【日常の「慣れ」が夢と希望を失わせる】
朝起きて、顔を洗い、たいして食欲もなく、あわただしく朝食を摂り、大急ぎで着替えて仕事に出かける。
そしていつもと似たような仕事をして、いつもの顔ぶれに、いつものように時間が過ぎ、疲労をかかえて帰宅する。
そんなふうにワンパターンの生活を送っていると、一年はあっという間にたってしまいます。
まさに十年一日のごとし、年々そのスピードが速くなっていくような気もします。
しかし、これはひとつの悲劇です。
まじめに一生懸命、がんばって生活しているつもりが、心とは裏腹に、人生の夢や希望をひとつずつ握りつぶしてしまっているのです。
せっかくの能力や可能性も磨耗し、色あせた人生を引き寄せてしまっています。
けれど、ちょっと見方や考え方を変え、いつもの習慣を少し変えることで、いきいきとした人生を再び取り戻すことはおおいに可能です。
特に、朝の習慣を変えることは大きな効果をもたらします。
なぜなら、朝の習慣が一日のありかたを決定づけ、ひいては人生の長い月日を支配していくからです。
たとえば、毎朝の習慣として、その日に成すべき仕事がとてもうまくいっているシーンを想像する時間を設けてみるとどうなるでしょう。
大きな契約をまとめているシーン、上司にほめられているシーン、同僚たちと喜びあっているシーンなど、こうありたいと思う成功シーンをリアルに想像してみてください。
すると、実際にその場に臨んだときに落ち着いた行動がとれるのはもちろん、頭で想像したとおりにうまく事が運ぶ確率が驚くほど高まるのです。
これは、想像することによって目標達成の指令が強く脳にインプットされるためです。
そして、指令を受けた脳がすべての行動をコントロールし、想像イメージを現実の世界に表現しようとするからです。
こうした生理的な仕組みについて正しい認識を持ち、上手に活用していくと、毎日の生活はまるで見違えるように活性化していきます。
朝の目覚めの瞬間から、今日はどんないいことが起こるだろうとワクワクします。
さて、みなさんにお伝えするのは、思いどおりの人生を手に入れるための理論と実践方法です。
大脳生理学をベースとする科学的な裏付けのある確かな方法が、本来あなたに備わっている可能性と自己実現の力を、無理なく無駄なく引き出してくれるはずです。
ただし、はじめに申しあげておきますが、夢や希望をたちどころに叶える「魔法の処方箋」ではありません。
著者がお伝えするのは、世によくある「成功の哲学」の類ではなく、世界にたったひとつの「成功科学」なのです。
朝たった3分、あなたが実践に移すことで、理論の真髄が本当に理解できると思います。
その成功科学の理論と実践方法は、すでに多くの方々を成功へと導いています。
そうしたみなさんが一様に口にするのは、心にも体にもふつふつとエネルギーが湧いてきた、驚くべきことが起こるようになった、というものです。
だからといって、これは奇跡でも魔法でもありません。
大脳生理学と神経工学、生化学の原則による当然の結果なのです。
実践を開始して一週間もたたないうちに、みなさんの中で何かが確実に変化しくと思います。
表情が柔らかくなり、全身に活力がみなぎってくる。
街を歩けば、求めていた情報がまるで吸い寄せられるように集まってくる。
それまで見過ごしていたものが見えてきて、聞こえなかったものが聞こえるようになる。
そして、何事もスムーズに運ぶようになり、今までよりはるかに楽に生きられるようになるはずです。
出会いにも恵まれ、まるで大河の流れに乗るように、自分の進むべき道がくつきりと見えてくるでしょう。
さらに、三週間が過ぎる頃になると、自分だけでなく周囲の反応も変わったという手応えを、はっきりと実感できるようになります。
つまり、みなさんも、みなさんを取り巻く環境も、いろいろなことが好転しはじめるのです。
エネルギーが湧いてくるというのは、決して誇張ではありません。
エネルギーか高まるにつれ、さらなる高い目標を目指すこともできます。
体を鍛えると強くなり、強くなればさらに体を鍛えることができる。
楽器を練習すればするほどうまくなり、さらに難しい曲を演奏できるようになるのと同じです。
そうした好循環の波に乗ると、本当に驚くべきことが起こりはじめます。
まず、説明のつかない直感がはたらくようになります。
それは、意識の空間が広がり、無意識のうちに達成方法をつかみとってくるようになるためです。
また、出会いたいと思っていたとおりの人に巡り会えたり、連絡をとろうとしていた人から電話がかかってくるなどの偶然の一致も、毎日のように頻繁に起こります。
そうなるともう、みなさんの日常の行動はすべて、目標実現へと一直線につながっていきます。
次々と頭に浮かぶプランをまとめたり、助力してくれる人たちと話し合ったり、ひたすら夢に向かって生きることが楽しくてたまらなくなります。
