【なぜ、自分のものと他人のものを分けてしまうのか】
人間の目からすると、それぞれが相違して見えるが、大きい宇宙の目から見ると、みんな1つの生命で働いているのである。
人は、だれもかれもが、自分の目の働き、自分の鼻の働き、自分の耳の働き、自分の舌の働きは、すべてが、自分持ちの働きだと感じている。
うっかりすると、他人の目や鼻や耳や舌の働きは、別の働きと思ってしまう。
もしも、それらの働きが、まったく別のものならば、少しは違った働きをしてもよさそうである。
事実は、赤い色は、同じく赤と感じる。
魚の匂いは、だれもが生臭いと感じるし、鐘の音は、ゴーンと聞くし、餞頭は甘い。
道は通じて、一(いち)たり
自分に執着すると、自分のものと、他人のものとに分かれてしまう。
が、無我になると、一切が宇宙の一つの生命で働いていることがわかる。
万物は同根である。
ところが、人間の社会だけが、自分のものと、他人のものを分けてしまう。
自分の意見というものを強く持つと、他人との平和が守れなくなってしまう。
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