発想の世界には、「アイデアは既存の要素の新しい組み合わせでしかない」という格言があります。
アメリカ広告審議会会長のジェームス・W・ヤングが「アイデアのつくり方」という著書のなかで述べたもので、ゼロから生まれたまったく新しいものなど世の中に存在せず、すでに誰かが考えたいくつかのアイデアを混ぜたのもが「新しい発想」として評価されているという事実を的確に表現した名言です。
消しゴム付きの鉛筆、PC と電話を合わせたスマートフォン、インスタとポケモンを合わせた「ポケモンGO」、健康とコーラを合わせた「コカ・コーラプラス」・・・いずれも既存の発想を混ぜ合わせて大評価を呼びました。「組み合わせ」ほど確実性が高い発想法も他にはないでしょう。
ここで紹介するのは社会学者のマーレイ・デービスが提唱するテクニックで、過去に発表された「発想法」を分析して、おもしろいアイデアに共通する12のパターンです。
デービス博士が調べたのは、「人間がおもしろいと思うものには、どのような共通点があるか?」というポイントです。私たちが「これはおもしろい!」と感じやすいパターンが見つかれば、斬新な発想を探す作業は格段にラクになるでしょう。そのパターンに合ったアイデアをいくつか考えたうえで、思いついたものを組み合わせていけばいいだけだからです。
1.でたらめに見える現象に法則があった。
例:芸能人のゴシップに関連したニュースが急増する背景に、政府のスキャンダルを隠そうとする動き があった。
2.さまざまな要素でできていると思われた現象が、実は1つの要素でできていた。
例:怒りや喜び、悲しみといった複雑な感情が、実はすべて脳内ホルモンのバランで説明できる。
3.小さな現象の裏に、もっと大きな理由があった。
例:日本人の自殺が年間3万人まで増えた理由はデフレが原因だった。
4.一部の現象に見えて、実は一般的な現象だった。
例:本屋に行くとトイレに行きたくなる人は思ったよりも多く、実は「青木まりこ現象」という特定の名前までついている。
5.不変に見えた現象が、実は変化していた。
例:人間の細胞は半年ですべて入れ替わる。
6.非効率に見えた現象が、実は効率的だった。
例:昼寝は仕事のスピードをアップさせる。
7.悪いと思われた現象が、実はよいものだった。
例:貧乏ゆすりは冷えやむくみの解消に役立つ。
8.無関係そうなものが、実は関係していた。
例:低コレステロールがうつ病を引き起こす。
9.セットだと思われたものにが、実は両立しなかった。
例:現代の科学では、恋愛と結婚は両立しないが結論になっている。
10.正の相関があると思われたものに、負の相関があった。
例:所得が低いほど、肥満の割合や喫煙率は高くなる。
11.ほぼ同じと思われたものが、別ものだった。
例:チャーハンとピラフ、そうめんと冷やむぎ、クッキーとビスケット、唐揚げと竜田揚げ、焼肉とバーベキューの違い。
12.結果と思われていたものが、原因だった。
例:悪いことをするから不良なのではなく、不良と呼ばれたものが悪い行動をとる。
以上が、おもしろいと思われやすいアイデアに共通する12のパターンです。これらの要素をふくむアイデアほど世の中にウケやすく、ヒットの確率率も高まると考えられています。
これから企画などを考える際は、上記の12のパターンに当てはめて考えてみてください。
・このアイデアは、12のパターンのどれかに当てはまってないだろうか?
・もし今のアイデアがどのパターンにも当てはまらないときは、表現の方法などを変えて、パターンに当てはまるようにはできないか?
・逆に、12のパターンの中から、いま考えなければならないアイデアに適用できそうなものはないか?
せっかく思いついたアイデアも、世間の人に受け入れてもらえなければ意味がありません。そんな事態を防ぐためにも、この12のパターンを意識しておいてください。
0→1にするのはとても大変な事です。何かを生み出すには何十、何千と試作や失敗を繰り返す必要があります。何かを作る以外にも、同様で仕事の中にも「何かいいアイディア」を生み出そうと考えてもなかなかアイディアは出てきません。ここは素直に「既存のアイディア」を工夫して、さもオリジナルなものとして発表しちゃえば・・・ダメですかね。。。
↓ 参考書籍
ここのテーマを深堀していったら、私の中でほぼ「既存のもの」になりました。仕事でも副業でも、何かを始めるにも「先人」がいて全くと言っていいほど「オリジナル」に近づけませんでした。深すぎます・・・もしこれらを克服したアイディアが出たならば、それは「マニー(マネー)」に繋がると思います。
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