さあ、これだけの変化と前進を、ぜひ体験してください。
過去にできなかったから今後もできない、と決めつけてはいけません。
自分の未来をつくれるのは、自分しかいないのです。
今この瞬間からどうするか、それがすべてです。
【習慣の殻を破れる人、破れない人】
「毎朝一杯、新鮮な野菜ジュースを飲まないと調子が出ない」こういう人の気持ちはよくわかります。
トマト、セロリ、パセリ、にんじんなど各種の野菜、リンゴやキウイフルーツなどの果実もあわせてミキサーにかけ、トロリとはちみつ甘い蜂蜜を加えて飲む。
身も心もリフレッシュして、健やかな一日のスタートが切れます。
「日が暮れる頃になるとビールが恋しくてたまらない」こういう人の気持ちも痛いほどよくわかります。
一日の仕事を終え、冷えたビールをぐっとあおるときの快感は、生きていてよかったと叫びたくなるほど強烈です。
これがあるからがんばれる、という人も多いでしょう。
みなさんにもきっと、毎日同じように繰り返す生活習慣がいくつもあるはずです。
長年にわたって慣れ親しんできたものなら、それがみなさんにとって快適だからに違いありません。
これを続けていれば大丈夫だという、大きな安心感もあるでしょう。
こうした日常感覚は、誰にとっても大切なものです。
日常の生活が安定していなければ、人は混乱してしまい、うまく生きていくことができなくなります。
しかし、慣れは人生を安定させるが、変化がなければ成長できないというのも事実です。
成長したいと思うなら、これまでの日常になかったことを経験したり、ときには、夢にも思わなかったことをしてみる必要があります。
つまり、成長するために習慣の殻を破るのです。
日常のマンネリ化を打破するのです。
だからといって、何もことさら身構えたり、不安に思うことはありません。
日常の習慣を少し変えたところで、人生における安定感は揺るぎはしません。
それよりもむしろ、興味や好奇心の幅が広がり、自信やゆとり感もいっそう増してくると思います。
裏を返すと、常にいきいきと人生を楽しんでいる人ほど、習慣の殻を破るのが上手なのです。
マンネリ化してきたな、と感じる前に、暮らしに新鮮な空気を取り込むことも長けているです。
そういう人は、自分を取り巻く環境が少々変わったくらいで、おおげさに騒いだり、あわてたりすることはありません。
いつ、どこに、どんなふうにしていても、自分は自分であるという強い自信とゆとりが十分に備わっているからです。
つまり、日常感覚を柔軟にしておくと、ちょっと不慣れなことに向かう場合も、ストレスが小さくてすむのです。
たとえば、知らない人に会ったり、知らない場所に出かけたり、新しい役割や責任を引き受けたりするとき、過去の経験とはまったく違っていても、自信を持って落ち着いていられるようになります。
ですから、ちょっとした変化を受け入れる試みは、人生を上手にコントロールするための効果的なレッスンになります。
チャンスをモノにし、大きな夢を実現できるかどうかは、日常にどう変化をつけて生きるかにかかっているということです。
さて、一日の中でも特に、朝の習慣は大きな意味を持っています。
「朝の習慣」を変えると人生はうまくいく!という書籍がたくさんあるように、朝の行動がいかにその日を左右するのか決まってしまいます。
それを直感的に正しいと見抜いた人ほど「朝の習慣」を変えている人が多いのでしょう。
何をどう変えるといいのか、どんな変化が起こるのか、強く突き動かしたのではないでしょうか。
そんな現在の姿をたとえるなら、卵という殻の中で限界まで成長しきったヒナ鳥のようなものといえるかもしれません。
すくすくと育った長い手足を伸ばし、豊かにはえそろった羽毛を広げてやるために、自ら殻を破って外界へ飛び出す時期にきているのです。
殻の中には、養分がたっぷりと蓄えられていました。
あなたはその養分をすっかり吸収しつくし、血肉としてきました。
ですから今、みなさんは外界へ出るにあたって、ヒナ鳥の羽毛に相当する衣をしっかりと身につけています。
裸で外へ飛び出すわけではありません。
しかし、外界でもみなさんの成長は続いていきます。
鳥が季節によって羽毛をはえかわらせるごとく、みなさんも成長にあわせて、それまで着ていたものを脱ぎ、祈しい衣に着替える必要が生じてきます。
つまり、絶えず習慣の殻を破って脱皮し、マンネリを打倣し続けていくことが求められるのです。
そうした新陳代謝が活発であってこそ、人生をグレードアップしていけるのです。
最後にもう一度言います。
みなさんは殻の中にいて、限界まで成長しきっています。
そして今、脱皮の時期を迎えています。
薄い殻の向こうに、外界の明るさがほのかに感じられませんか?
