オジサンのだじゃれは「愛されたい」のサイン

心理・思考・時間


【若者言葉と親父ギャグの意外な共通点】


つまらないだじゃれを言うのは、ほとんどが中年男性。


親父ギャグとはよく言ったものです。


何かにつけてだじゃれを連発しては、周囲をうんざりさせます。


若い人からは「さむっ」と露骨に嫌な顔をされ、家族からはすでに相手にされていないのに、親父ギャグを止める気配はありません。


なぜでしょう。


その心理の根底には注目を浴びたい、愛されたいという思いがあるのです。


最近の中年男性が職場で目立つには、際立つ容貌でお金をかけたセンスのいいファッションをまとい、役職つきで仕事ができ、なおかつ部下からの信頼も厚くなければなりません。


普通の中年男性には、かなりハードルが高いのです。


加えて、中年男性は大抵、家庭での存在も希薄です。


何十年も前に作られた広告コピー「亭主元気で留守がいい」がいまだに死語にならないのは、妻や子供の本音だからでしょう。


そこには、世のお父さんたちの孤独な姿が浮かび上がってきます。


そこで、だじゃれの登場となるわけです。


うんざりされても、だじゃれを飛ばせば周囲が目を向けてくれ、存在感を示せる。


親父ギャグにはこんな背景があるのです。


ただし、注目されたいと願っているのは中年男性だけではありません。


若い女性たちが、「かわいい~」や「すごーい!」を連発する心理も、お父さんたちと同じ。


自分の存在をアピールしたいのです。


かわいいと言って注目を集め、それをきっかけに人とつながりを持ちたいと考えています。


突き詰めれば「愛されたい」という思いに重なるもの。


親父ギャグと「かわいい!」世代断絶の象徴のようなこの二つも、心理を知れば両者の距離が少しは縮まる気がするものです。



【距離を置いてつき合いたい人とは敬語で話そう】


親父ギャグとは対照的に、いつでも堅苦しい話し方をする人がいます。


男性だけでなく、女性にも少なからずいるでしょう。


しっかりとした印象があり、的はずれでもないので声に出して違和感を訴える人は少ないのですが、何か物足りないと感じる人が意外に多いのです。


身近な人に当てはめてみるとわかりやすいでしょう。


たとえば会社の上司が、あなたの提案に対してはっきりと「いい」「悲い」を名言する一方で、流行歌のフレーズを引用するなどフランクな会話を交えてくれるタイプであった場合と、真面目一辺倒で冗談の一つもなく、間遥ったことは言わないけれども、「これはあまりよくないと思う」などと無難にその場をやりすごそうとする印象のあるタイプだった場合と、どちらと仕事をしたいと思いますか?




一般的に、前者は多少の批判はされても相手に親近感を与えるため、支持されやすいのです。


一方、後者のような物言いをする人は、自分の言葉で語るる自信がないか、あるいは本心は別にあると考えられます。


会話をしていてどこか物足りなさを感じる要因も、ここにあるのです。


何度も会っているのに敬語できっちり話す人も、本心は別にあるかもしれません。


もっとざっくばらんに会話してもおかしくない関係なのに、それをしないのは相手を拒否しているから。


心の中では、ご近所だから、取引先だから話はするけれど、親しくは付き合いたくないと思っているのかもしれません。

↓ 参考書籍

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