【サプリはライフスタイルを見直した後に】
ぐっすり眠りたくて薬やサプリに頼ろうとする人は多いが、それには注意が必要だ。
理想を言えば、サプリに頼るよりも、よく眠れない原因となっている生活習慣に対処するほうが先にこないといけない。
薬やサプリに飛びついても、症状が治まるだけで、長い目で見れば身体によくない何かに依存する可能性が高くなる。
まずはアドバイスに従って、自分自身のライフスタイルに目を向けてほしい。
それでもやはり必要だと感じたら、睡眠を助けてくれる天然素材のサプリもとりいれればいい。
そこで、影響力が比較的穏やかなものをいくつか紹介する。
効果が長年にわたって実証されているものから順に見ていこう。
【カモミールは神経系を鎮める】
カモミールは何千年も前から治療に使われているハーブだ。
皮膚のトラブル、炎症、心疾患などその用途は幅広い。
いまでは、古代から活躍してきたこの植物の真の効能を実証する研究がたくさんある。
たとえば、分子医学に特化した『モレキュラー・メディスン・レポーツ』誌に、カモミールに含まれるフラボノイドには強力な抗炎症作用があり、CoⅩー2という酵素の活動を衰えさせて物理的な痛みを和らげるという記事が載っていた。
その記事では、カモミールは鎮痛剤や睡眠導入剤として利用可能だとも断言している。
鎮痛効果が現れるのは、アピゲニンと呼ばれるフラボノイドのおかげらしい。
これはカモミールティーに豊富に含まれ、脳内のGABA(ガンマアミノ酪酸)受容体と結合する性質があるため、それによって神経系の活動が自然と鎮まる。
繰り返しになるか、アビゲ二ンはは食べものや薬草に含まれる天然の化合物なので、身体にいい効果をもたらすと思われる。
悪い副作用がたくさんあるとは考えづらい。
また、抗ガン作用の高い化合物にも、含まれているという。
腫瘍学の専門誌『インターナショナル・ジャーナル・オブ・オンコロジー」や薬剤の専門誌『ファーマシューティカル・リサーチ』で、アピゲニンにはさまざまなガン(乳ガン、消化管ガン、皮膚ガン、前立腺ガンなど)を防ぐ効果があり、ガン性細胞を選んで攻撃する性質があることが明らかにされた。
カモミールはこれまで、眠りを誘うハーブとして扱われてきた。
現代になってさまざまな実験が行われた結果、その効能が実証されたのはもちろん、ほかにもたくさんのメリットが実証されている。
神経系を鎮める効果や筋肉の緊張を緩和する効果をはじめ、身体が睡眠を必要としているときによく眠れるように身体を整える効果もあるという。
カモミールは、寝る前にカモミールティーとしてとるのがいちばんだ。
オーガニックのティーバッグで滝れたカモミールティーをカップ1杯飲むだけで、寝る準備はしっかり整う。
【ストレスを低減するカヴァカヴァ】
これは美しいフィジーの島々に生育する植物で、根をすりつぶしてお茶にしたものがフィジーの国民的飲料となっている。
カヴァカヴァには鎮静作用があると言われていて、不眠の治療や疲労の回復によく使われる。
2004年の精神薬理学の専門誌『ヒューマン・サイコファーマコロジー』でも、カヴァカヴァ300ミリグラムの摂取により、気分が明るくなり認知力も向上するという研究結果が報告されている。
ほかにも、不安の兆候や症状を減らす効果があるとする研究もいくつかある(不安を抱えた状態は、当然不眠をもたらす)。
睡眠に関しては、睡眠の質を改善し、寝つくまでの時間を早める効果があるというデータに注目してもらいたい。
夜のリラックスしたひとときに、カップ1杯のカヴァカヴァティーを飲むことを習慣にするとよい。
【夜中に目が覚めにくくなるヴァレリアン(セイヨウカノコソウ)】
このハープは個人的にいちばんお勧めだ。
鎮静作用があり、これを摂取すると寝つきがよくなり、夜中に目が覚めにくくなる。
ヴァレリアンの根は薬として扱われていて、根をすりつぶした液体や、フリーズドライされて粉末状になったものがある。
ヴァレリアンをお茶として飲むなら、ティーバッグのものでもいいし、乾燥させた根(2~3グラム)にカップ1杯ぶんのお湯を注いで5~10分待ち、それを漉して飲んでもいい。
ちなみに、カモミールとカヴァカヴァも、ヴァレリアン同様に原液や力プセルの形態でも入手できる。
【化学物質でも効果を期待できるサプリ】
先に紹介したものと違って植物由来のものではないサプリもある。
5HTP、GABA、Lトリプトファンはそれぞれ異なる化学物質だが、慎重に量を制限して摂取すれば、さまざまなメリットが期待できる。
5HTPはセロトニンの前駆体となる神経伝達物質だ。