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【よいサイクルに変えるチェックポイント】
「ヘビの抜け殻は金運アップや開運に効く」という説があります。
ヘビはその一生で、幾度も全身脱皮を繰り返します。
こうした生態にあやかって、経済の新陳代謝を活発にしたい、金運を上げたい、何度でも生まれ変わってマンネリ知らずの楽しい人生を送りたい、との願いが込められているようです。
しかしよく考えてみると、私たち人間の一生も、成長と脱皮の連続なのです。
要は、それが上手にできるかどうかで、人生の質が決まってくるのです。
ひとたび成長と脱皮の好循環サイクルに入ると、常に新しく生まれ変わる自分を発見できるようになります。
生活も人生もマンネリ化どころか、まさに驚きの連続となります。
変化・成長・脱皮というプロセスを繰り返すことで、どこまでもグレードアップしていくことができるのです。
では、どうすればその好循環サイクルに入ることができるのか。
上手に波に乗るコツや秘訣があるのだろうか、とお考えですね。
コツや秘訣となる答えはただひとつ、けれど具体的な実践方法はこんなにもたくさんある、ということがわかっていただけるでしょう。
ここでは、下準備の方法についてお話しします。
何よりもまず、みなさんが自分自身についてよく理解しておく下準備が大切なのです。
第一のステップは、言語パターンを自覚することです。
みなさんがふだん何気なく口にしている言葉をできるだけたくさん思い起こし、書き出してみてください。
たとえば、朝起きてからの第一声は?
鏡の前でヒゲをそるとき、あるいは化粧をしながら、何か独り言を言っていますか?
仕事の場面では、どうでしょう?
長い一日のさまざまな場面で、無意識のうちに口をついて出てくる言業は、それこそ数限りなくあるはずです。
「疲れた」「お金がない」「暇がない」「そんな余俗はない」「不安だ、心配だ」など自分でもよくないとわかっていながらやめられない口ぐせがあるのなら、それらもすべて正直に書き出してください。
口ぐせリストができ上がったら、今度はそれをじっくりと点検してみます。
みなさんのリストには、肯定的な言葉がいくつ、否定的な言業がいくつ見つかりますか?
肯定語と否定語の割合を調べてみてください。
こうすることで、あなたがどんな言語パターンを身につけているか探るのです。
第二のステップは、思考パターンを自覚することです。
考え方のくせ、思考パターン、思考のマンネリ化というのは、自分ではなかなか気づきにくいものです。
しかし、口ぐせリストを手がかりにすると、そのわかりにくかったものもはっきりと自覚できるようになってきます。
みなさんは今、口ぐせリストの作成と点検により、自分の言語パターンをはっきりと自覚したところだと思います。
するとどうでしょう、自分の考え方のくせ、思考パターン、思考のマンネリ化もよく見えてきたのではないでしょうか?
それは、言語パターンと思考パターンが表裏一体のものだからなのです。
「はじめに言葉ありき」と言われるとおり、言語が思考を生み出し、ひいては行動につなげていっているのです。
口ぐせリストに肯定語が数多くあった人は、思考パターンもやはり肯定的です。
反対に、否定語のほうが多かったという人は、思考パターンはやや否定的な方向に傾いています。
さて、あなたの思考パターンは悲観的?楽観的?
何事もネガテイプにとらえる否定型?
それとも、ポジティブにとらえられる肯定型?明るい未来志向の前向き派?
あるいは、過去の失敗ばかり振り返っている後ろ向き派?
