多く、とても健康的とは言い切れない食べ物です。

ひどい食生活といえば、1食をカップ麺等のインスタント食品のみにしたり、菓子パンを2つとコーヒー牛乳のような甘い飲料で食事としたりしている人もよくいますね。

これで痩せたいから腹筋運動やランニングを始めたなんて言われたら、本当にやるべきことが間違っている!と言いたくなります。

まずやるべきは、運動ではありません。

そんなものを食事だと思ってること自体、改めるのが先決です。


【日本人はプラスチックを食べている】

ジャンクフードには、他にも「トランス脂肪酸」の問題があります。

トランス脂肪酸とは、人間が保存期間を長くするなどのコストダウンの目的で通常の油に水素を添加し、元素記号を変化させてしまった自然界にはない脂肪酸のことを言います。

いわば化学物質、プラスチックを体内に摂り込んでいるようなものです。

これが含まれた不自然な食べ物が私達の体内に入ってくると、消化器官に大きな負担となり、またそれが摂り込まれることで多くの病気を引き起こす原因となっていると言われています。

トランス脂肪酸が含まれている食べ物で代表的なものがマーガリン。

マーガリンは一時期植物性の池脂だから動物性油脂でできているバターより健康に良くて低カロリーなどと言われて、もてはやされていた時期がありましたが大きな間違いで、すでに過去の話です。

植物性由来であることは間違いありませんが、人間が不自然に元素を変えてしまった時点で自然の食べ物ではなく化学添加物です。

「狂った油」とも言われているこのトランス脂肪酸は、すでに何年も前から欧米をはじめとした諸外国では対策がなされ、アメリカでは、2006年1月から加工食品の栄養成分表示において、総脂肪、飽和脂肪酸、コレステロールに加えてトランス脂肪酸量の表示を義務づけられています。

特にニューヨークでは2007年6月より「外食産業でのトランス脂肪酸使用禁止」という規制がかかりました。

最近のニュースでは2013年11月、アメリカ食品医薬品局(FDA)がアメリ力全土でトランス脂肪酸の食品利用を事実上禁止する方針を発表しました。

どういうことかというと、トランス脂肪酸が入っている食べ物をお客に出したら犯罪になるのです。

ホテルで出てきたパンの横にマーガリンが置いてあったら捕まるということです。

アメリカはジャンクフード大国のイメージがある人も多いかと思いますが、そのジャンクフードにさえトランス脂肪酸は使ってはいけない状態になっています。

アメリカ以外のヨーロッパの国々でも多くがその規制を強め、お隣の韓国でも規制が相次いで「トランス脂肪酸ゼロ化」を宣言。

中国でもトランス脂肪酸の含有量の表示を義務付けています。


ところが、日本では規制がまったくない野放し状態です。

厚生労働省の調査によると、日本人のトランス脂肪酸の平均摂取量は、1日あたり0.92~0.96グラムという数字で、1日あたり5.8グラムのアメリカ、1日あたり1.2~6.7グラムのヨーロッパと比べて少ない傾向にあるため、直ちに規制をする心配はないという見解を示し、政策としては出されていません。 

例によって、いわゆる「直ちに影響はない」ということでしょうか。

では、日本人は大丈夫と安心してしまうのはいかがなものでしょう。

日本では過剰摂取を控え、減らしていこうというレベルですが、世界最先端のアメリカでは「食品から排除すべき危険物」と捉え、利用を禁じています。

そんな食べ物を、ぬくぬくと野放しで売っている日本は、安全な国なのでしょうか。

一度売り場で食品原材料を確認すればすぐわかりますが、日本のコンビニで売られている食べ物の多くに、マーガリンやショートニング、ファットスプレッドなどのトランス脂肪酸が入っています。

コストダウンのために使われているこのトランス脂肪酸の規制が入れば、当然食べ物のコストは上がり物価が上昇するわけです。

ここにも国全体としての問題が出てきそうですから、先進国の中でも栄養学が最低レベルと言われている日本は、今後も諸外国から大きく水をあけられるのは間違いないようです。

【血糖値が高い人ほど早く老ける】

他にもジャンクフードの危険性として言われているのが、AGEsという物質です。

AGEsとは、「Advanced Glycation Endproducts」の略称であり、日本語に直すと「最終糖化産物」になります。

ホットケーキを焼くと、きつね色になりますね。

これは、タンパク質と糖が熱で結合した結果出る「メイラード反応」というもので、簡単にいうと「糖化」というものです。

皆さんが炭水化物を摂取すると、血糖という形で全身に運ばれますが、内の筋肉や皮膚などのタンパク質と結合してAGEsを作り出します。

それがシミやシワ、皮膚のたるみなどの原因ではないかと言われているのです。

外的なものだけではなく、糖の摂りすぎによる白内隙や、心臓病の原因もAGEsが関わっているそうです。

血糖値が高いと体内のAGEsが多いとされていて、死亡や病気リスクも一気に高くなる傾向にあります。

血糖値が高い人ほど老ける速度が速いと言われているのも、AGEsが関係しています。

AGEsはできるだけ急激に血糖値を上げるような食品を選ばないようにし、多量に摂取しないことで増加を防ぐことができます。

しかし、AGEsは体内で生成されるだけではありません。

熱処理してすでに糖化した食べ物自体に含まれていて、その約7%が体内に取り込まれるのです。

世の中の食べ物は、ナマモノや発酵食品でない限り、たいていが熱処理をされています。

AGEsはこの時に発生すると言われていて、これを体内に多く取り入れると、老化につながるのです。

AGEsを摂取して即、体に影響が出るということはありませんが、ジャンクフードのAGEsの含有量はとてつもなく多く、さらに糖度の高い清涼飲料水などを、合わせてしまうとそれこそ最悪の状態になってしまいます。

細胞の老化=糖化と知っておくとよいでしょう。

私達が普段口にしている不自然な食べ物は、着実に体に悪影響を与えつづけています。

単純にカロリーや食べる量だけに捉われていると、このようなもっと重要なことを見落としがちです。

体重が減ってもシミやシワが増えて老けて見えたり、血糖値が異常になって糖尿病予備軍になっては意味がありませんよね。

必要な栄養素を自然な形で摂取することが、美しくダイエットを成功させるためには非常に重要なのです。

体脂肪は、本来体にあるべき反応を起こさせないと燃焼できません。

それは、運動で筋肉を増やすということではなく、ホルモンや内臓機能を正常に働かせ、目的通りに体に変化を起こさせるということが大前提です。

基礎代謝量の内訳のほとんどが内臓であると前述した通り、不自然なものを食べだり、お酒を飲みすぎると、それを解毒するために肝臓や腎臓には常に大きな負担がかかります。

これら二つの内臓は筋肉による代謝より大きいわけですから、どんなにカロリーを抑えても、そのために内臓に負担をかけて全体の代謝を落としていては、ダイエットとして非効率的です。

脂肪燃焼効果があるサプリメントや、不自然に作られたダイエット食品を利用するより、今ある自分の体を最大限に働かせるために、体に良い食べ物を摂取することこそが、ダイエットおよひ老化防止に必須なのです。

↓ 参考書籍

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