私たちの体内にあるセロトニンは、メラトニン(よく眠れるようになるホルモン)へと姿を変える。
メリーランド大学メディカル・センターがまとめた調査では、5HTPを摂取したグループは、偽薬を摂取したグループよりも寝つきが早く、眠りも深かった。
また、セロトニンを刺激するためには、夜に200~400ミリグラムの5HTPを摂取するのが望ましいという。
ただし、効果がはっきりと現れるまでに6~12週間かかるようなので注意が必要だ。
GABAは中枢神経系の重要な神経伝達物質の一つだ。
脳内で抑制作用を発揮する主要物質でもあり、興奮を促す物質の働きを抑える役割を果たす。
GABAの鎮静作用のおかげで、摂取するとストレスの悪影響が減るという人もいる。
GABAの摂取を考えているなら、夜に500ミリグラム摂取することから始めるとよい。
あるいは、GABAの前駆体物質である、ピカミロンやフェニバットの摂取を検討してみてもいい。
Lトリプトファンは5HTPの前駆体である。
5HTPを食べものからとることはできないが、Lトリプトファンが豊富な食べものはいくつかあり、ターキー、鶏肉、カボチャ、ヒマワリの種、コラードグリーン、海藻などに含まれる。
どれも食事にとりいれられるが、効果を期待する量としては不十分かもしれない。
Lトリプトファンはサプリとして売られているので、食事に加えてサプリで補給が可能だ。
寝る90分前に摂取するのが望ここにあげた三つの物質は、ほかのサプリと同じで人によって効果は違う。
誰かにとっては奇跡の薬となって、睡眠のサイクルを劇的に改善してくれるかもしれないが、別の誰かが同じものを飲んでも、おかしな夢を見るようになったり、飲む前より目覚めが悪化したりするかもしれない。
要するに、効果の有無は自分しだいということだ。
これはサプリに限った話ではなく、食べものや運動にも言える。
どれがいちばん合理的か、どれがいちばん安全か、長期的に見てどれがいちばん効果があるかは、自分で試してみないことにはわからない。
【メラトニンの摂取には注意が必要】
睡眠のためのサプリがテーマだというのに、メラトニンが入っていないと思った人もいと思う。
メラトニンのサプリは、近年とても人気がある。
それだけ睡眠の問題が社会に蔓延しているということだ。
専門家の多くは、メラトニンのサプリがよく効く人は一定数いると認めている。
しかし、メラトニンの摂取はホルモンの摂取だということを忘れてはいけない。
セロテストステロン療法やエストロゲン療法といったホルモン療法があるが、副作用や何らかの問題が生じるリスクがついてくる。
私たちの身体には、体内にあるメラトニンを活用する力が自然に備わっている。
しかし、メラトニンをサプリで補給していると、その力が衰える恐れがある。
人間をはじめとする生物の生体リズムに特化した『JBR』誌に、メラトニンを摂取するタイミングを誤ったり、量をとりすぎたりすると、メラトニン受容体の感度が鈍る恐れがあるという研究が載っていた。
つまり、メラトニンを活用する働きが、いつ止まってもおかしくない状態になるかもしれないということだ。
メラトニンのサプリを常用している人の多くは、量がどんどん増えていくことに気づいているはずだ。
また、睡眠障害の認定医であるマイケル・J・ブレウスも、メラトニンのサプリを飲んだからといって、必ずしも睡眠の質が改善するとは限らないと述べている。
「メラトニンはホルモンであり、ビタミン剤とは訳が違う」と彼は言う。
メラトニンサプリヘの依存や、メラト二ンを活用する力の喪失を望まないのであれば、メラトニンの補給は避けたほうがいい。
試すにしても、いちばん最後にするのが無難だ。
メラトニンの前駆体のほうが多少は安全性が高いと言えるが、やはり注意が必要だ。
睡眠を安定させるために頼るなら、正常な睡眠パターンを確立したいときや、旅行やサマータイムなどで乱れた睡眠パターンを元に戻したいときに、正常なパターンができるまでの期間限定で使うといい。
睡眠の改善を図るときは、安全なものや確かなもの、自然のものから試してほしい。
サプリはあくまでも、自分で対策を講じても足りないときにだけ補給するものだと覚えておいてほしい。
個人的に「睡眠サプリ」を使用してみましたが、変化はありませんでした。私には効果はない?薄い?ようです。調べると「ハーブ系」が多く、睡眠障害に悩む人は調べてみるのもいいでしょう。ですが、やはり生活習慣が一番です!まずは自分の行動から見直して、どうしてもダメならサプリの順番ですね。
↓ 参考書籍
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