思考パターンを分類する際は、大まかな二分法で構いません。
自分の考え方にどんな特徴や傾向があるのか、嘘いつわりのない姿を自覚できればいいのです。
ちょっと大変な作業でしたね。
反省材料ばかり目について、どっと疲れが出たという人もいるかもしれません。
しかし何はともあれ、これでみなさんは、自分自身について以前よりぐっと理解を深めることができたわけです。
人生をグレードアップさせる好循現サイクルに乗るためには、好きな自分だけでなく、嫌いな自分とも向き合う必要があるのです。
誰もが「自分」についての理解を嫌う?苦手?見ようとしない?ものです。自分をしっかりと理解して、「理想」の自分に近づける努力をしていきましょう。
【楽しみながらが成功のオアシス】
ジョギングはくせになる、というのは本当です。
たとえば、みなさんが毎朝15分から20分程度ジョギングする習慣を持っていたとしましょう。
きっとみなさんは、同年代の人たちに比べてぐんと若々しい肉体と粕神を誇りに思っているはずです。
風邪をひきにくい、少々の寝不足くらい何でもない、常にエネルギッシュに仕事をこなせる、恋だってまだひと花もふた花も咲かせるぞ、という強い意欲と自信がみなぎっていることでしょう。
みなさんの肉体は、ことさらダイエットしているわけでもないのに、お腹なんかギュッとへこんでいるに違いありません。
毎日のジョギングで「第二の心臓」といわれる足に筋肉をしっかりつけているので. 体の中の血液循現がよくなり、また、人と同じ量の脂肪を摂取していでも、すぐに燃えてなくなるからです。
それにはまた、脳も一役かっています。
ジョギングを始めて1週間が過ぎた頃から、脳内の満腹中枢を刺激するレプチンという脳内ホルモンが分泌されるようになるのです。
レプチンが分泌されると食欲が抑えられ、あえて辛いダイエットを心がけなくとも、少食や低カロリーの食事で満足感が得られるようになります。
そうした食習慣を続けていると、過酸化脂質の弊害を抑え、DHEAという老化を抑制するホルモンを体内に増やすことができます。
つまり、走ることで体の筋肉と脳内ホルモンの両方のはたらきを強化しているのです。
ジョギングの効用は、全身を鋼鉄のように強くひきしめ、健康を増進し、老化を遅らせるのみではありません。
ジョギングは、脳にも多大な快楽をもたらします。
走りを開始して15分から20分もすると、脳内にベータエンドルフィンというホルモン物質が分泌され、血中に放出されます。
1度分泌されると、それ以上ジョギングを続けても分泌量は増えません。
ただし、その効果のほどは3時間から5時間も持続します。
このベータエンドルフィンというのは、喜び・快活・満足などに結びつく脳内ホルモンの一種で、ベータエンドルフィンのほかにもインターロイキンー2、エンケファーリン、ジュノルフィンなど、現在少なくとも二十種類以上の、いわゆる快楽ホルモンが発見されています。
そのなかでも、ベータエンドルフィンの威力はダントツにすごいのです。
爽快感や恍惚感をつくり出し、脳の機能を活性化します。
また、免疫力を高め、ストレス耐性も向上させるということが、最新の科学によって解明されています。
ですから、「走ると気持ちがよくなる、その快感はもうやめられない」という人が多いのも、実にもっともなことなのです。
朝のひと走りで、それまで眠っていた脳と体をいきいきと活性化することができます。
何も考えず、頭の中をからっぼにして、ただ体を動かしているだけで、ときにとてつもない着想が生まれることにもつながります。
そして仕事に向かってからも、心身ともに快適な状態を継続できるので、何事も気分よく、順調に運ぶことができます。
すべては、ベータエンドルフィンがもたらす恩恵です。
ベータエンドルフィンの効用を日常的に役立てる手段は、ジョギングに限らずいくらでもあります。
注意して欲しいのは、人間の存在は、脳・体・心の三位一体で形づくられているものです。
たとえば、「脳の使い方」、そのことばかりを実践していても、なかなか効果は上がってきません。
「脳の使い方」「体のつくり方」「心のきたえ方」、それぞれバランスよく組み合わせ、自分なりのオリジナルメニューを作ってください。
そして「継続の原点は快にあり」と心得てほしいということ。
実際に試してみて「これならいけそうだ」と感じたら、最低でも28日間は続けてみてください。
その効果の現れ方は、人によって違いますが、早い人なら、1週間で違いを体感することができるでしょう。
平均的には、四週間ほどみないと、はっきりとした効果は現れてこないようです。
ですから、はじめのうちはたいした変化がなくても焦らないことです。
肝心なのは、あなたが楽しみながら継続してしているかどうかです。
人生における成功の原点は、脳と体と心の三位一体を「快」に導いていけるかどうかにかかっています。
さあ、朝の時間を有効に活用して、人生を大きく変えていきましょう。
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